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異世界に転生者は不要   作者: 赤崎巧
最終章 何が為に
162/176

162.確認

 リーゼハルト公爵に使える騎士団の一つ、女性だけの騎士で構成された第3騎士団。


「ロセ団長、お久しぶりです」


 顔にも深い傷跡と白濁した片目、女性でありながら傷跡も多い歴戦の女騎士団長。


「なんだ。 第二夫人でも娶る気になったか?」


「それを決めるのは私ではないでしょう。 そう言ったことの判断はサーシャに聞いてください」


「もう尻に敷かれているのか。 それで用件はなんだ?」


 ロセ団長は苦笑しながら、私に言っても無駄だと言うことは理解してもらえたようだ。

 事情を説明すると眉間にしわを寄せ、少し考えている。


「それは、天引きされるはずの給金横領の可能性が高い。 いまは人材が足りなく、質が落ちているのは分かって居たが」


「そのような状況ですか」


「セグレスト元公爵側の騎士と兵士はほとんど死亡したからな。 教育をするための人材が不足し、新しく兵士長から訓練側に回したのだが、問題を起こす者もいたのだろう」


「では、排除するしかないのでしょうか」


「向き不向きがあるが、訓練教官に任命された以上、兵士長としてはそれなりなのだろうが、不適格を分からせた後降格だろう」


 判断が難しい所だ。私ができるのは現場対応を触る程度、戦後による人員不足が影響しているのだろうか。

 兄さんが私を呼び出したのも、このことを考えさせ何かしら対策を立てさせ、子爵としての実績をもたせるためだろう。


「分からせるですか。 やってみます」


「まぁ 気楽にな。 それはともかく第二夫人の件は私から話を通しておく」


「殺されたくはないので、正確に説明してくださいよ?」


 ロゼ団長に礼を述べ、その場を後にし急ぎ兵士の給料を管理している部署へと赴く。



 管理部では文官である貴族が業務をしており、担当となる者が応対をしてくれる。


「見習い兵士アンデについて知りたい。 給与形態や申請されている書類などだ。 私は代理で教官をしているグレン」


「それでは、こちらの書類に申請をお願いします」


 担当官から必要な申請書類に記載を求められ、記入を終えて提出を行う。


「明日の午後には書類を纏められると思いますので、受け取りに来てください」


「わかりました。 明日の午後にもう一度来ます」


 まずは天引きされているはずの給料の流れを確認。ロセ団長の話が正しいなら、アンデの食堂や防具の修理費など、天引きされるはずの給料が教育係に流れているはず。

 アンデの訓練を行いながら、まずは給料関係から確認し訓練係の逃げ道をなくす。他にもいろいろやっているだろうが、それもいずれわかるだろう。

 アンデの才能や能力はともかく、ここ数日見た限り真面目であることは確かであり、潰すには惜しい性格をしている。

 兄アークスからの期待にも答えたい事もあり、少々手を尽くしてみよう。

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