ワンチャン全員男じゃぞっ!
苺と合流したわしらは『マリン』と『アチチ』を抜け、今は『イカズチ』の入り口で読み込み中じゃ。
読み込みが終わり、わしらの前に雨が降っている草原が広がった。
遠くで時折雷が光っておる。木もあるが、雷的に考えてあの下は罠じゃな。
天気は悪いが、ボスがいるマップということもあってか『アチチ』と同じぐらいは人がおるの。
このマップ、雷を纏った雷耐性がある雷バッタがぴょんぴょん飛んでおってキモいんじゃが、うちのパーティのやつら……雷バッタにまったく動じておらんし、虫、平気なのか? わしちょっと苦手なんじゃけど。
「さて『イカズチ』に着いたし、わしと光も着替えるかの」
「ほいほーい!」
「ミラーON! 魔法のクローゼット!」
わしの周りをクローゼットが囲む。
「おーすげーなねーちゃんそのスキル!」
「じゃろ?」
「苺も欲しいですねそのスキル」
「これわしだけのスキルなんじゃよね苺ちゃん。なんかすまんのう」
「いえいえ、ナース服は僧侶しか着れないみたいですしっ!」
そうなんじゃよなぁ。ナース服ええぇのう。
「しっかし、こう見るとこのパーティ、男俺だけだし、ハーレムみたいっすね」
「そ、そうかのう?」
「私と魔王はトラ柄のビキニだけどね」
それな。ビキニも恥ずかしいんじゃが、トラ柄なのも恥ずかしいんじゃ。
「苺はナース服が全耐性ある関係で、トラ柄のビキニ持ってなくて、何か統一感なくてすみませんっ!」
「良いって苺ちゃん! 俺も鎧表示だしっ!」
夏、ハーレムといってもわしは男じゃし、苺も光並みのドスケベボディじゃし、キャラクリの方向性として、女より男が好みそうなキャラメイクじゃから、ワンチャン全員男じゃぞっ!
ま、まあ現実的な確率を考えると、光と苺の両方が両声類でネカマというのは、さすがに無いとは思うんじゃが。




