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吸血鬼姫は吸血しない


ー血を吸う?


ダメだよ!女の子がそんなはしたない真似しちゃ!


それに、仮にも私達は世界の統一を目指しているんだから!

仲良くしなきゃね!


私の主である少女は年相応という笑顔を浮かべてそう笑う。


しかし、吸血鬼種にとって

吸血行為とは、大事な栄養補給の手段である…


単純に他の生物を食べても栄養補給は可能

…なのだが、

それを好き好んで行う者はいなかった。


それもそのはず、

吸血鬼種の食には料理という工程が一切ない。


吸血行為で、

栄養補給ができてしまう為、

食文化がたいして成長しなかったのである。


アリシアは、苦言を呈する。


ー「そう言ってものう…」


「如何せん食というものを好きになれぬのだ。」


ーと、

すると主たる少女は、


「ちょっと待ってて!」


そう告げて、どこかへと小走りで向かっていった…


ー30分後ー


「お待たせ!」


そう言いながら、少女が戻ってくる…


手には何やら

楕円形の焼けた肉の塊らしきものの乗った木製の皿を持っている…

その楕円形の肉には

黒に近い茶色のドロッっとした液体がかけられて、

そこからは湯気が立ち上ぼり

なんとも良い香りを放っていた。


「それは…まさか食べろと言うのではあるまいな?」


恐る恐る聞いてみた…

すると


「そーだよ!はい、あーん!」


彼女はそう言いながら、

その肉の一部を切り取り、

フォークで刺して私の口元へと持ってきた…


まぁ、口を開けろと言っているのは分かる…

いい香りもする…


…しかしどうしても食、というものには

苦手意識があるのじゃよ…


そう考え、

しばらく抵抗していたのだが…


彼女が全然諦めそうになく、

仕舞いには泣きそうな顔になってしまったので、

諦めて口を開ける…


すると彼女はたちまち笑顔に戻り、

口の中へと、その肉を運ぶ…


ー…口にいれた瞬間とっとと飲み込んでしまおう…


そう考えて、

実行しようとする


ーしかし、そこで違和感に気づく…


な、なんじゃ?この味は!


飲み込むのを止め味をじっくり確かめる…


う、うまい…これが、食?


…私が知っているのとは別物ではないか。


驚愕を露にし、

目の前の少女に視線を移す、

すると彼女は、どうだ!

と言わんばかりに自慢気な笑みを浮かべていたー


私はすぐさま料理というものを主より教えてもらい、

他の吸血鬼種へと伝えていった…


こうして吸血行為をする吸血鬼は居なくなっていったー

ちなみに、私が主より食べさせられた料理は、

はんばーぐ…というものらしい


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