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吸血鬼姫は歓喜する


この世界の全ての者には、生まれ持って魔力がある。


それはこの世界の常識であり、疑う余地もない事実であった。


しかし、その常識は、目の前の少年によって否定される。


数百年の長き時に渡ってこの世界を見続けてきた彼女でさえも、少年のような存在は見たことが無かった。


植物や、昆虫、羽虫の類いでさえも、

個体差はあれど、魔力を持っているのだから…


魔力が無い…

そんなあり得てはならない存在を前にして…


今、彼女の胸中に渦巻いているのはー


ー興味である。


彼女は長き時を生き、

代わり映えのしない日常を過ごす中で大いに退屈していた。


この世界の全てを知り尽くし…

もうすることもない…そう思っていた…


しかし、突如として、目の前に未知の存在が現れたのだ。


彼女は内心めちゃくちゃ喜んでいた。


ーま、魔力が無いじゃと!?


そ、それはどんな仕組みで生きておるのじゃ?


魔力を全消耗した場合、死んでしまうはずではないのか…


そもそも、どうやってこの場に転移を…?


知りたい!まだ、私が知らない事があったとは…

あぁっ!なんと素晴らしい事か!


未知というのがここまで魅力的とは!

フフフ…


ーっと危ない笑みが溢れるとこじゃった…


常に冷静冷徹に。


というのが彼女の信条であるため、

感情を表にだすことを良しとしなかった。


実際、これまで殆ど部下に表情を見せていない。


のだが…


今回は抑えきれていなかった…

微妙に口角が右に上がっていて、

何とも邪悪な雰囲気を醸し出していた…


それは周囲にかなりの恐怖心を抱かせていたのだが…


そんなことになっているとも知らず、

彼女は思考を巡らせるー


今すぐにでも、話を聞きたいところじゃが…


他の者もいる手前この場で、

問いただす訳にもいかんじゃろう…

今は処罰を求められているし…


先ずは、この少年と2人で話せる場所へと移動せねば…

そう考え即座に彼女は行動に移す…



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