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錦上の花束をあなたに  作者: 保科朱里
【芽吹き】
20/21

2-5

隔週(大体)更新です。

やっとここから魔法らしくなってきます!

 それから三人は指定された自分の席にそれぞれ座った。

 シオンに礼を言って受け取った荷物も教室の後ろに置いてある。シオンとアヤメは前後席であったが、カジュは離れていた。


(誰かと仲良くなれるかな……)


 不安げにあたりを見回していると隣から声がかかった。


「はじめまして、ごきげんよう! 私、ハイドランド・オリーブって言うの。 オリーブって呼んでね! あなたは?」


 桃色の髪と目をした女生徒だった。

 髪の毛は後ろで一つに結ばれており、垂れ目で穏やかな雰囲気だ。生地のしっかりとしたワンピースにジャケットを羽織っている。


「はじめまして、私はカジュと言います」


 カジュがいつものように姿勢を正して少し微笑んで名乗ると、オリーブはぱあっと顔を明るくした。


「カジュ! 素敵な名前ね。仲良くしてくれると嬉しいな」


 オリーブは手を差し出すとカジュに握手を求める。

 カジュもその手を取ると笑顔でよろしくね、と返した。


「それにしても、制服楽しみだね!

 一人ひとりデザインが違うんだもんね!」


 オリーブは両肘を机について頬に手を当てた。

 制服は入学式が始まる前のHRで一斉に配られる予定だ。


「えっそうなの?」


 カジュは驚いて聞き返す。

 プリムラ学園の制服について、なんとなくのデザインは知っていたが、細かいところまでは気にしていなかった。

 たしか白と黒が基調とされていて、ところどころに橙色が使われているのではなかっただろうか。


「そうなんだよー! 仕立て屋さんが数十人いて、その人に会ったデザインを一瞬で創り出すんだって。

 サイズもぴったりだし、色も人によって白が多く出たり、黒が多かったりするんだって! すごいよねー」 


 オリーブは楽しそうに、人差し指を立てて動かしながら説明してくれる。

 入試要項に書いてあったらしいが、カジュは制服の項目を読み落としていたため知らなかった。


「白と黒どっちが多く出るかなあ! 白だと可愛いし、黒だとかっこいいし……どっちでもいいなあ! 

 カジュは……ううん、どっちが似合うだろう……」


 カジュの顔をまじまじと見ながら、オリーブはううむと声に出しながら唸った。


「ふふっ、オリーブは白が似合いそうね」


 天真爛漫なオリーブには、明るい白色のほうが似合いそうだ。


「えっそうかな! えへへ、じゃあ白色の制服かなあ!」


 ピンっと背を伸ばし、目を輝かせながらオリーブは手を胸の前で組んだ。頬が髪と似た薄桃色に染まっている。


このページに立ち寄ってくださった皆様の健やかな毎日を願っています。



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