楠家に匿ってもらいます
おじさんの車で楠家に来た俺。
車に降りた後で、広間に連れて行ってもらい、そこで静香や両親、そして柚希ちゃんと和人と話をした。
「お前のスマホに非通知で着信があったのか!?」
「ああ、和人からの話が終わった直後にな。 幸い非通知を着信拒否していたからよかったが……」
「私達よりお兄ちゃんのスマホに掛けてくるなんて……」
「適当に掛けた可能性が強いけどな。 でも、奴らのようなゲスい存在なら裏で探偵を使って手にしている可能性もある」
前者である適当に掛けたという線であってほしいのだが、あんな厄介な記者共なら裏ルートで個人情報をもぎ取っている可能性もあるのか。
最早、個人情報漏洩ってレベルじゃ済まされない感じだな。
「俺達は暫く窓のない部屋にて寝泊まりする事になった。 風呂とかも換気扇以外は窓がないやつだから、熱気や湿気がすごいかもしれないが我慢しよう」
「ああ、柚希ちゃんや静香の入浴シーンを奴らに撮られるのを阻止するためにか?」
「そうだ」
「あんな記者もどきの人たちに盗撮されたくはないのです」
「柚希ちゃん……」
盗撮と聞いた柚希ちゃんは不安と恐怖に身体を震わせた。
それに気付いた俺は、すぐに柚希ちゃんを抱きしめる。
「俺が一緒にいてやるから……」
「ありがとうなのです。 真人お兄ちゃんの温もりで安心したのです」
一方で、静香も和人に抱きしめられている。
やはり好きな人に抱きしめられるのはいい気分だよな。
「みんな、落ち着いたかな?」
「親父……」
「父様」
しばらくしていたらおじさんが入って来た。
かなり疲れているようだが、大丈夫だろうか?
「ここまで広く引っかき回すゴシップ記者の所属の会社が明らかになったよ」
「どんな会社ですか?」
「『葛川新聞社』だ。 新聞社とあるが、ゴシップ雑誌も刊行されており、それらで収益を得ていたらしいが、ここ最近は捏造やら偏向報道やらで売り上げは急降下。 倒産の危機に陥っているらしい」
「倒産の危機?」
「ああ。 だからこそ人の不幸をネタにして売り上げを戻そうとしていたんだ。 プライバシーを無視してな」
なんとまぁ。
その新聞社、相当なクズさを持った会社じゃないか。
「だけど、何でそんな事を?」
「倒産の危機と言ったが、あそこのゴシップ誌や新聞は各アンチには人気なのだ。 今回もアイドル『フェアリー・ライト』に対するアンチ記事で目を引こうとして、交友関係などを無理やり引き出そうとしている」
アンチに人気の会社とは……。
という事は、今回のゴシップ記者はそのアイドルのアンチなのかも知れない。
「それで親父、どうするんだ」
「まず、弁護士を通じて警察に動いてもらおうと思う。 妻の伝手で警視総監に頼んで動かす手もあるが、流石に今はそれをすると不味いからな」
「確かに、民事不介入とされて取り合ってもらえない可能性もあるから確実に警察に動いてもらうなら弁護士経由でしょうね」
「そういう事だ。 そのアイドルも被害に遭っているようでな。 彼女らに対しても弁護士を用意する予定でね。 長月中で働いている我が従姉にも伝えるさ」
「なるほど」
アイドルグループの子もあの極悪記者たちの被害に遭っているから、俺達だけでなくその子達の家族にも弁護士を用意するようだ。
俺達は落ち着くまでは、楠家に泊ることになる。
そして、後に葉月中自体も学校開始を遅らせる事になり、『七草祭』は完全に中止となったと知ることになった。
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モチベ維持につながるので…。
更新は現在不定期ですが、今後もよろしくお願いします




