座間葛葉、憎しみの末路
俺と静香の家付近で待ち伏せしていたと思われる座間 葛葉は、発狂しながらナイフで俺を刺そうとしていた。
だが、そのナイフは俺に届くことはなく……。
「させないよ!!」
「あつっ!」
すかさず縁が手刃で座間の手首を叩き、ナイフを落とす。
「今だ!!」
「ぐっ!?」
「大人しくしろ!」
その後、警視総監の号令で刑事さん達が座間を取り押さえる。
座間が落としたナイフは、裕也が回収し警視総監に渡した。
「しかし、真人君をダイレクトに狙うなんてね。 それほど死んで欲しがったのかしら?」
「そうよ! 男という無能が産まれたことが憎かった! だから、あの時捨てて、そのまま死んでくれたら良かったのよ!」
「だが、俺はこうして生きてるぜ。 楠家という支えもあってな」
「楠が……、またしても楠が……」
座間が憎しみをさらに募らせる。
楠家にも憎しみを持っているあたり、奴は楠家に家族にも殺されたのか?
「あの楠が……、妹を退学に追い込ませ死なせたた楠が……また私を阻むのか……」
「そうなのか?」
座間が言っている発言について裕也に聞いてみた。
「奴の妹もかなりのDQNだったらしくてな。当時の和人の両親が16歳の時だが、そいつの妹に多数のクラスメイトが被害にあったらしいぜ」
「二人はその人物の悪事の証拠を集め、教師や校長、そして当時の教育委員会にも提出して、明るみにさせたのよ」
裕也が言うには、座間の妹も相当な奴だったようで、当時のおじさんとおばさんは奴の悪事の証拠を集めて、明るみにさせたらしい。
「んで、その悪事がどうしようもないレベルの代物だったらしくてな、協議の結果、取り巻きの奴らと共に退学にしたんだ」
「ああ、そいつもこの座間と同じだった訳か。 ならおじさんとおばさんの行動は正解だったんだな」
「おのれ……」
「逆恨みもいい加減にしなよ。 あんた、極刑は免れない事をしたんだから」
相変わらずの憎しみを向ける座間に、縁は見下した様子で座間に言い放つ。
「さて、座間 葛葉を殺人ならびに傷害、銃刀法違反で逮捕する」
警視総監がそう言うと、刑事さんの一人が、奴の腕に手錠を掛ける。
再犯になったし、無差別殺人を犯したから極刑は免れない……そう思いたいが、別の奴らがうるさいんだよなぁ。
「あそこまでやったんだし、最早死刑相当じゃないかな?」
「また死刑反対派が騒ぎ立てるなぁ」
「そこは当主に相談かな? 弁護士を用意してくるみたいだし」
「慰謝料とか取れるかな?」
「奴に金があればの話だがな……」
刑事さんが、座間を無理やり車に乗せた後、車を発進させた。
小さくなる車を見届けると、ようやくか……という思いで一杯だった。
「お兄ちゃん、落ち着いたら柚希ちゃんと和人さんを呼ぼうよ」
「ああ、そうだな。 落ち着いたら呼ぼう」
今までずっと黙って見ていた静香と共に俺は自宅へと入っていった。
奴の呪縛はこれでようやく解けたのだ……。
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