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異世界に転生者は不要   作者: 赤崎巧
3章 戦争へ
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99.蜜月

 サーシャは止まると両手を広げ、楽しそうに笑みを浮かべている。


「さぁ、私を愉しませて?」


 金色の瞳に魅入られると僅かに感情が揺れる。すでに吸血鬼として自然と魅了の力を持つようだが、魅了の力に感情を奪われるほど耐性がないわけではない。意識をしっかりと保つよう集中し、魅了を振り払う。


「あぁ、わかっている。 約束は守る」


 何度も繰り返した制限解除に体も慣れ、制限解除状態でも力の8割程度まで問題はない。そして背面の空間が砕け、無数に出来た小さな穴から魔剣を持った白い腕が現れ、何も持っていなかった白い腕が魔力の魔剣と治癒の魔剣を回収した。


「《黒のガントレット》」


 両腕に黒い影が集まって固まり、強固な打撃と防御武器となる。

 正面から無造作に迫ってくるサーシャに、疑問を感じながらガントレットを叩き付けると姿が消えうせ、血だけが飛び散る。血で作った人型の囮、目を合わせた瞬間に精神魔法を一部とはいえ与えられ、魅了を振り払っても幻惑を掛けられていたようだ。

 その直後背中を血の刃で切られ、振り返りながら拳を振るうが再び血のみが飛び散り、実体はそこにはない。

 血で攻撃する事が出来るのはわかっていたが、精神魔法と組み合わせて人型を本物に誤認させ、そしてその囮そのものが攻撃をしてくる。

 防御や回避が間に合わず、次々と現れるサーシャに体を切り刻まれながら囮を破壊するが、やはり数秒すると再び再生してしまう。サーシャ自身が居る場所がわからず、精神魔法で視界を一部幻視されてしまっているようだ。だが精神魔法で幻惑されているなら解除すれば良い。


「《シュントニスモス》」


 精神に影響を及ぼす幻惑を解除、視界がはっきりすると無数の血の人型が取り囲み、遠巻きにサーシャがみているだけ、血の人型は両手が刃のようになっておりそれを自在に操り攻撃をしていた。


「《サウンドクエイク》」


 地面に拳を叩き付けることで音の振動波を周囲に響き渡らせ、血の池の上で人型を保っていた血の塊が不安定になり崩れていく。サーシャにまで振動波が及びそうになったとき、背から血で出来た翼を広げて空中に舞いあがり、血の囮を消すと大きく腕を振りかぶった。

 それと同時に今までとは桁違いの血の刃が舞い、五指の爪全てが鋭利で長大な血刃を放つ。振り回されるだけで広範囲が切り裂かれ、すべては捌ききれず避けきれない爪の刃が体を引き裂いた。

 後方に跳びながら攻撃の範囲から逃れるが、サーシャが地面に降りた箇所を中心に、血の池全てが無数の刃となってこちら向ってくる。


「《フレア》」


 放った爆発魔法によって20近くの血刃が吹き飛び、さらに巨大な音と炎で位置を読めなくする。さすがにサーシャも衝撃を防ぐため、血の防壁で張り巡らされ完全に視界は閉じられた。


「《断罪の槍》」


 右腕の傷から溢れる黒い光が腕を包み込んで槍状になり、強固かつ鋭利な刺突武器となる。一気に踏み込み、血の防壁ごと貫くべく右腕の槍を叩きこんだ。

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