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異世界初旅!

今回もお待たせいたしました(誰も待ってはいないですが。)


今回は前回おっさんと森を出発したあとの話です。すぐに目的地に着くか、寄り道するかでコイントスしてみたところ、寄り道することになりました。


今回も例に漏れず後書きに本文の大まかな流れを簡単に説明しますので、本文は読む必要がありません。


また、そもそも読む価値はありませんので(今回は特に内容が無く、冗長)、今まで気にしていなかったジャンルのなろうランキングでも見ていたほうが、読者様のためにもなるはずです。

 この俺、新人お手伝いさんの城之内キリトは仕事場に向かう道中暇だったので、俺の雇用主となった「おっさん」に色々質問してみる事にした。


 「なぁおっさん。おっさんの師匠のとこにはあとどれくらいで着くんだ?」

 「急いで行ったとして、1週間くらいだな。普通に行けば10日で行ける。時間はあるから多少寄り道してもいいぞ。」


 急いで1週間!?どんだけ遠いんだよ!聞いてねぇよ!2〜3時間くらいで着くと思ってたんですけど??はぁ。一週間もこんなおっさんと2人旅か。……まさか、おっさんってそっちの気はないよね??夜にいきなりそんなことになっても、受け入れられるか分からねぇぞ……?と、とりあえずおっさんを傷つけずにやんわり断る方法を………

 俺が静かに考え事をしていると、そんな俺を不審に思ったおっさんは俺の頭に手を乗せた。

 「熱ッ!!!」

 「馬鹿な事考えてねぇで歩け!」

 くっそぉ〜!俺はおっさんのためを思って色々考えてやってたって言うのによ!


 「おい!おっさん!俺は別におっさんのことを信用した訳じゃないんだからな!他に選択肢がないからこうなってるだけだからな!」

 「ふっ。別にそれでも構わん。ただ俺はお前のことを割と信用してるぞ?お前の事は大体知ってるからな。」

 「むむむ、ずるいぞ!おっさんだけが一方的に俺のこと知ってるなんて!そもそもおっさんはなにもんなんだよ!」

 おっさんは俺の頭の中を見たって言ってたけどどこまで見たんだろうか。まさかあんな日のことやこんな日のことまで知られたら、俺は恥ずかしくて仕方がないぞ!


 「ん〜、それはお前がこれから判断しろ。俺が何者であるかはな。」

 「何だそれ。……ふん!いいだろう!ところで、さっき俺はマナ無しだけど、マナ無しじゃないって言ってたけどどういう事なんだ?」

 「……。……お前は普通のマナ無しと比べてマナの通りが良い。というよりもお前のマナの通りやすさははっきり言ってこの世界では異常だ。普通の魔術師以上だし、大魔導師でもここまでマナと親和性の高いやつはいないんじゃないか?」

 「いないんじゃないか?なんて言われましても自分、そもそも魔術師も大魔導師も知らないっす。おっさんは魔術師なのか?」

 「……まあそうなるな。だがこれから会う俺の師匠は元大魔導師だぞ?それに魔術師だったらお前が初めて会話した裏ギルドのばあさんが魔術師だ。」

 「そうなの?じゃあ俺、魔術師知ってたわ(笑)」

 「だからか、お前に術をかけようとすると予想以上にお前にマナが流れちまうんだ。俺からすればお前にマナを吸い取られてるような気分だぜ。」

 「なるほどねぇ。俺がおっさんたちの手が激熱に感じたのはそれが原因か!」

 「まぁそうなるな。因みにお前に初めて会ったときの奴はそもそも頭の中にマナを大量に送り込んだだけで、お前が失神したのはただの副次効果だったんだが……。お前は気づかなかっただろうが、あんときは俺だって少し焦ってたんだ。人は来ない場所だと分かってはいたが念の為簡単な人避けと侵入者検知の結界まで張っていたんだからな。しかもその結界が破壊されることも、検知に引っかかる事も無く目の前に知らねえ奴が入り込んできたんだからな。」

 ん?そうだったのか?俺はてっきりおっさんが俺に会えてはしゃいでいるのかと思ってたが……。ん、というかおっさんが自分の事を話し始めたぞ?これはおっさんを見極めるチャンス!少し乗っかってやるか……!!


