青年からの贈り物
ヴェルマスの国民は約15000人と非常に少ない…
それでも世界最高峰の力を誇っていることが
個々人の力が強大であることを裏付けている…
種族として強大な力を持っているのは
確かであるー
しかしそれだけでは
ここまでの力を持つには至らない…
そこにはある秘密があったー
彼女らの軍の総合計は約15000人
つまりー
彼女らは戦いに全国民で向かうのである
子供も、女も、老人も関係無いー
彼女らは、
生まれた時から戦い続けて
戦闘技術を磨き続けていたのであるー
そうして彼女らは
圧倒的な強者としての立場を守っていたのだー
そしてこの日もいつものように全国民で戦地へと赴くー
「こ、これが彼の有名な吸血鬼の軍隊ですか…」
国の出口の大門付近に集まったヴェルマスの全国民ー全兵士達を眺めて
青年は顔に驚愕の表情を浮かべる…
「…ここには今全国民が集まっているのでしょうか…?」
恐る恐るといった様子で青年が聞いてきた
アリシアは応える
「そうじゃな…今方、全員揃ったと報告があったところじゃ。」
ーと
すると青年が感極まった様子で申し出る
「これで…我らが祖国も救われる…、ここに集まっている方々に感謝を述べたいのですが…よろしいでしょうか?」
ーと
アリシアとしては早いとこ用事を終わらせて、アデルのところへと向かいたいところであったが
そう言うことも出来ないため…
「良い…皆もやる気が出るじゃろうしな。」
そう告げた
青年は
ーありがとうございます!
そう言って集まっている
全国民へと語りかけるー
「…我が国を救う為こんなに…こんなにも多くの方々が集まって下さって…本当に…本当にありがとうございます…」
青年は続ける…
「そんな素晴らしいこの国の皆様に…贈り物をさせて下さい。」
そう言うと青年は透明な手のひらサイズの球体を
手に出現させる
アリシアは驚愕するー
あれはー
そして青年は続けるー
「死という贈り物をねぇ!」
瞬間
ー周囲はまばゆいばかりの閃光に包まれるー