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異世界に転生者は不要   作者: 赤崎巧
最終章 何が為に
164/176

164.情報集め

「今日はここまで」」


 午前中は200本の素振りに、300本の木製人形への打ち込み、午後は体力が尽きるまで無差別組手、訓練を始めて一週間ほど経ったが、アンデの体格も変わってきた。

 両手に握る刃の潰された手斧を振り回すアンデは、いまだ出鱈目かつ力任せなのだが、長剣一本持った時よりは幾らか動きはましになってきた。

 適正があれば基本的な練習と、きつい無差別組手を繰り返していれば、自然と体格や骨格とあったスタイルが形成される。

 一月程度では基本中の基本くらいだろうが、今後に続く自らの戦闘スタイルの形成くらいは出来るだろう。


「ありがとうございました!」


「これは、見習い兵士達で分けるように。 ちゃんと肉を食べないと、体がついていかなくなる」


 市場で購入し、亜空間倉庫に入れて置いた肉の塊を100kgほど手渡す。しっかり食べるように伝えた以上、ある程度は私からも支給をする。


「わかりました!」


 十分に食べ物が食堂で食べられると言っても、やはり肉の量は見習い兵士だと少ない。

 食堂の係員に尋ねたところ、持ち込めば相応に調理してもらえると言うことで、アンデが持ち込んた場合は食事に追加するよう頼んである。

 アンデは肉の塊を受け取ると、食堂に向かっていった。

 そこまで大きな変化ではないが、腕や肩にがっしりとし、元々体質的に筋肉が付きやすかったのもあるが、一番の理由は体が求めるだけの十分な食事を取れる事にあるのだろう。

 私が指導員の間は、アンデに肉の支給をし続けるとしよう。



 今日は管理部から書類の承認が下りたと連絡があり、管理部に赴くと書類が用意されていた。

 書類に目を通すが

・フィリップス兵士長兼教官 47 男、見習い兵士から兵士長と順当に出世、処罰歴少数、兵士大会準優勝。

 特に可もなく不可もないような経歴ではあるのだが。

 書類に目を通していくと、処罰歴に少々気になる点がある。

・転属願いの部下多数

 部下の転属願いが多いというのは、何かしら問題を感じる。個人として優秀でも、指導者や管理職としてはまったく向かないタイプは割といる。

 私も指導程度は出来るが、管理職としては向かないだろう。


「閲覧が終わりました。 返却をお願いします」


 これ以上の情報は管理部からは得られないだろう。

 直接兵士詰め所で話を聞くのはいいのだが、私には誰一人兵士に関りがある者がいない所が問題だ。

 いきなり話を聞きに来たと言った所で、話してくれるとは思えない。下手に金を渡すと問題になりかねないため、思いつく事方法は冒険者と同じく、酒と食べ物で話してもらう事だろう。

 フィリップス兵士長の休暇期間はまだある。その間にアンデを鍛えながら全て聞き出し、何かしら対策を立てなくてはいけないのだが。

 今のところは横領位しか見当たらないが、他にもいろいろ隠していそうな事を暴かなければ、きっと兄は満足しないだろう。

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