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異世界に転生者は不要   作者: 赤崎巧
3章 戦争へ
116/176

116.力不足

「地に伏せし大地の精霊 グノーメよ。今魔力を奉納し 大地より従者を使わせ給え《ストーンゴーレム》」


 巨大な3mを超える石のゴーレムが5頭のパイロヒドラに殴りかかるが、すぐに絞めつけられ噛み付かれてしまう。だがこれでこちらへの攻撃は収まった。

 このままで時間稼ぎにしかならないのは分かっているのだが、それでも一体ずつ戦わないと厳しい。

 一瞬距離を取り、大きく踏み込みながら剣を振り下ろすが、4頭の牙で受け止められてしまう。自然に生きる魔物では考えられない行動。


「まさか、訓練されているのか!?」


 3個の頭が剣を咥えたまま1個の頭が牙を離すとこちらに口を開いた。

 とっさに剣から手を離し距離を取ると同時に炎の息が先ほどまで居た場所を焼き払う。

 ここまで首同士の連携が取れているとなると、野生で育ったとは思えない。どこかで訓練を受けた後、ここに何らかの意図を持って放ったはず。

 長兄アークスに知らせ何かしら探って貰わなければ。


「《ウィンドエッジ:ハインド》」


 炎の息を吐く首を再び刈り取ろうとしたが、風の刃を咥えている剣で受け止めかき消されてしまう。

 やはり学習されており同じ手は通じない。


「終ワッタゾ!」


 ジノの声に視線を向けると、ばらばらに引き裂かれたパイロヒュドラと、パイロヒュドラの血で染まっているソードウルフ達が居た。


 再び懐に飛び込むと剣の柄を掴み、最大の4.25倍の身体強化を施し、力任せに剣に力を込める。

 パイロヒュドラは押さえ込もうと4つの頭で剣に噛み付いた。


「《バスターブレスト》」


 接触距離で放たれた破壊の波動に頭部が吹き飛ぶが、まだ死んではいない。振り回された尻尾に強打され4mほど吹き飛ばされる。


「ジノ!」


 息吹を吐く事さえ出来なければ、後はジノ達に任せられる。

 ジノを筆頭に唸り声もパイロヒュドラに噛み付き、その場に引き倒し噛み千切っていく。

 これでようやく2体目、残り一体だが4.25倍の高負荷の身体強化で体が参り始めている。

 所詮は魔剣を使った限界以上の強化、体が慣れる筈もなく、長い間使える代物ではない。

 城崩し 鈴風を背中の鞘に収め、身体強化を止め魔法の詠唱を始める。


「その姿は人に似て異なり、大地より起き上がりし象物、我の魔力を喰らいて《ストーンゴーレム:タイタンランブル」


 パイロヒュドラに締め付けられながらも、さらに石を取り込み大きくなり頭部を掴みねじ伏せる。

 ジノ達もかなり必死に戦っている為、こいつだけはなんとかこれで仕留めるしかない。

 魔力をさらに流しゴーレムの力を補助、こちらの意図を理解し、魔力を放出しながらヒュドラの頭部を次々引き千切る。だがこれではまだ時間が経てば再生してしまう。

 徹底してばらばらにするまで油断も手を抜く事もできない。問題はそれが出来るまで、大量に流し続けている魔力が持つかだが。

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