みんなで大晦日
クリスマスにおける殺傷事件から少し過ぎ、今日は大晦日。
この日も柚希ちゃんと和人が来てくれ、クリスマスの時と同様に寝泊まりする。
なお、今回は轟姉妹が護衛として来たようで、彼女達も父さんの部屋で寝泊まりしてもらう事にした。
「除夜の鐘はここでないと聞けないからな」
「そうなの、柚希ちゃん?」
「そうだよ。 楠家の家は大きすぎて除夜の鐘が聞こえないし、鐘が鳴る寺へも遠いからね」
「裕也先輩達が不憫ですよ。 こういう時に別件の用事が入ってるから……」
キッチンで6人分の年越しそばを作っている俺の耳にはそんな話し声が聞こえてくる。
しかし、楠家からでは寺まで遠いというのは初めて聞いたぞ。
「さて、年越しそばができたぞー」
「おー、いい匂いだ。 マジで美味そうじゃないか」
「真人お兄ちゃんのお蕎麦、楽しみなのです♪」
「ボク達も早く食べたいですよ」
「落ち着け、順番に用意するからな」
柚希ちゃんや轟姉妹が楽しみにしており、特に美矢ちゃんが涎をたらしていたので、落ち着くように諫めた。
順番に平等に年越しそばを用意し、みんなに渡ったのを確認してから自分の分を用意する。
「よし、じゃあ食べようか」
「「「いただきまーす!!」」」
ようやく年越しそばが食べられるのか、柚希ちゃんと轟姉妹は嬉しそうにそばを食べていく。
「あ、お兄ちゃん、七味は?」
「おぅ、こっちにある」
静香は少し辛い目がいいので、七味も用意している。
逆に言えば、静香以外は七味は使わないのだ。 柚希ちゃん曰く、七味を使わなくても俺が作った蕎麦は美味しいからだとか。
「あ、鐘が鳴りはじけたのです」
「ここから108回鳴らすんだよな。 時代の流れか、これでも五月蠅いってクレームが来て、場所によっては除夜の鐘自体が中止になったとか」
「世知辛いのです……」
「日本の風情が否定された格好だよなぁ」
除夜の鐘に関する世知辛い話を聞きつつ、鐘の音を聞きながら俺達は蕎麦を食べる。
柚希ちゃんと轟姉妹はもう食べ終わったようだ。
「ごちそうさまなのです。 美味しかったです」
「こんなに美味しい年越し蕎麦を食べたのは初めてですよ」
「楠家や護衛の一家はそうじゃないのか?」
「俺達の家は年越し蕎麦ではなく、ケーキを出された」
「クリスマスじゃないんだから……」
そして、楠家が年越しに蕎麦を食べずにケーキを食べていたという事実に静香は苦笑い。
俺もそれには少し呆れていた。
「もうすぐ鐘が鳴り終わるな。 これが終われば年明けはもうすぐだ」
「そうだね。 今年は色々あったもんね」
俺と静香は、今年の……特に後半の時期の事を思い出しながら、年明けを待っていた。
そして、テレビではカウントダウンが入り、ゼロになった所で新しい年が明ける事となった。
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