姫プもうまくできないメスガキ廃人
「あたしの名前は冥、親は共働き、あたしは不登校で一日中『最後の楽園』にいる姫プもうまくできないメスガキ廃人、あたしがこの勝負に負けたら、このゲームと一緒に現世も引退しようと思ってたのに、何あたしが負けた時の条件変えて、あたしのこと倒してくれてるわけ? ロープと踏み台も用意してんのにどうすんのこれ? 責任取ってくれんの?」
「冥よ、わしの名前は魔王じゃ、あと征服してないのは人間界だけの異世界最強の魔王じゃ『魔王軍』に入っておれば、わしが人間界を征服した暁には幹部にしてやろう」
「うわぁ……あたしよりヤベェなお前――これはあたしじゃ勝てんわ……」
冥が不登校で一日中ゲームをしてるメスガキ廃人なのは、メスガキ特有の傲慢さと、豪華な鎧でわかったし、性格的に他のプレイヤーにうまく媚びて姫プができないから、最期の悪あがきとして姫プ専用逆ハーギルドを無理矢理作ろうとしてたのも、引退が自殺のことなのもわしの予想通りじゃな。
ポップアップで冥の魔剣を見てみるかのう。
【魔剣 空気】
詳細 勇者の最初の剣。この装備は【勇者専用スキル 進化】に対応しています。
最終装備の魔剣になるかはあなたしだいです。
【勇者専用スキル 進化】
詳細 勇者は特定の装備を進化させる才能があります。
なんというか、確かに冥の魔剣じゃな――さてうちの連中は冥に対してどういう反応を――って冥をすでに取り囲んでおるな。
「な、なんだよお前らっ!?」
「うわぁこうして近くで見ると、私好みの最高品質のメスガキだ! おいしい牛丼で餌付けしたい!」
「苺の母性本能がヤバいです! 苺だけが持ってるスキル『回復系攻撃魔法 過剰回復』で冥ちゃんが爆ぜるぐらい愛でてあげます!」
「嬢ちゃん、未鑑定の『魔法の指輪』をあげよう」
さすが『魔王軍』じゃ、わしよりヤバいやつらしかおらんの。
「なんか案外あたしって普通な気がしてきたんだが?」
「冥よ、ぶっちゃけわしも若干引いておるところじゃ」