 「ええっ!?こんな熊みたいな見た目をしている強そうなおっさんが!?魔術の才能も長けているおっさんが!?焦る!?……いやでも、おっさんのことだから少し焦った程度だったんでしょう?因みにだけど、おっさんは何で焦ったのかな〜とか聞いてもいい?」


「ふっ。もちろん急にお前が現れたからだ。たしかに焦りはしたが、あのときの俺のそこからの選択は早かった!いいか?まずなぜか人避けの結界の中に人がいる。その瞬間に3つの可能性が生まれるわけだ。

 まずは1つ目に結界を張ったとき、既に結界の内部にいたと言う可能性。しかしこの結界は俺を中心に範囲を広げて行くことで作っている。自慢じゃないが俺はこの手の空間魔術は得意でな、俺がそんなヘマをするわけがねぇんだ。だからこれは違う。

 次に2つ目の可能性、それはお前が俺の結界を無効化する術をもつ俺以上の魔術師であるという可能性。しかし俺は即座に真眼を使ってお前を見たが、これっぽっちもマナが見えなかった。因みにお前には分からねぇかも知れねぇが真眼の術式を生み出したのは俺の師匠で、これが使えるのは師匠と俺と、師匠の他の弟子の数名だけだからな?ついでに言うとお前の頭の中を見たと言ったが、その読心術も師匠が理論から何までを生み出した魔術師で、使えるのは師匠と俺の2人だけだ。わかるか?まぁ、他人のマナの総量を確かめるだけなら他にも方法はいくつもあるがな。だが、それにしてもマナが無いと言うのはおかしい。マナを圧縮し体内に隠す奴は今までに何度かあったことがあったが、まったくないと言うのは今までの会ったことがない。……人間に限ればの話だがな。

 そこで、俺がたどり着いたのが3つ目の可能性。それはお前が自爆人形だと言う可能性だ。体内のマナは見えず、しかもお前からは敵意すら感じなかった。ただ俺に向かって走り寄ってくるのみ。俺は確信したね。自爆人形だと。ただここまで人間の見た目に近い自爆人形が開発されているのかと疑問に思ってはいたが、あのときにお前を一目見た瞬間に判断したんだぞ?……いいか、自爆人形ってのはな、簡単に言えば人の形をした爆破魔術だ。これ一番の特徴は探知系魔術に引っかからないということだ。なぜ魔法なのに探知されないのか。探知魔法は基本的に相手のマナに反応して位置を特定する。ということは自爆人形にはマナがないのからなのか。……実はマナはあるんだよ。ただ、見えないんだ。言っておくが爆破人形は禁術の応用だから普通の人間はそもそも聞いたことも見たこともないし、もしも遭遇したとしても理解もできないまま死ぬだけなんだぞ?俺は昔に作ったこともあるから分かるが、ここまで教えてもらえるのはとんでもなく貴重な事なんだからな?理解しとけよ??そもそもマナが見えないってのはどういうことかと言うと人間が認知することができるマナの温度には限界があるって事だ。いいか、マナっつうのは循環させればさせるほど温度が上がり、マナの流れも良くなる。これは魔法学において常識なのだが……」

 うわ。急に饒舌になりだしたぞ……?しかもめちゃめちゃ気持ちよさそうに語ってる…。なんだ?誰かに自分の知識でも自慢したいのかな?それとも俺が無知だから色々教えてくれてるのかな?……何言ってるかさっぱり分からんが、とりあえず最後まで喋らせてあげよ……。



