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異世界に転生者は不要   作者: 赤崎巧
3章 戦争へ
117/176

117.パーティーとは

 魔力を全開に放出して2分、すでに限界が来ている。だが、パイロヒュドラも最後の頭を潰されまいと、ゴーレムから逃げ抵抗している。

 最後の頭さえ潰せば、後はゴーレムが力任せにばらばらに引き裂き方が付くのだが、このままではパイロヒュドラを倒す前に魔力が完全に尽きる。


「《ファイアボルト》」


 酷く小さな火の矢が撃ちだされ、パイロヒュドラの頭部を掠め動きが一瞬止まる。その隙にゴーレムが頭を握りつぶす。まだ生きてはいるが、後はゴーレムが力任せに全身を引き千切り戦いは終わった。


 ジノとソードウルフ達も疲れ果て、その場に座り込んでいる。

 成体のパイロヒュドラ3匹を倒すことさえ、まだ一人で倒すには鍛錬が足りていない。今回はジノ達が居たが、スタミナも魔力もまだまだだ。

 半刻ほど休んだ後、ばらばらになったパイロヒュドラ二体を亜空間倉庫に片付け、一匹はその場で焚火を起こして食事にしてしまう。


「美味イ」


 ジノは焼いた肉を次々と胃に納めていく。

 疲れた体には魔物の肉とはいえ、塩を効かした肉は非常に美味かった。

 ソードウルフ達の分も食事を終わらせた後、夜も遅いため火を絶やさぬようその場で野営し朝を待った。



 ソードウルフ達が交代で野蛮をしてくれたため、少しは体を休める事はできた。

 朝日と共に王都に戻るため森を歩いていくと戦いの音が響いていた。何事かとその方向に向っていくと、昨日見かけた同級生達がパイロヒュドラと戦っていた。

 まだもう一匹居たようだが、まだ少し小さめだ。



「こっちだ!こっちだ!!」


 一人が挑発しながら注意をひきつけ、一人が魔法で炎の息を完全に防いでいる。連携をとる事で戦えているようだが、私には不可能な戦い方だ。参考にはならない。


「我が友植物達よ。 我に害をなすものを絡めとりたまえ《プラント・アイヴィ》」


 地面からツタが現れ、パイロヒュドラに絡みつきの動きを一時的に鈍らせていく。

 防御・支援・妨害と連携が取れている。


「さぁ、とどめよ!」


 金髪ドリルヘアーの女剣士は炎を宿した剣でパイロヒュドラの首を切り落し、そのまま炎が移り傷口を焼き尽くしてしまう。

 付与型魔法剣の炎の攻撃を自在に扱えているようだ。極めれば斬った対象の全身を炎で焼き尽くす事さえ出来るそうだが、総じて消費魔力の増大や制御の難しさがある上、大金をかけて強力な炎の付与を施された魔剣を手に入れたほうが効率が良いのだが。


「これでおしまいですね」


「私達がそろえば、Bクラスのパイロヒュドラも余裕でいけますよ!」


 全員が連携する事で魔力消費量が多い攻撃も使え、個がC級クラスでも連携をとる事でB級クラスを倒す事が出来る。これがパーティーの本質なのだろう。


 気付かれないようそのまま立ち去り王都へと向う。これ以上余計な事に手間取っている暇なく、早く帰りイノの魔法学の講義準備をしなければならない。

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