柚希ちゃんとお節料理
「「「「いただきまーす」」」」
柚希ちゃんや静香、轟姉妹の元気いっぱいな挨拶の声を聴きながら、俺の作ったお節料理を食する。
「しっかし、お前が作ったお節、楠家顔負けの豪華さじゃないか」
「まぁ、母さんが去年まで作ったお節を参考にして作ったからな。 特に今年は柚希ちゃんと一緒だし」
「ストレートに言うなぁ。 まぁ、俺も静香ちゃんと一緒だしな」
俺が作ったお節料理のクオリティに困惑しながらも和人は豆料理を食べる。
元々、お節料理は『祝い肴』、『焼き肴』、『酢の物』、『煮しめ』で構成されているのだとか。
俺作成のお節は三段重だが、それでも柚希ちゃんとかはかなり美味しそうな笑顔で食べている。
ちなみに、祝い肴の一つを関東風の田作りにしているが、どうも関西風はたたきごぼうらしい。
「ん~、この伊達巻が美味しいのです。 甘くてふわふわなのです」
「柚希ちゃんのとこ、お節料理はどんなのなんだ?」
「ほとんど西洋の料理なのです。 なので、こういった和風なお節は食べたことがないのです」
「海外に展開しているグループ企業が多いせいでな。 日本のお節が受け入れられない人たちが楠グループの社員に多いんだよ」
「ああ、なるほど……」
楠家が西洋の料理にしているのは、そういう理由があったのか。
日本の料理を好む外国の人も沢山いるだろうが、そうでない人もいるのが難しいところだなぁ。
「あ、この数の子もおいしいです」
「うん。 紅白かまぼこもなかなかの美味ですよ」
「お兄ちゃんは料理人目指したほうがいいんじゃない?」
「料理は趣味で作ってるから、下手な事はしないさ」
「もったいないなぁ」
轟姉妹もおいしそうにお節を食べている様子を見て、静香は俺に料理人を目指したらと言ってきた。
だが、俺の料理は趣味で作っているので、下手な事はしない。
他の料理人たちに癇癪を起されるのも嫌だしな。
「そういえば、静香たちの学校は7日のあの祭りがあったろ」
「ああ、『七草祭』だね。 冬の小さな学園祭で、隣町の長月中と共同実施の……」
「ああ、そうだ。 去年は長月中が開催場所だったし、今年は葉月中が開催場所なんだろう?」
そして話を変えて、俺は静香にある事を話した。
毎年7日に葉月中と隣町の長月中が共同で行う冬の学園祭、『七草祭』の事だ。
共同開催なので、開催場所は葉月中と長月中で交代制となっている。
「それがですね……」
その話を聞いた静香が少し落胆したような顔をしていたので何事かと思ったら、柚希ちゃんが代わりに話そうとした。
そして、その内容が信じられない内容だったのだ。
「『七草祭』は、しばらく中止するみたいなのです」
「え、中止!?」
柚希ちゃんから聞いた七草祭の中止。
それを聞いた俺は、信じられないという感じで驚いてしまった。
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