 そこからのおっさんは止まらなかった。魔術オタクなのかな?そう思いながら歩きつつ、1時間ほどおっさんの話を聞いていた。もちろん俺は意味がわからなかったから相槌を打ちながら話を聞き流していた。聞いてるこっちが疲れてきたよ……。


 「………という事だ。つまり、魔術の属性は一般的に氷、水、火、風、地という順で強いってこと。他にも無、白、黒の属性があるが、無以外は特殊だからまた今度教えてやるよ。話が逸れたが、だから魔術師はいかにして体内のマナの温度を上げつつオーバーヒートを起こさないようにするのかが大事なんだ。ではもし熱を遮断することが出来る人形があったとして、その内部でマナを循環させ無限に加速させ続けたとしたら?答えは無限のエネルギーが生まれるんだ。あくまで理論上の話であり実際はどんなに良く作ったとしても街一つを破壊するくらいが限界だろうな。で、その超高温になったマナはとても不安定な状態であるわけだ。さっき言った体温がスライム液、50度が水だとすれば300度を超える自爆人形内のマナはほぼ空気だ。さっき温度を上げるほど見つかりやすくなると言ったが、ある温度をこえると突然見えなくなるってのはこういうわけだ。そこにあるが見えない。見えないが強力で不安定なエネルギーを持つマナはちょっとしたきっかけで大爆発を起こす。これが自爆人形の原理だよ。で、そのきっかけっつうのが何でもいいからそのマナに魔術に触れさせる事だ。自爆人形のマナは少しずつ外に漏れ出している。自爆人形に魔術が当たればそれに反応して大爆発が起きるんだ。ただし爆発を起こすのはマナを別の何かに変換させた瞬間であって、例えば氷の塊にマナを変換し、それを自爆人形にぶつけるだけなら爆発は起こらないんだ。ただしこの手の魔術は投げ飛ばすときに飛距離を伸ばすために加速の魔術が働き続けている。これによって氷の塊を直線的に飛ばすことが可能なのだがそうなると自爆人形と接触した瞬間に爆発する。わかるか?だから何も知らない魔術師が安易に自爆人形を攻撃したらそこで終わりなんだ。」

 うんうん!まったくわかんないねぇ〜!さっぱりだぜ。………。でも一つだけ分かったことがある。おっさんは、ただの魔術オタクのおっさん。何者であるのか、それが答えだ!……だからそろそろ止まらねぇかな〜。確かに何もない森の中を歩くだけなのは割と暇なんだが、一生喋りっぱなしのおっさんがいると暇つぶしよりも余計に疲れる要素のほうが強いってもんだ……。


 「お前も何となく気がついたと思うが自爆人形の対処法は3つ。……一つは、自爆人形のマナを冷やす。次に自爆人形のマナを全て抜き取る。最後に魔力を使わない力で自爆人形を破壊する。それだけだ。とはいえマナを冷やす以外は相当難しいだろうな。マナを抜き取るって言っても、そもそもマナの注入も吸収も結構大変な作業なんだよ。しかもどちらかと言えばマナの吸収のほうが難しく、大変だ。しかも自爆人形のマナは高温で、そのまま抜き取ろうとすれば一瞬で炭になるだろうな。それと自爆人形の破壊を行うならば、巨大な岩や氷塊を奴の頭上に落とすくらいしかない。だが自爆人形は割と硬い場合が多い。熱を遮断するために特殊な素材を使っていてな、それを破壊するには大きさと高さが必要になる。自爆人形を破壊出来るだけの大きさを持つ岩を作り出すのは並の魔術師では無理だな。そして岩を作り出す位置も出来る限り高くしなければ自爆人形を破壊するには至らない。でもな、魔術っつうのは一般的に術の使用者からは慣れれば離れるほど制御が難しくなる。自爆人形も動いてこちらによってくるわけだから、もし高い位置に巨大な岩を作り出せたとしてもそれを当てるのは難しいってわけだな。自分から遠い位置に使用する魔術も色々あるが、その場合はいくつか方法があってな、それが………。いや今はいいか。つまり、実質的に自爆人形を見つけたら取れる選択肢は一つ。最速で、自爆人形のマナを冷やす事だけだ。

