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儚いタイプの美少女やったら鎌一択やな

 わしが【特殊体質 無振り】であることを光に説明し、現状、光と一緒に適正レベルの狩場で狩りができないので『ゼロ』に来ていた。


「しかし光、別にパーティじゃからって、わしに合わせてメイド服にしなくても良かったんじゃぞ? メイド服は確かにかわいいが」

「ううん、実は私メイド服が好きで普段から着てるんだ」

「そうなんじゃ?」

「そうだよ」

 まあ光がそう言うならこれ以上そこには触れなくて良いか。

 VRMMOをやっている時点でメイド服が好きなのは本当じゃろ。


「とりあえずわしの装備を作る店はわし以外入れんらしいし、あとで合流しよう」

「ほいほい、じゃあねー」


 光と別れた後わしは以前、魔法の(マジカル)クーロゼットを使った路地裏に向かっていた。

 どうも説明文によるとここに例の店があるらしい。

「うわぁほんまや。何もなかったところに、なんか鍛冶屋ができとるっ!?」


「アンタ、うちが見えるんか?」

「は、はひっ!」

 俺が一見普通の鍛冶屋に見えるその店に近づくと、タトゥーだらけのスレた感じの女幽霊が現れた。

 とはいえNPC相手になにびびっとんじゃわし!


「そうか、うちは幽霊の鍛冶屋や、よろしくな」

「よ、よろしくお願いします!」

「とりあえずレベル15から着れる鎧と武器はタダや、それ以降の装備は素材と金が必要やけどな、覚えとき」

「わ、わかりました!」

「最初の鎧は一種類しかないんやけど、どうせコスの方を表示させて戦うんやろ? 武器はどんな感じにするんや?」


 このゲームは鎧等の防具的な装備と、スク水やメイド服等のコスとどちらを表示させるか選べるんじゃが、豊富なコスが売りなゲームだけあって、現実的にはコスを表示させるプレイヤーが多い。つまり運営の自虐である。

 じゃが武器に関しては、わしもNPCが何を言っているのか理解できていない。


「え、あのわし魔法使いなんじゃけど?」

「魔法の杖ってダサいやん?」

 えぇ……わしも初期装備の魔法の杖ダサいとは思ってたんじゃけど、マジで尖ってんなこのNPC!


「え、えっとおすすめとかありますか?」

「そうやなーアンタみたいな儚いタイプの美少女やったら鎌一択やな。職業としての役割が崩壊するから鎌自体には大した攻撃力ないんやけど、鎌を絡めた魔法とかは使ってるうちに覚えるで」

「か、鎌という発想はわしにはなかったんじゃけど、い、意外とそれ良いのう。鎌でお願いするんじゃ!」


 ふぅ……鎌とか言うから遠回しにネカマじゃろ? と言われてるのかと一瞬思ったが、鎌は全然ありじゃな。それにこのゲームの武器の種類に本来鎌は存在しない。本当に専用装備というわけじゃな。

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