柚希ちゃんの過去の話
クリスマスイブの夜、俺は柚希ちゃんの部屋で、轟姉妹から貰ったボードゲームで遊んでいた。
轟姉妹も呼んで遊び方を教えてもらい、四人で楽しんだ。
その後、柚希ちゃんと二人きりになり、テレビゲームをやった。 レースゲームやアクションゲームをやって、楽しんだ。
ひとしきり楽しんだ後は、柚希ちゃんの要望で部屋内の風呂に一緒に入る。 当然ながら目の保養になった。
風呂に入った後は、パジャマに着替えて柚希ちゃんと一つのベッドで一緒に寝る予定である。
「こんなクリスマスイブを過ごせたのは初めてだなぁ……」
「そうなのですか?」
「柚希ちゃんに出会うまでは、基本的に今の家族だけでクリスマスをしていたよ」
「そうだったのですね……」
「まぁ、静香は中学生になって柚希ちゃんと知り合ってからは静香抜きでクリスマスしていたけどな」
「あー、私が誘ったからですね」
過去のクリスマスの事を話す俺と柚希ちゃん。
今までと比べたら今年のクリスマスイブは、柚希ちゃんと過ごせて幸せ一杯だ。
「真人お兄ちゃん、実は私は真人お兄ちゃんと出会うまでは、兄や父以外の男性に不信感があったのです」
「不信感?」
「はい。 中学生になってから、多数の御曹司との見合いを求められ、さらに中学でも色目を使って私に接しようとしていたからなのです。 しかも、性的な目で見ている男子もいました」
「そりゃひでぇな……」
柚希ちゃんは、俺と出会うまでは、性的な目で見られたり、色目を使って接しようとしたり、御曹司に見合いを求められたりで男性に対する不信感があったらしい。
それを聞いただけでも酷いなと思える。
柚希ちゃんの都合や気持ちを考えてないから。
「でも、当時の失恋した真人お兄ちゃんを見て、放っておけなかったのです。 支えてあげたいと感じました。 それから真人お兄ちゃんと交流をしていく度に、私の中で真人お兄ちゃんの事が好きになったのです」
「柚希ちゃん……」
柚希ちゃんにとって、不信感の強い男性の中でも俺だけは特別な存在になっていたのだろう。
それだけでも嬉しいのだ。
「ありがとう、話してくれて。 これからも柚希ちゃんを頑張って支えていくよ」
「えへへ、これからも宜しくなのです♪」
なんだかんだで柚希ちゃんの過去を知った以上、頑張って彼女を支えていきたい。
俺だって今でも柚希ちゃんの事が好きだから。
「じゃあ、そろそろ寝るのです。 お休みのキスをしてくれますか?」
「ああ、もちろんだよ」
そう言いながら、俺と柚希ちゃんは、お休み前にキスをした。
丹念にかつ濃厚に、とろける位に口付けを交わした。
「えへへ……、これでお休みできるのです。 真人お兄ちゃん、おやすみなさい」
「お休み、柚希ちゃん」
俺と柚希ちゃんは、お互い挨拶を交わした後、抱き合って寝た。
彼女の温もりを堪能しながら、ぐっすりと。
しかし、翌朝に和人とおじさんから、今の家族に関する不穏な知らせを耳にする羽目になろうとは、この時は知るよしはなかった……。
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