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プロローグ

開いてくださりありがとうございます。

稚拙な文章ですが、温かい目でご覧いただけると幸いです…


俺の名前は神代樹、どこにでもいる高校生である。


いや、であったと言うのが正しいだろう……


なんせ俺は今絶賛拘束中の身であり、

えらく高そうな玉座らしきものに偉そ〜に座っている

金髪少女からの判決を待っている状態なのだ。


世界広しといえども、こんな状況に陥っているのは

俺ぐらいなものだろう。


全く、何故こんな事になったのか……


いや、原因ははっきりしてるな。


アイツだ、あの神とか名乗る馬鹿のせいだ!


〜数刻程前〜


「樹、お参りは済ませたのか?」


と幼少期からの友人である真斗が、

壁にもたれながら

初詣での行列を眺めていた俺に声をかけてくる。


「いや、行ってないけど、お前よくあれに並ぶ気になったな」


と目の前にできている長蛇の列を指差し

素直に感想を返した。

すると真斗は


「今年は受験もあるからなぁ、お前も行ってこいよ。」


と、とてつもなく面倒な提案をしてきやがった。


俺はそもそも無理やり連れて来られた為

あまり乗り気じゃない。

本当なら今頃ゆったりと温かい俺の聖域で

ゲームという冒険に出ていたはずなのに。

そんな事を考えながらも


「やだよ、面倒な……そもそも俺は来たくなかったのに。」


顔をしかめつつそう応えた

すると真斗は俺の腕を引っ張りながら


「そうやって直ぐ面倒くさがる癖、何とかしろよ。」


そう言ってきた。

コイツ、昔から一緒にいるから

俺がさっさと帰りたいこと分かってる上で

わざと参拝させようとしてるな

だって口元が微妙に笑ってるし……

こういう時のコイツは本当にしつこい

これ以上粘ってみても無駄だろう


面倒であったが、長い行列に並ぶ事にした

何がそんなにこいつを俺を参拝させることに

駆り立ているのだろうか。


まぁいい、そんなこんなで俺の番がきた。

ーとっとと済ませて帰ろう

そう思いながらも、


目を瞑り願いを告げる


ー今年も面倒な事が起きず、

平穏な暮らしができますようにー


ーそのとき ー


シャラン…という音がなり響く


ん?なんだこの音は?


