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異世界に転生者は不要   作者: 赤崎巧
最終章 何が為に
167/176

167.見習い騎士への聞き取り

 リーゼハルト公爵にいままでの経緯と、情報をまとめた書面を送ったところ、やはり該当の騎士を捕えるようにと返答があった。

 該当の騎士を捕えるため、フィリップス兵士長の後ろ盾をしている者を探さなければならない。

 まずは見習い騎士詰め所に向かう。

 立場上私は屋敷を持つ為通いとなるが、貴族の三男四男、ましてや準男爵や騎士爵となると、少々裕福な一般市民と大差がない為、安価な寮生活を選ぶ。

 そして実力と実績を積み上げ、いずれは王都に屋敷を持ち独立をする。


「あんた誰だ? ここは騎士の詰め所だぞ」


 大分見習い騎士の詰め所といっても、非常時がない限りただの待機及び娯楽室、そこまで堅苦しい場所ではない。


「グレン・ヴァイカウント・ヘクサス。 兵士長の問題行動について、聞き取りをしたい為に来た」


「失礼しました。 どうぞ」


 見習い騎士は、立場上正式な騎士でも貴族でもない、貴族の方が立場では上となる。文官や武官と言いう差があるので、一概にそうとは言えないが、少なくとも今は貴族である私が無理難題や越権行為をしない限りは従う義務がある。


 詰め所に入るとさすがに敬礼はしないものの、見習い騎士達はだらけていた体勢を整えた。


「私はグレン・ヴァイカウント・ヘクサス、騎士に関わる仕事として話を聞きに来た。 この中でフィリップス兵士長を知っている者はいるだろうか」


「フィリップス兵士長? あぁ、あれは中々気が利く奴ですよ」

「なかなか良い酒の差し入れも持ってきます」

「口も上手いですよ」


 他の見習い騎士達からも、比較的評価が良い言葉が語られる、上からの覚えは良いと、つくづくどうしようもない。

 一介の兵士や冒険者として我が身が大事なのは正しいが、管理や指導するものとしては失格だ。そんなものが権力を持っていては、いずれ腐れ落ちるか人員不足に陥る。


「特に仲が良い者は?」


 今回は兵士長であるフィリップスと仲が良い騎士だけが対象だ。

 他の者達については今後でいいだろう。


「騎士エンデですね。 半年前に正騎士になってから、寮を出ていったのでここにはいませんが」

「そういえばエンデが居なくなってからフィリップス来てないです」

「エンデにはべったりだったな。 俺達はさすがに関わり過ぎちゃ不味いと思いましたが」

「上官からいわれてるしなー。 癒着と思われたらせっかくの騎士になったのが無駄になります」


 他の騎士達は癒着や後ろ盾にならない程度の分別は出来ているようだ。報告義務を果たしていない問題はあるが、その辺は騎士団長会議に挙げられ、今後指導されるよう報告書に記載すれば良い。


「そうか。 休憩中に邪魔をしてしまった。 これで酒か食べ物でも食べてくれ」


 10万フリスほどその場に置き、見習い兵士の詰め所を出る。




 管理部に再び申請し、現在所属している騎士団を特定してからになる。ここのところ管理部に書類の申請ばかりをしているが、これもまた仕方ない。

 見習い騎士ではなく、正騎士となると準騎士爵位であると認められたことになる。エンデという正騎士である以上、どこかの騎士団に所属しているのだろう。

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