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恐怖の笑み


俺は、祈るような思いで少女を見上げていた。


ー頼む!なんとか見逃してくれ!

悪いのは、いきなりこんなとこに転移させたあの馬鹿ですから!


それにしても、あの馬鹿!一度制裁を与えねば…

よし、あの馬鹿に、次会ったら迷わず殴ろうー


俺がそこまで考え、決意をしたところで…


衛兵達が何かに怯えている事に気付いた…


衛兵達の視線の先には、彼らの君主であろう、

美しき姫がーーーって怖っ!


少女の表情に視線を向け、そして気づく


ここまで、

何の感情も表さなかった彼女の表情に

途轍もなく不気味な笑みが浮かべられている事にー


可愛らしい唇は少し右へと引き上げられており、

宝珠のように美しく大きな紅色の目は、

大きく見開かれていた。


何故か衛兵まで怯えているため、

只事ではないのだろう…


というか、俺は何をされるのか…

一体あの表情の裏でどんな恐ろしい事を考えているのか…


とりあえず、俺は殺される覚悟を決めていた。


できるだけ苦しまない様に殺して欲しいなぁ…

俺がそう考えた時、


少女が表情を元に戻して判決を下す


「この少年は、私自ら断罪する。」


と短くそれだけ、


やはり、異常な事なのだろう

周囲にどよめきが広がる。


衛兵の中には、

俺を哀れむような目で見てくる奴もいる…


あぁ…俺の人生短かったなぁ…


そう思っていたら

少女が立ち上がり、俺に向かって歩き出す。


その瞬間、全ての者が頭を垂れ、

場は静寂に包まれる。


俺を囲っていた衛兵も、脇へと下がり、

俺と少女との道を開ける。


少女は、俺のすぐ近くで立ち止まり、

俺へと手を伸ばし、首もとを掴み持ち上げる。


俺は、猫かよ…


そう思いながらも、

抵抗はしない…というか…

この少女の怪力は何なのか…ありえないだろ!


俺は、かなり痩せ型ではあるが

身長は175cmはあり体重も60kgはあるのだが…


そして少女は、

そのまま部屋の出口の巨大な門へと、真っ直ぐ向かっていく…



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