[新装版 ヨコハマ買い出し紀行]
紗英はいつものように、6時前に目を覚ました。
顔を洗い、約5kmのジョギング。シャワーを浴びたのち朝食の支度。
7時半頃、多恵姉と朝食。
今朝は目玉焼きと味噌汁をつくり、冷凍ご飯をレンチン。
ほかキャベツサラダと、作り置きの惣菜が3種、納豆とキムチがテーブルに並ぶ。
「多恵姉、今夜の晩は?」
「今日は遅くなりそうだし、外で食べて帰る予定」
「オッケー。晩ごはんは各自ね」
「紗英ちゃんの今日の予定は?」
「川口市あたりを廻ってみるつもり。帰りに買い物してくるけど、なにかいる?」
「ん-、、、これといってないけど、、、。あーでも久しぶりにほっけ焼いたの食べたいかな」
「ほっけの開きね。了解。買って帰る」
「いつもすまないねえ」
「そう思うならコーヒー淹れて」
「はーい」
10時前、愛車PCXに乗って出発。
草加のブックオフから仕入を始めた。
それから川口市をチェック。帰宅時間は18時台を予定している。
可もなく不可もなく。
そんな仕入感触が続いたが、川口の古本市場でお宝を発見した。
「新装版 ヨコハマ買い出し紀行」全10巻。
完結セットで5610円。何度か単巻で販売したことはあるが、セットはまだない。
けど5610円。状態も申し分ない。
これならいける、そう確信していた。
プライスターでセット価格をサーチ。Amazon最低価格は状態良で2万オーバー。
keepaのグラフを1年間でチェック。1.5万より少し下が中央値のようだ。ここ数か月はやや相場高。売り手としては喜ばしい現象。
うん、お宝だ。
古本市場では多数の完結セットを販売しているが、紗英はこれら完結セットのチェックにはあまり熱心ではない。かさばるし重いからだ。特にバイクだと車よりも積める量が限られるので、完結セットのコーナーを一切見ないこともある。
だがこの日は、なんとなく目を通した。運が良かった。
会計を終え、袋をバイクに積み込む。お宝ゲットに紗英の口元が緩んでいた。
そのあとは気分よく仕入を続け、スーパーで買い物して19時前に帰宅した。