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拳児2

紗英は常に「稼げる一冊」を探している。

いずれ稼げる一冊になりそうだと、目星を付けているコミックも、いくつかある。

『拳児2』は、そんな期待を抱いているコミックのひとつ。


『拳児』は、1980年代に「週刊少年サンデー」で連載された格闘漫画。

主人公・拳児が中国拳法の達人である祖父から武術を学び、成長していく姿が描かれている。

特筆すべきは、拳児が中国に渡ってからの描写。

現地での出会い、道中の困難、そして中国拳法の修行風景──その一つひとつが、ただのフィクションを超えた、妙なリアリティを持っていた。


『拳児』の魅力とは別に、紗英は『拳児2』が稼げる一冊になるかもしれないと考えていた。

続編である『拳児2』は、マンガアプリ「サンデーうぇぶり」で連載された作品。

ただし現在は休載中。

作画担当の藤原芳秀氏は、2023年からさいとう・プロダクションで『ゴルゴ13』を含む複数作品の作画を担っており、その負担は大きい。

そのため現時点で『拳児2』再開の目処は立っていない。

もし連載が再開されれば、話題性から価格が跳ねる可能性は十分ある。


また『拳児』の連載終了は1990年代前半、『拳児2』の開始は2020年代。

約30年ぶりの続編となる。

このタイムラグゆえに、前作の読者が続編の存在に気づいていないケースもあるだろう。

そして当時の読者層は、紙の本で育ってきた世代。

続編の存在を知れば、高額でも紙の本を欲しがる人は多いかもしれない。

全1巻という短さから、再版や新装版の可能性も低そうだ。


そして、この『拳児2』が昨日売れた。

売価は550円。ショボい。

値段は自動改定モードにしていて、売れた価格はその最安値。せめて1000円は超えてほしかった。


「……連載再開してくれないかな」


紗英はため息混じりに、『拳児2』の発送作業を行った。

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