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異世界に転生者は不要   作者: 赤崎巧
最終章 何が為に
171/176

171.王都付き貴族騎士として

 捕えた騎士エンデとフィリップス兵士長を、騎士団詰め所にまで連行し牢屋に入れられた。

 正騎士になれば権限は大きくなる、だがそれに伴う責務も大きくなり、罰せられる処分も重くなる。権利を振りかざしたり、理解を誤って私腹へと使えば、立場にふさわしい相応のバツが待っている。

 数日後、騎士エンデは聞き取りのあと処刑が行われ、兵士長のフィリップスは犯罪奴隷へと落ちた。

 幸いとまでは行かないが、フィリップス兵士長と同じように休んでいた兵士は、ただのさぼりであったために厳重注意だけで済ませ、特に罪に問われることはなかった。


 アンデは他の女性教育係の下で訓練を受ける事になり、私の手を離れた。これからどうなるかは、アンデの努力次第となる。

 オーディン王国において重要なのは、出生や両親の身分ではなく、自らの実力と行いであり、それを権力と金で曲げる事など、国力に左右することを許すわけがない。

 貴族が高い地位に居るのも、子供の教育に金銭を割けるからであって、特別というわけではない。




「グレン、ご苦労だった。 これで騎士として最低限の実績は良いだろう」


 兄アークスに報告に行ったところ、やはり騎士としての実績の為にあったようだ。

 王都付きの貴族騎士として、養成学校卒業後を見越した事なのだろう。


「しかし兄さん。 ああいった者達が増えないよう、何かしらの監視体制が必要かと」


「それについては、ロセ団長から意見が上がってきている。 少しの間、各団の副長が持ち回りで騎士の抜き打ちチェックをすることとなった」


「そうですか。 しかし兵士については?」


「信頼できる退役騎士に抜き打ちチェックを入れさせる。 それ以上は信頼するしかない」


 人の裏は一つ一つ調べていくしかないと言うことだが、こればっかりは人を見極めるのに長けた人物に頼るしかないという事だろう。

 退役した騎士にも仕事があるのは良いことだ。


「では、今回の新兵教育に関しては終わりですね」


「一旦は終わりとする。 しかし王都付きの貴族騎士である以上、国家の為に動く必要がある事は覚えておくように」


 生きていれば、数年後には戦士養成学校を卒業し、王都付きの騎士として何かしらの任務にあたる事になる。その覚悟の一つも持つべきだろう。


「先輩騎士としての言葉は以上だ。 しかしグレン、騎士として生きる以上、それ相応の服装や武具も必要となる、早めに用意しておきなさい。 実戦に則さない装飾過剰なものは問題だが、実用主義一辺倒の武具では、観覧式などでは困る事になる」


 まだアダマンタイトの鎧修理にかなり金を消費してしまったのだが、装飾はまだ出来ておらず正騎士のマントを着用しているだけに留まる。

 それとは別に用意するとなると、また予算がかかるのだが、これもまた貴族騎士として仕方ない事だ。


「用意しておきますが、恐らく私の考えでオーダーすると装飾が不十分になるかと」


「子爵や男爵が使用している店を紹介する。 そこで頼みなさい」


 兄アークスの側仕えから紹介状を渡され、そこに行くようにと店の場所が描かれた紙面もある。


「わかりました。 それでは失礼いたします」

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