幕間~その頃の葛間家
いつも閲覧ありがとうございます。
今回は、いつもより短いです。
場所は変わり、神奈川のとある場所に構えている豪邸。
そこに住んでいる一人の男が、執事の報告を聞いた瞬間、真っ赤になって怒り狂った。
「ふざけるな!! 親父達が逮捕されたってふざけてるのか!?」
「事実でございます。 速度超過ならまだしも、器物破損と公務執行妨害罪で逮捕されました」
「金を使ってそれをなかった事にできないのか!?」
「無理ですね。 楠家が関わってますから。 向こうの方が、警察の知り合いが多いようですので」
「なんだと…!? くそっ、あの楠が…!」
怒り狂った男は、葛間家の息子。
彼が楠 柚希宛にお見合いをしつこく申し込みしていた張本人である。
申し込みする度に、お断りの手紙が送られてくるが、それを見なかった事にして再びお見合いの申し込みを繰り返していた。
(くそっ、あの平民が柚希ちゃんと付き合っているのが気にくわないってのに…! 何としても別れさせないと…)
この男は、真人と柚希が付き合っているのをある筋から知った。
金持ちの家系ではない真人が、楠家の娘の柚希と付き合っているのが気にくわなかったから、しつこくお見合い要求をしていたのだ。
元々、葛間家は金持ちの家系は、金持ちの家系と結婚すべしという思想を持っており、他の家系にもそれを押し付けている。
だが、楠家みたいに圧力に屈しない家系が多いので、かなり焦っているように見える。
その焦りか、男はとんでもない考えを口にした。
「こうなれば、柚希ちゃんを直接誘拐するしかないな」
「し、正気ですか!? 下手したら楠家をさらに激怒させる流れに…!」
「柚希ちゃんを僕のモノにするには手段を選んでられないんだ! 彼女は何処に向かってる?」
「秋頃に閉園予定の端島園だそうですが…」
「なら、そこに人員を派遣して柚希ちゃんを誘拐するようにしろ!」
「わ、わかりました…」
とんでもない命令だが、従わないといけない。
執事は、額に手を当てながら男の部屋を出ていく。
一人残った男は、窓から青空を見つめながらこう言った。
「柚希ちゃんは、僕のモノだ。 あんな平民が付き合っていいわけがない。 彼女は、金持ちの家系である僕と結婚すべきなんだ」
男は、気味悪い笑みを浮かべていた。
その企みはすぐに壊れてしまう事すら知らずに…。
そして、それが葛間家の破滅となる事すら知らずに…。
楠家を怒らせた事を知らないまま、男は青空を見つめながらジュースを飲んでいた。
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