 自爆人形のマナはエネルギーの割にそう多くはない。……単純に考えればマナをぶち込めば打ち込むほど威力は上がって脅威も増すわけだが、増やしすぎるとマナの操作が難しいのと、マナが十分に熱することができなかったりでマナの量を増やすのはなかなか現実的ではない。自爆人形はマナを無限に循環させ続けると言ったが、自爆人形にマナを込めたあと、はじめに魔術師がマナを操作して循環させる必要がある。これをある一定の温度になるとあとは勝手に循環されるようになっている。それとこれも面白いんだが、自爆人形を量産するときはかまどの中に人形を放り込んで実際に熱しながらマナを循環させることもある。このときはいくつかのパーツを取り外して置いて、熱の通り道を用意しておく。十分な速度で循環したところで急いで残りのパーツを取り付けるんだ。だがなぁ量産タイプの自爆人形の欠点なのかそんときの自爆人形の問題なのか分かんねぇけど、複数体の自爆人形で敵を一気に倒そうとしてたみたいだが、どうやら敵に水の大魔導師がいたみたいでな、まるで海がそこに現れたのかのように大量の水で自爆人形を一気に押し返したんだ。そして何故がその後に殆どの自爆人形が破裂し始めたんだ。爆発はせずに破裂。きっと水が内部に侵入したんだと思うがあれには驚いた。……話が逸れたが、そこから自爆人形も進化しているっつうわけだ。

 だが変わらない部分もあるわけで、例えば自爆人形の基本的な仕組みなんだが、自爆人形を流れるマナは頭の部分にマナを加速させる部分があり、足の部分に循環するマナの速度を利用した自動歩行用の仕掛けが付いている。俺がお前を見て頭にマナを送り込んだのもマナの温度がある程度まで下がれば、魔術師が再び手を加えない限りは無力化出来るからだ。マナ加速部は頭部にあるから、そのあたりのマナの温度さえ下げることが出来ればあとは勝手に温度が下がるからな。一番効率がいいわけだ。」


 ふぅ……!やっと一段落ついたみたいだな。口を開けば自爆人形、自爆人形って!頭がおかしくなりそうだぜ!……仕方ないもう自爆人形の話はお腹いっぱいだし、他の話題でも振って話を変えてもらおう。何だかこっちをチラチラ見てるしこのままではまた自爆人形の話が続きそうだ……。


 「な、なぁおっさん!おっさんのおかげで自爆人形のことはすごくよく分かったよ!……だからその、次は〜、えーと、あの、……そうだ!魔術の属性について、もっと知りたいな〜!おっさん!教えてくれよ!」


 「お、そうか?しょうがねぇなぁ(笑)。魔術の属性か。そうだな、じゃあまず属性っつうのはな、マナを術に変換させる時の大まかな区分みたいなもので、ここで魔術師の得意・不得意が出てくる。そうそう、自爆人形は分類的には無属性に分類される訳だが……」


 (また自爆人形だよぉぉぉぉ(泣)!!ああああああああああああああああ!!)


 全く、おっさんの話好きには困っちゃうね。


 このあとの魔術トークは1週間後に街の関所に着くまで行われた。

という訳で今回のお話は、おっさんと主人公が森からおっさんの仕事先まで移動することになったけど、割と遠いのでおっさんの魔法の雑学を聞き続けてうんざりするというものです。


わりと読む価値はないので、魔法についての話をたくさん聞いたということだけ覚えていただければ問題ないです。


(もし次回もあったとすれば、)次回はもう少し内容がある(今回と比べて)予定ではありますので、期待せず待たないで下さい。

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