柚希ちゃんとお見舞い その2
静香がお粥の準備が出来たので、俺はなんとか上半身を起こす。
熱で体力を奪われているのか、なかなか起き上がれない。
「あっ、無理しちゃいけないのです。 よいしょっと……」
「あ、わ、悪い。 柚希ちゃん、ありがとう」
気付いた柚希ちゃんが支えとなって俺の上半身をゆっくり起こしてくれた。
なんだかんだでこうやって気遣いをしてくれる柚希ちゃん。
自慢したくなるような最高の彼女だよ。
「それじゃ、食べさせるから。 はい、あーん」
そう言いながら静香がお粥を乗せたスプーンを俺の口元に差し出したので、それに応える。
「どうかな?」
「ああ、食欲のない今の俺でもなんとか食べられそうだ」
「よかった。 はい、柚希ちゃん」
「ありがとうなのです」
「柚希ちゃんもやるの?」
「もちろんなのです。 はい、真人お兄ちゃんあーん」
静香からお粥の入ったお椀とスプーンを受け取った柚希ちゃんが次にあーんしてきた。
柚希ちゃんの笑顔を見ながら、差し出されたお粥を口にする。
「静香ちゃんが作ったお粥、全部食べられそうですか?」
「柚希ちゃんと静香が交互にしてもらったら多分全部食べられそうだ」
「あー、確かに私が作ったお粥だけどね~。 私はお兄ちゃんの状態を和人さんにお知らせしないといけないから、柚希ちゃんに任せるね」
「分かったのです」
「しゃーないか。 和人には悪いと伝えてくれ」
「おっけー」
静香は、和人に俺の容態を知らせるために部屋を出たようだ。
そのため、必然的に柚希ちゃんに食べさせてもらう事になる。
「じゃあ、お粥が冷めないうちに食べてしまいましょうか。 はい、あーん」
柚希ちゃんはすかさず俺にお粥を差し出す。
それを俺が応えるようにお粥を口にする。
「そういえば柚希ちゃんは大丈夫なのか? 風邪が移るかもしれないし……」
「あ、大丈夫なのです。 あらかじめ予防接種してきたのです」
「予防接種で風邪が移ることは防げるのか?」
柚希ちゃんは予め予防接種してきたみたいだが、それで風邪が移るのを防げるのだろうかと疑念が残る。
とはいえ、何の対策もしないよりはマシなのだろう。 俺は只の風邪だとは言え発熱状態なんだし。
「まだお粥は残っているのです。 ゆっくりでいいので食べてしまいましょう」
「そ、そうだな」
柚希ちゃんに風邪が移らないように祈りつつ、俺は柚希ちゃんから最後までお粥を食べさせてもらった。
なんだかんだで柚希ちゃんといる時は気怠さを感じなかったのは大きいかも。
その後、和人の報告が終わった静香が部屋に戻ってきて、柚希ちゃんと一緒に氷枕を取り替えたりして貰った。
俺は柚希ちゃんが見舞いに来てくれたことに心が癒えたのか、翌日には熱が下がってそこから2日後に学校に通えるようになった。
なお、柚希ちゃんに風邪が移ることはなく、安心したのは別の話としておこう。
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更新は現在不定期ですが、今後もよろしくお願いします。




