これでわしと光はフレンドじゃな
「なあ光これからわしたちの適正レベルの狩場に行くんじゃけど、行動が色々キャラに影響していくじゃろこのゲーム? つまりこれから先、光と一緒に行動した方が良い場面と、光とは別に行動した方が良い場面があるわけなんじゃが」
「つまり私たちが共通の方向性で育成が進んでも大丈夫そうなマップを選んで、これからそこへ行く感じね?」
「そうじゃ」
「魔王は『マリン』にいたし、水系魔法を伸ばして行く方針なの? 私も水系魔法は一応持ってはいるけど」
光よ、わしが『マリン』に居たのは合法的にスク水が着たかっただけじゃ。
光が一応と言うのは、勇者が覚えられる魔法は魔法使いが覚えられる魔法の劣化版だからだ。
そうじゃないとゲーム的に職の役割分担が崩壊するからなんじゃが、そういう意味ではやはり勇者って難しい職なんじゃよな。
「んーとりあえず次は火系魔法が欲しいと思っちょるなぁ」
「なるほど火系魔法は色んなゲームで優遇されてるし良いね、火系のマップへ行こう!」
「じゃな『ゼロ』に隣接してるマップにも火系マップはあるんじゃが、そこはもうわしらの適正レベルじゃないし『マリン』を抜けた先にある『アチチ』に行こうと思うんじゃが?」
「ほいほーい! それで良いよ!」
そういえばわしら一緒にパーティを組んではおるが、まだフレンド登録をしておらんかったの。
「あと、光。フレンド登録しておきたいんじゃけど?」
「おっけー! じゃあ私から送るね!」
光からフレンド登録の申請が来たので、はいをクリックした。
これでわしと光はフレンドじゃな。
勇者と魔王がフレンドってシュールじゃが今さらじゃの。
同じギルドに所属している場合は、逆にギルメン同士でフレンド登録をしていなかったりするもんじゃが、同じギルドに所属していない場合はフレンド登録をしていないと不便すぎるんじゃよね。
そう考えるとギルドって便利なんじゃよなー。よほど評判の悪いギルドや無名のギルドに所属していない限り、ギルドに所属していないプレイヤーよりは他のプレイヤーからの信用が得られるから、野良パーティの募集や物々交換の募集の際の人の集まりにも影響がある。
まあ有名プレイヤーならまた事情が違うかもしれんがのう。
「ありがとう光、じゃ『アチチ』に向かうかの」