思い出話に花咲かせ
「そういえば、柚希ちゃんと出会ってから10カ月くらいか?」
「今から遡るとそれくらいなのです」
「そういや、夏に差し掛かろうとしていた時だったか。 丁度俺が白金という女が罰ゲームだったと言って真人を傷つけるのを見た時期だったな」
「ああ、お嬢様の威圧感によって漏らした女ですか。 あの後、あの女のお漏らし姿だけを隠し撮りされてたみたいで、動画で拡散されてましたね」
暫く庭園の桜の木の下で美味しく食事をした後に、思い出に花を咲かせる。
柚希ちゃんと付き合いするきっかけとなった白金の罰ゲームだった宣言から約10カ月経っていたわけだ。
だが、まるでその10カ月が長く感じた。
それだけ、いい思い出もあれば、事件もあったからだ。
そのうちの一つの白金の件だが、どんなテクを使ったのか、奴が失禁する様子だけを隠し撮りし、それを動画で拡散していたらしい。
それがあってか、白金は引きこもったとのこと。
まぁ、一度妊婦への暴力で警察に捕まっているんだし、自業自得だと言わざるおえないがな。
「お兄ちゃんが柚希ちゃんと付き合うようになってから、柚希ちゃんは大胆に攻めたりしていたよね。 男子には苦手意識を持っていたのに」
「あはは……」
柚希ちゃんが男子に苦手意識を持っていたのは、クリスマスイブの時に知った話。
彼女が楠家の令嬢であるせいか、見合い話が絶えず、さらには性的な目で見られたりした影響らしい。
静香のおかげで保てたみたいだが、もしそうでなければ柚希ちゃんと付き合う事はなかったのかも知れない。
そう考えたらゾッとした。
柚希ちゃんと付き合う事が出来て本当によかったよ。
「それでも俺としては柚希ちゃんにとって安心できる男としていられるようにはしたいかな」
「大丈夫なのです。 真人お兄ちゃんは一緒に居ると安心するのです」
「それはありがたいな」
俺といると安心するという柚希ちゃんの言葉に安堵する。
今後もそうであるように心掛けたいとも思っているが。
「そういえば、ニュースで言ってたけどあの女……座間 葛葉というお兄さんを捨てたという毒母ですが、検察官が死刑を求めているらしいですね」
「ああ、父さんを刺しただけでなく、目撃者をも次々と刺しては何人か死んだっていうクリスマスの惨劇とされた事件だな」
「検察は死刑を要求してるのか。 まぁ、あれだけの事をしたからなぁ」
「だけど、座間側の弁護士が精神的とかどうとかで死刑しないようにって言ってるよね」
「いくら何でも無理があるだろ。 無差別だぞ、無差別」
「まぁ、今後の裁判に託すしかないだろうな」
「そうねぇ」
次に俺を捨てた毒母の座間 葛葉だが、検察側は死刑を要求し、弁護側は減刑を求めている。
こういう事件に関しては、いつものパターンだと思う。
それに弁護側の精神がとか言っていたが、奴の意志は明確だったのでその主張は無理があるんだよなぁ。
「屑な奴と言えば、静香を性的苛めをしてきた奴らもだな」
「あれかぁ。 私がトイレに行くのを妨害されて漏らしそうになった事もあったんだよね。 美矢ちゃん達のおかげで漏らさずに済んだけど」
「親父やお袋のパイプのおかげで何とかなったけど、あれで俺は静香ちゃんが大事なんだって思い知らされたんだよな」
「あの後の和人さんのスキンシップは癒されたよ」
「あの後はやり過ぎたかもと思ったが、そう言ってくれるなら安心だ」
「実はやり手だったんだな、和人」
「お前と柚希のカップル程じゃないぞ」
「あはは……」
静香をいじめたとされる例の生徒の末路は知らないが、あの後のスキンシップは激しかったようだ。
やっぱりやり手だよなあ、和人も。
なんだかんだで話が弾み、いつの間にか夜になったので、結局寝泊まりすることになったのは言うまでもなかった。
その後の高校生活は、今までとは打って変わって卒業式まで無事に平穏に過ごしたのであった。
あと2~3話あたりで本編は終わります。
作者のモチベーションの維持に繋がりますので、よろしければ、広告の下の評価(【☆☆☆☆☆】のところ)に星を付けるか、ブックマークをお願いします。
更新は現在不定期ですが、今後もよろしくお願いします




