羽があれば路地裏までひとっとびじゃ!
さてログアウトする前に幽霊の鍛冶屋のとこに行くかの。
VRゲームの経験者は知っておるじゃろうが、VRゲームで飛べるというのはそれだけでぶっ壊れなのじゃ。
羽があれば路地裏までひとっとびじゃ!
「こんにちはーじゃ!」
幽霊の鍛冶屋のやつ、また店の前におるのう。まあ割とゲームのキャラはそんなもんじゃが。
「なんやアンタうちが恋し過ぎて、羽まで生やして飛んで来おったんか? それスカートとの相性悪いんとちゃうか? 丸見えやったで、おかげで成仏しそうやったわ」
「お、おぬしスケベじゃなっ!」
しまった! そこまで気が回っとらんかったわい! わしここに飛んでくるまでに、パンツめっちゃ見られちょったんか! 急に恥ずかしさがこみあげてドキドキしてきたんじゃ!
「んーで要件はなんや」
「え、えーっとじゃなぁ。明日からは次の装備の素材集めをしようと思っとるんじゃ」
「次の鎧と鎌はレベル50からしか装備できんのに、気ぃ早いなー」
「まあできれば、レベル上げ兼素材集めをしたいからのう」
「アンタ効率厨か? まあええわ。次の装備の素材はこれやな」
幽霊の鍛冶屋が次の装備に必要な素材をポップアップに表示する。
カニの殻 61個
溶岩鳥の骨 43本
竜の牙 1本
「なんや、アンタもう竜の牙以外の素材持っとるやんけ」
「あー何か硬そうな敵とばっかあたっておったからのう。しかし竜の牙ってなんじゃ?」
「どいつでもええからボスの竜を倒して、牙を引っこ抜いてこいっちゅうわけやな。ただどの竜の牙かで鎧と鎌の属性が決まるから、好みのにすればおもろいかもな」
「んー装備に属性がつくとなると、属性の相性で有利不利が出てくるし難しいのう。耐性がある服を合わせて着れば弱点の相殺はできそうじゃが」
「まー中間装備やから、もっと気楽に選んでええんちゃう?」
「そうじゃなー」
「ちなみに金は五百万いるねんけど、まあどうせこんだけの素材集めてたら、普通に貯まるから大丈夫やろ?」
「そうじゃな。わしは服もスキルでなんとかなるから、今のとこ金使う場面があんまないしのう。じゃあまたの!」
幽霊の鍛冶屋に別れを告げ、わしはそのまま『ゼロ』の路地裏でログアウトした。




