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異世界に転生者は不要   作者: 赤崎巧
3章 戦争へ
115/176

115.ヒュドラ狩り

 ヒュドラの幼体を贄に探索魔法掛け、暗闇に紛れながら暗い森を走り抜ける。

 時折少し離れた場所に獣の気配がするが、群れで行動するソードウルフに襲い掛かる獣は居らず、幼体が示す方向にひたすら走り続ける。

 15分ほど走り続けたところでヒュドラを見つけた。


「3匹……か」


 体長8mくらいだが、頭も5つに別れている。このまま数年討伐されなければ完全な生体になり、危険なものになるが妙だ。

 この森は比較的安全でやや凶暴な野生動物が多いだけで、ヒュドラほど危険な生物が現れるはずがない。何よりもヒュドラは西方に生息し、このような王都周辺の森に生息するようなものではない。


「ジノ、一匹やれるか?」


「難シイ。 サスガニ毒ガ回ルトキツイ」


 ジノが厳しいとなるとソードウルフ達に期待は出来ない。一人で三匹同時に戦うのは少々厳しいかもしれないが、なんとか状況をかき回してどうにかするしかないだろう。


「頭を潰せば後はやれるか?」


「ソレナラヤレル」


 ヒュドラは頭を潰しただけでは、時間が経てば再生してしまう。切り落した傷口を焼くのも手だが、体をばらばらになるまで引き裂いてしまうのも手である。手間はかかるが、一匹一匹切り落した首を焼いている暇がない以上、ジノの方法に任せるしかない。


「では 頼む。 後はなんとかしてみる」


 城崩し 鈴風を掴み、能力を使用し体に負担と共に身体強化を施す。


 大きく振りかぶりながら飛び出すと同時にもっとも近いヒュドラに向かい飛び掛る。

 まだこちらに気付いていなかった一匹のヒュドラの首全てを切り落とし、ジノ達がいるほうに蹴り飛ばす。

 気が付いた残りの2匹のヒュドラはこちらに向き直る。


「《アイスジャベリン:ストーム》」


 無数の氷の槍が射出、2匹のヒュドラは10の口を開くと炎の息吹を吐いた。

 氷の槍は溶かされ届く事無く消え去ってしまう。


「っ、パイロヒュドラか」


 ヒュドラ種の中でももっとも厄介、毒を持たない代わりに、唯一息吹に何かしらの力を持ち、炎の息となると雷の息に次いで強敵となる。


「《ウィンドエッジ:ハインド》」


 大きな円形となった風の刃、炎の息吹を切り裂きながらヒュドラの体にぶつかり頭を一つきり飛ばす。強度はさほど高くないようだが、何も感じてないようで残りの4個の頭はこちらに向け大口を開き噛み付こうと迫ってくる。

 その間にももう一匹のパイロヒュドラは仲間を巻き込むように炎の息を吐いた。


「《アイスウォール》」


 パイロヒドラの目の前に氷の壁を作り出す。

 炎の息で徐々に溶けていくが、時間稼ぎ程度になる。やはりまだ炎の力もそれほど強くはなく、成体になって間もないようだ。

 まだ成体に成り立てだからこそ戦えているが、これが全長10から20mクラスの完全成体となったら二匹同時に相手をする尾は難しい。


「《フレイムボール》」


 放った火球は切り落したパイロヒュドラの首にぶつかる。

 小さな爆発が首の傷口を焼き、これで頭一つは再生不可能になったが、やはり奇襲をかけて一度にどうにかしないと戦いだと手間がかかる。


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