葛間家という存在
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「旦那様、速度超過の車に警察が張り付いたようです」
「流石に一般の道路で速度超過する車を放ってはおかないか」
カーチェイスを覚悟していた俺は、助手席の護衛さんからの新たな報告を聞いて後ろを向いた。
確かに複数のパトカーが、車を取り囲むようにしていた。
今走ってる道路は、時速40キロの標識がたっている。 なので、超スピードで追って来たとされる車を警察も放ってはおけなかったかも知れない。
「あの車、クラクション鳴らしてるです」
「警察が道を塞いでると思ってんのか…」
「知らぬは当人…か」
警察に道を塞がれている事で怒りを覚えたのか、クラクションを鳴らしている。
そうなる位の速度超過をかましているのが原因だろうに…。
「あの車…、あの家系の車ですね」
「やはり、葛間家の者か」
「葛間家?」
初めて聞く単語に俺は首を傾げた。
「葛間家は、関東を中心に展開する高級料理店を運営している会社を抱える家系だよ。 だが、一般人や観光客からの評判は良くないようだ」
「それって、家系として成り立ってるんですか?」
「客層が金持ちの家系に絞ってるから、それで成り立たせてる。 一般人や観光客への対応が酷くても事業が続いているのは、奴と同じ思想の金持ちの家系が頻繁に来るからだ」
何というか…、葛間家の思想と同じ家系のみで成り立ってるとか…。 本当にどうしようもない家系なんだなと思ってしまう。
「という事は、柚希ちゃんのお見合い要求も?」
「その通りだ。 葛間家が一番しつこくお見合いを要求して来るんだ。 奴等に断りの通達を出しても聞き入れずに、自分たちの主張…金持ちの家系は金持ちの家系と結婚すべきというのを振りかざして来てるのさ」
そういう事か。
葛間家が、おじさんが言った主張を振りかざして、俺と柚希ちゃんの仲を切り裂こうとして、お見合いをしつこく要求したり、今の車での襲撃をしようとしていたわけか。
「あっ…! 一台のパトカーがぶつけられたのです!」
「無理やり通そうとしたか…。 だが、もう遅いよ」
おじさんがそう言った瞬間、交差点から車が飛び出してきた。
黒の乗用車だが、赤色回転灯がある辺り、警察の人が乗っているのだろう。
「護衛のある一族が、警察と知り合ってるからね。 即座に呼んでくれたのだろうね」
確かに、あの後に現れた別の護衛さんと警察の人が対等に話している辺り、その人と知り合いなのだろう。
「大人しく違反の切符を切っておけばよかったのに、無理やり通そうとしてパトカーをぶつけたからね。 公務執行妨害罪も付けられるだろうね」
「父様、あの葛間家ならお金でそれらがなかったことにされる可能性が…」
「そうさせないように警察には釘をさしておいたよ。 例え金持ちの家系であろうが罪は適用すべきだしね」
「それならいいのですが…」
柚希ちゃんは、不安なようだ。
俺はそれに気付き、彼女を抱き寄せた。
俺自身もあれで終わるとは思えない。 別の形で仕掛けてくるかも知れない。
そう考えている間に、俺達を乗せた車は端島園へと近づいていく…。
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