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異世界に転生者は不要   作者: 赤崎巧
3章 戦争へ
110/176

110.決闘 本番

「戦士フェリペと魔法剣士ジアス。 二人ともゴルノス子息の下、力のある戦士だ!」


 傭兵とは少々違うが、貴族の私兵ということ。領地持ちの貴族が所有する兵士とは色が異なる。護衛であり兵士であり、そして真っ当ではない仕事をさせる為、大金を払って冒険者や殺人奴隷上がりの猛者を手元においている。


「グレン殿、どうする」


「相手の意図通りに戦った方が良いでしょう。 その方が衝撃を受けるかと」


「良いだろう。 ではあの魔法剣士は任せた」


「ジノ、サーシャのところに居てくれ」


 ジノは大きく跳躍すると観客席に座っているサーシャのすぐ座ると、ソードウルフたちもすぐ近くに伏せる。どうやら完全にジノに従っているようだが、もしかして今後の生活費は私が出す事になるのだろうか。

 その様子を確認していると詠唱している声が響いた。


「雷よ! 矢となりて敵を貫け! 《サンダーボルト》!」


 3本の雷の矢が放たれこちらに向ってくる。


「《アイスウォール》」


 氷壁を作り出すが、解けた表面の水を伝播しこちらに向ってくる。かなり威力があるのか、氷の壁もいくらか砕かれている。

 鈴風を盾して防ぎ僅かな雷の力が身を襲うが、対魔性能の高いアダマンタイト製のフルプレートメイル、微弱な魔法など一切通さない。

 それにしても、私が水氷系を主に使うため、雷撃を得意とする魔法剣士を用意するとは中々情報収集が出来ている。そして人材が豊富な事だ。

 だが根本が間違っている。万能に近い水氷系が使いやすいだけで神聖系を除いて、大抵の魔法は使う事が出来る。何年も魔法に達者な兄セズの厳しい教育を受けては居ない。


「空を引き裂く光よ。 剣に宿りて波動の一助となれ。《サンダーウェーブ》」


 鈴風を振り下ろすと共に、雷が形を持った波動として3個に別れ魔法剣士ジアスに向っていく。


「風よ! 我に纏いて空に舞う力となれ!《シルフウィンドウ》」


 風を纏いながら空中に飛び上がり攻撃を交わして見せた。どうやら雷というより、風雷系の魔法剣士のようだ。


「雷の精霊よ! 我が命を聞き敵を焼き尽くす雷光となれ!《サンダークラック》!!」


「地に伏せし大地の精霊 グノーメよ。今魔力を奉納し 大地より従者を使わせ給え《ストーンゴーレム》」


 負傷していた以前と異なり、3mを超える巨大なゴーレムとなり雷を代わりに受け止める。

 空中から連続して打ち下ろされる雷、


「その姿は人に似て異なり、大地より起き上がりし象物、我の魔力を喰らいて《ストーンゴーレム:タイタンランブル》」


 周囲の土や岩石を取り込み、さらにストーンゴーレムが大きく巨大になっていく。


 ストーンゴーレムが地面に右腕を叩き付けると、巨大な槍が地面から飛び出し魔法剣士に向っていく。

 だが、自在ではないにしろ空中を舞う標的に対しては効果が薄く、ゆっくりとだが移動する事で避けられてしまう。


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