バレンタイン前日の真人達
「そういや、明日はバレンタインか……」
「そうみたいだなぁ」
放課後、男衆が発狂している光景がよく見かけるので、何だろうと思いながらスマホで日付を見た瞬間、明日がバレンタインだと理解した。
お菓子会社の陰謀とか色々変な噂が立っているが、そんな噂は俺達にはどうでもいい事だ。
ただ、モテない男衆にとってはバレンタインは地獄のようで、一つもチョコやお菓子が貰えない事が確定してるみたいで、獣の咆哮のような悲鳴が至るところで飛び交っている。
「相変わらず阿鼻叫喚な悲鳴が飛び交ってるな」
「そんな事するから、余計に女子が引いてしまうんだがなぁ」
「確かにな」
「姉貴が別ルートで校門に向かう理由が分かるよな」
「こういう状況になるのが分かってて生徒会が放置してるからなぁ。 学校側が校内でのバレンタインを禁止しようとしたら生徒会が干渉したし……」
「生徒会にそんな権限があるのかよ……」
「どうもこの学校ではあるみたいだ。 だから、俺達は生徒会には不信感が拭えないんだよ。 私立や進学校じゃあるまいし」
裕也と和人、そして俺は阿鼻叫喚な悲鳴が飛び交う中で、そんな話をしながら校門に向かう。
ちなみに、バレンタインの日にも普通に学校はある。
学校によっては、校内ではバレンタインを禁止している所もあるが、俺達の高校や静香や柚希ちゃんが通う葉月中は、バレンタインを禁止していない。
バレンタインが来る度にトラブルを起こしている生徒も多いのに、なかなか禁止にならないのは、生徒会のせいだろう。
校長が周辺住民からの多数クレームがあり、教育委員会からもバレンタインを禁止するように要請されている為に、それを理由に禁止に踏み込もうとしたが、生徒会に干渉され禁止にできなかった。
普通は生徒会にそこまでの権限はない。
その上層部たる先生以上が権限を持つはずなんだが……。
「ただ、今回の干渉で教育委員会の会長さんがキレたらしいから、明日が楽しみだ」
「そりゃそうなるか。 俺達は学校から出てからバレンタインを楽しめるからな。 特に今年は」
「ああ、真人は柚希からのバレンタインが楽しみだったな。 俺も静香ちゃんからのバレンタインが楽しみだ」
「お、縁姉貴だ」
話が弾んでいると、いつの間にか校門に着き、縁が待っていた。
「結構盛り上がってたわね」
「まぁな」
「縁、柚希ちゃんと静香は?」
「先に家に帰ってるよ。 まぁ、乙女の準備は色々とあるからね」
「なら、ますます楽しみだな」
「ああ」
「明日、教育委員会からの再要請で校長が決めた内容を貼り紙で伝えるみたい。 まぁ、予想はしてるでしょうけど」
「だろうな。 去年もさっきの阿鼻叫喚な悲鳴が飛び交って近隣住民からクレームが来たんだからな。 生徒会の奴等は『それくらい我慢しろ!!』と突っぱねたせいで、警察沙汰にまで発展したし……」
そのクレームが教育委員会にも来ていたという事で看過できない為に、バレンタイン禁止を要請したんだし。
まぁ、丁度バレンタインの翌日には生徒会の選挙があるから次はまともな人選にしてくれる事に期待したい。
そう考えながら俺は、裕也や和人、縁と共に迎えに来た黒塗りの高級車に乗り込んだ。
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更新は現在不定期ですが、今後もよろしくお願いします




