柚希ちゃんと母親(後編)
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「お待たせしました」
柚希ちゃんと母親の要さんをソファーに座らせたと同時に静香が四人分のお茶を持ってきた。
静香がそれを配り終えると、俺の隣に座る。
「改めて、真人君と静香ちゃんには、いつも柚希と和人がお世話になってますわ」
「いえ、こちらこそ…」
要さんが、改めて挨拶をしてくる。
俺達は、どう返せばいいか分からなかった為に、しどろもどろな返事になってしまった。
「特に柚希は最近、真人君の事でテンションが上がってますから」
「ああ、そう言えば柚希ちゃんの今の服装…。 俺と一緒にショッピングデートした時に買った衣装じゃないか」
「えへへ…♪ 真人お兄ちゃんと一緒に選んだ服装を早速着て旅行に行ったのです♪」
そう。
要さんとのやり取りで、危うく忘れかけていたが、柚希ちゃんが着ている衣装は、三日前のショッピングデートでお互い負担して買った衣装だったのだ。
俺と一緒に選んだという事で、旅行の時に早速着たのだ。
「本当、お兄ちゃんと柚希ちゃんは見せつけてくれるね~」
「全くね~。 柚希曰く、食事の時も『あーん』しあってたんですってね」
「あの時は楽しく食事できたのです♪」
「いや、本当にラブラブだわ、お兄ちゃんと柚希ちゃん」
「そう言うお前こそ、和人とのショッピングデートはどうだったんだよ?」
「あ、あ~、まぁ、上手くいったよ?」
柚希ちゃんと付き合っている件で、静香にからかわれるが、俺がカウンターをかますように和人とのショッピングデートの事を聞いたら、しどろもどろになった。
「静香ちゃん…?」
「ゆ、柚希ちゃんまでそんな目で見ないでー!」
「大丈夫よ。 和人と静香ちゃんのデートも上手くいったから。 護衛の人からの報告によるとね」
「そうですか。 そりゃあ良かったです」
しどろもどろになっている静香に、柚希ちゃんはジト目で睨んでくるが、要さんがすかさずフォローを入れる。
護衛からの報告を聞いた要さんからの話だと和人と静香のショッピングデートも上手くいったみたいで、安心した。
「まぁ、静香ちゃんと和人は意外と初心だから、まったり待ちましょう」
「あ、あはは…」
「そうですね。 そこまで急ぐ必要はないですしね」
とはいえ、二人が実は初心だったのは、さっき初めて知ったのだが、それでも急ぐ必要はない。 ゆっくり絆を育んで欲しいところだな。
静香は、渇いた笑いをしていたが…。
「あと、真人君。 あなたを捨てた張本人は、夏休みに入る前の嘘告白系の出来事においても、それを行った女子学生のバックとして存在していますね」
「ええ、和人から聞きました」
そして、要さんは真面目な表情であの話に入る。 和人やおじさんが知っている話だから、要さんも知って当然だろう。
「その女の義理の娘は、アイドルとして北海道にいるようです。 明後日には戻るらしいと暗部から報告がありました。 その時に夫とお義父様が色々と仕込むらしいですよ。 まずは現行犯逮捕できるように」
なるほど。
証拠を隠滅する位に狡猾な元母娘だからな。 まず、現行犯逮捕できるように誘導するってわけか。
「真人君にとっての忌むべき存在が、落ち行く様子を楽しみにしておいてくださいね?」
「えーと、母様?」
要さんのややSっ気がある話し方に、柚希ちゃんがドン引きしていた。
だが、確かにあの元母娘が堕ちていく様子は見る必要はあるな。
今までの決別の為に。
そんな感じで、柚希ちゃんや和人の母親の要さんとの話が終わったのだ。
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