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異世界に転生者は不要   作者: 赤崎巧
3章 戦争へ
159/176

159.イノ、娘へ

 王都ではソフィール神聖王国消滅に伴い、国境警備の増員に、魔術師ギルドなどから探索隊の編成、今後についてなど騒がしくなっていた。

 屋敷周辺は何ら変化もなく、出立前と何一つ変わらない。

 警備の兵士が門を守る中、敷地内に入ると静かで何も変わらない庭と屋敷がある。

 屋敷の外にいるソードウルフの小屋に行くと、相変わらず何頭ものウルフ達が屋敷内の警戒に当たっている。これが彼らの仕事であり、運動になっている。


「報酬を持ってきた。 食べてくれ」


 森で狩ってきたワイルドボア6頭を小屋の前に置くと、順番に自らの小屋に運び込んでいく。

 小屋を離れ、屋敷内に入る。

 

「おかえりなさいませ」

「お風呂とお食事のご用意をなさいますか?」


 執事とメイドが迎えに出てくるのだが、考えてみれば、特別な報酬など渡したこともなかった。

 明日にでも何かしら与えてもいいだろう。


「両方とも頼む。 ところで今は働いている者は何人いる」


「24人でございます」


「そうか。 準備が出来たら呼んでくれ」


 私室に戻り、肩に乗って居たエルとリーアナがテーブルの上に降りる。


「あぁ疲れた。 甘いもの用意しろよ」

「一休みしたらお願いしますね」


 二人ともテーブルに置かれているクッションの上で横になる。

 少ししてから金庫から資金を24個に袋分けし、1つ当たり10万フリスとする。


「グレン様、お風呂の用意が出来ました」


 執事が呼びに来たので、そのまま任せる。


「これを全員に一袋ずつ渡すように。 今まで尽くしてくれた報酬だ」


「承りました」


 メイドを呼び、金の入った袋を持っていく。




 風呂と夕食も終わり、一息ついたところで側仕えに、訓練場にイノが来るように伝える。

 訓練場で少し待つと、イノとサーシャが来たので、庭の訓練場に魔方陣を描き、中央に白蛇の精霊が宿っている魔石を置く。


「死と再生を司る蛇神フィジィ・ピソン。 我は生命力と魔力を捧げ、我が娘イノに守護の加護を願う。 白き蛇の精霊に力を貸し与え、何卒我が願い聞き届けお力を《イーリス・アスピーダ》」


 魔方陣の中心に置かれている魔石に光が降り注ぎ、白蛇の姿がはっきりしてくる。

 代償として体の力が抜け、魔力と生命力が持っていかれるが、魔石が消えると完全に実体化した白蛇、イノの近くまで進むと小さな人の姿に変わる。


「イノ、契約を」


 肩で息をしながらその場に座り、様子を見いてると恐る恐るイノは手を差し出した。


「イノと言います。 あの、私と契約してもらえませんか」


「私はノルン、契約に従いあなたを守護しましょう。 ですが自らも気を付けるのですよ」


「はい。 ありがとうございます」


 ふわりと浮き上がると、ノルンはイノの肩に着地した。

 これで、イノについて心配する必要性はないだろう。


「グレン様、ありがとうございます」


 イノは距離を取り礼を言う。親ではなくまだ主という認識なのだろう。

 悲しくもあるが、それでもイノが自らの身を大事にするならそれでも良い。

 以上で3章が終わりとなります。

 次が最終章となり、

 少し書き貯めを行いますので、更新が一週間程度とまります。



ところで、何を求めてこの作品を読んでいるのでしょうか?

流行の物語の作りとは全く異なりますし、我ながら理由が読めずさっぱり?

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