疑問に思い恐る恐る目を開ける。


そして気付くー


そこはもう先程までいた神社ではなかった。


質素で広い部屋の中心に一人の少女が立っている。


まだ幼さの残る顔に小柄な体格、


真っ白な髪の上には光輝くサークルが浮いていて、


白いワンピースに身を包まれていた。


それは今まで見たなかで最も美しく幻想的である。

そう思うほどの美貌であった


あったのだが……


とにかく中身が残念であったのだ。


困惑してる俺に告げた一言目


「おめでとうございまーす!」


「あなたでちょうどこの神社始まって十万人目の参拝者でーす!」


「いや…おめでとうを言われるべきなのは私かな?」


「おめでとう私、ありがとう私…アハハハ!」


とかなんとか…意味不明なことを言い始めやがった見かねて


「あの…」


俺がそこまで言いかかったところで


「あ~、ごめん、ごめん忘れてたよ君のこと。」


半分笑いながらもそう言ってきた

…さっき幻想的とか思っていた俺をぶん殴ってやりたい…。


「あの、ここは何処で、あなたは何者なのでしょうか?」


一応、改まって聞いてみた…


すると少女はその幼く可愛らしい顔をしかめて

少し考えるような仕草をした後


「あ~えーとね、ここが何処かと聞かれると困るけど、しいて 言うなら世界と世界の間?みたいな感じだよね?」


というあやふやな返答をしてきた


知るか俺に聞くな!とキレそうになりつつも続きを聞く


「んでね、私が何者かというのは、はっきりと答えれます!」


「聞きたい?ね〜聞きたい?聞きたいよね?そーだよね!」


そう言いながら

少女は嬉しそうに俺の向かって詰め寄って来た


なんだろうここまで人を殴りたいと思ってたのは、

いつ以来だろうか…

いや、別に悪いことはしていないのだが

不思議とイラつくのだ


まぁいい…

さっきからずっと聞いて欲しそうな顔でこっちを

チラチラ見てくるので聞いてやろう

そうしなきゃ状況が進展しそうにないしな


「アナタハナニモノナノデショウカ?」


ただムカつくから棒読みで聞いてやったのだが…


「やっぱ気になるんじゃーん!いいでしょう!そんなアナタのために教えてあげましょう!」


とか急に得意になって嬉しそうにしてやがる、


馬鹿にしてるのに気づいてねぇのか、コイツは。


俺はそう呆れた視線を向けて

目の前の少女の言葉を待つ


そして謎に溜めに溜めまくって

少女から発せられたのは


「私はあなた達の言うところの神様です!どう?すごいでしょ!なんて言っても神様!いや〜カッコいい!」


という馬鹿らしい言葉であった。


…まぁ、今自分の置かれている状況の異常さや、

コイツの言動からそんなことだろうと思ってはいたが…


しかし、神とは腹立たしいので言わない…

神(仮)とでもしておこう。


「で、神(仮)、当然何か用事があるんだよな?」


もう敬語を使うのも癪に障るので、

死んだ目で少女を見つめ

声に不快感を強く滲ませつつもそう聞いてみた


すると、急に目を見開き驚愕の表情を浮かべた少女から


「いや……もうちょっとなんかあるでしょ!神様だよ!神様!」


とか何故か文句を言われる


ーいやいや文句を言いたいのはこっちなのだが

俺には温かい部屋の中で

小さな画面の向こう側の世界を救うという

崇高な任務があるのだ


本気で帰りたい!という意思をおもいっきり込めながら


「無い!とっとと要件を伝えてくれ、というかもう帰らせてくれ!」


そう伝えたー


のだが……

またまた表情を大きく変え

目を潤ませ、今にも泣きそうという

表情になった少女から


「そんなこと言わないでよッ!君にとって素敵な事をしてあげようとしただけなのにぃ!」


とか急にいじけ始めた、子供かよッ!

マジで面倒だ。

こういう奴にはどれだけ言っても無駄である

仕方なく話を聞いてやろう


俺は出来る限りの誠意を込め


「あー、悪かった、冗談です…神様ね!凄いですね!ところで素敵な事ってなんですか!」


と言ってみた

ーいかん、なんとか褒めようとしたのだが、

あの姿見てからだとこんなのしか言えなかった…


こんなんじゃ流石に機嫌を直したりはしないか

と思っていたのだが

またまた表情を大きく変え、

今度は大きく頬を引き上げ満面の笑みを顔に浮かべながら


「でしょう!いやー冗談ね!おかしいと思ったのよ!」

と言ってきた


一瞬で立ち直りやがった…

情緒不安定すぎるだろッ!


そう心でツッコミを入れつつも


少女の言葉に耳を傾ける


「それでね、君にとって素敵な事というのわね…」


「君を異世界へ招待してあげる!」


......はぁ?


いやごめん何を言っているのか理解ができない


誰がいつそんなこと望みましたか?


俺は面倒事が起きない平穏を望んだんだけど?

異世界転移とか、真逆じゃねーかッ!


ーと俺がそんな事を考えている間に

いつの間にか目の前に謎のサークルが発生していた…


かなりでかいな。

人一人通れるんじゃ……

ーッていうかこれって!

ヤバイ早く弁解しないと、取り返しのつかない事になる


「あ、あの、俺は…」


と弁解しようとしたところを


「いいっていいって、感謝の気持ちは伝わってるから!」


と遮られる…違う!そうじゃない!

ちょっと話を…


「じゃあ、行ってらっしゃい!」


といつの間にか後ろに回っていた神と名乗る少女に身体を押される、


そして…


俺は不本意な形で異世界へと転移させられたのだった…




















最後まで読んでくださりありがとうございます。

少しでも楽しんで頂けたのであれば幸いです…


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