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異世界に転生者は不要   作者: 赤崎巧
1章 王都での戦い
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1.王都へ



 真夜中になり、魔力切れで爆発狼の追跡が終わったことに安堵し立ち止まる。肩で息をしながら魔力を練り上げ簡単な治癒魔法を自らにかける。


「《リジェネレーション:低級》」


 魔力を多く使わない下級のものだが、呼吸も徐々に落ち着きふらふらだった足も落ち着いてきた。大きく深呼吸した後、いまどこにいるのか確認するため周囲を見回すが、追跡から逃れるため森や林を突っ切っていたため検討がつかない。

 迷ったかもしれないと頭を過ぎった時、僅かながら鉄同士が激しくぶつかり合う音が耳に届いた。真夜中に鉄同士がぶつかり合うなど、殺し合いで剣がぶつかり合うしかありえないことだ。

 音の方向に走り出すとどんどん音が大きくなり、叫び声も響き、さらに速度を上げ音の方に急ぐ。


「あっ」


 速度を出し過ぎたのか森を抜けると同時に、人影の真横に飛び出してしまった。人数は6人、どう見ても盗賊だろう見た目の者の一人が目の前に迫る。

 その勢いのまま腕に膝蹴りを入れると悲鳴を挙げ、街道の端まで地面に転がっていく。骨が砕けるような音がしたが、盗賊ならば気にする必要は無い。

 突然のことで何が起こったのか反応できていないのか、こちらをみたまま5人とも動きが止まっていた。


「《バインドウォーター》」


 地面から水が噴出し盗賊と思われる残り2人を5mほどの水壁が取り囲む。


「なっ、なんだよこりゃ!」


「こんなもん!」


 盗賊達は逃げ出そうと剣を突き入れるが、水流に絡め撮られ剣が手から離れてしまう。


「魔法が使えないなら抜けれない。 体ごと突っ込むと空中に吹飛ばされて落下死もありえるからお勧めはしない」


 伊達や酔狂でセズ兄に半殺しの目にあいながら学んだ魔法ではない。無理やり魔力で解除するか炎でかき消す以外逃げ出す方法はない。


「救援感謝する。取り囲んだ者から解除してくれないか?」


 護衛をしていた冒険者と思われる人が一人ずつ取り囲み、魔術を解除し盗賊を捕縛していく。最初に蹴り飛ばした盗賊は腕の骨が折れたらしく騒いでいるが、気にする事無く縛り上げる事から手馴れた様子が伺える。


「森で道に迷っている中、音が聞こえたもので駆けつけたのですが、間に合ってよかった」


「夜に森の中をか? 魔獣や獣は大丈夫だったのか?」


 そういわれれば途中大きな獣を見かけた気がするが、追跡されていたので適当に蹴り飛ばしながら駆け抜けてきた気がする。


「……諸事情で」


 嫌な事を思い出して精神的に暗くなってしまう。兄の追跡型召還獣で深夜まで追い掛け回され続けたとどう説明しろというのだ。どうやら何かを察したのか苦笑している。恐らく道に迷いやすい人間に思われたのだろう。


「すまなかったな。王都まで行くなら荷馬車だが空きがあるから乗っていくか?」


「いえ、方向さえ教えてもらえれば走っていきます。入学試験も近いですし」


「王立戦士養成学校の入学試験か?それなら朝には着くぞ」


 どうやら身体強化で逃げ続けた結果、予定よりかなり早く町に近づけたようだ。これが二人の馬鹿兄の仕組んだことだとすると少々いらっとくるが。


「そうですか、ではやっかいになります」


「おう、気にせず乗ってきな」


空いていた最後尾の荷馬車に揺られ、短い眠りについた。

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