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好きな人 〜歪んだ純愛〜

作者: いつみゆう

いつみさん、こんにちは。


誰から私の話を聞いたの?


そう……。

私がキレイで有名、ね。

だから話を聞いてみたい、と。


私は男の人から人気者なのね。


自分で言うのもなんだけど確かにモテてたかも。

色んな人に告白されたし、プレゼントも沢山もらったかも。


?。

じゃあ経験豊富だって?


……実を言うと、誰とも付き合ったことがないの。


以外?

嘘ついてる?


……本当の事よ。


私には好きな人が1人だけいるの。


何度も……サインを出してるのに……。

気付いて貰えないの。

いや……"気付かないふり"かもね。


"受け入れたくない"んだわ。

きっと。

でも私は諦めないの。

絶対に諦めない。


引かないで聞いてくれる?

私の話……。


◇ ◇ ◇


私の好きな人は物心ついた時からそばにいるの。


嬉しい時も、楽しい時も、遊んでいる時も。

……悲しい事があった時も。


"寝る"のだって一緒だったよ。


ははっ。

寝るって"そういう意味"じゃないよ。


布団で一緒にね。


一緒にご飯を食べて……お風呂に入って……。


何?

"まさか"って?


そうだよ。


私の好きな人は"実の兄"よ。


キモいでしょ。

私。

引くでしょ。

私。


小さい時から高校◯年生になっても。

ずっと……大好き……。


なんでかって?


それはどんな男の人より兄が素敵な人だからよ。


だって……。


私が落ち込んでる時は優しい言葉をかけてくれた。

風で寝込んだときは、学校、大人になってからは仕事を休んでまで看病してくれた。

勉強も教えてくれた。


……ずっと一緒にいてくれた。


とても優しい人なの。

幼い時から……大人になっても……。

それだけはずっと変わらない。


いつ好きになったか分からないよ……。


こんなに優しい人、他にいるの?


……居たとしても、付き合うとか結婚なんて、絶対に考えたくない。


私はずっと一緒になりたくて……。

"ひとつ"になりたくて、二人の"証"を残したくて、色々兄に仕掛けてきたの。


休日は一緒に出掛けようとしたり。

お風呂上がりにタオルだけ巻いて家の中をうろついてみたり。

夏になったら下着でうろついてみたり。

……両親がいない時なんて攻めたわ。


兄が寝ている部屋に下着で入っていって一緒に寝ようとしたり……


その度に兄は顔を真っ赤にして怒るのよ?


"何考えてんだ"って。

"いいかげんにしろ"って。


うふ。

その時の顔がまたかわいいの。

でも……振り向いてもらえなかった。


そしてとうとう……大喧嘩した時があったの。


彼女作って家に連れてきたの。

(あいつ)


「あなたが◯◯ちゃん?可愛いねぇ。私は◯◯君の彼女です。これからよろしくね」

って言ってた。


……はらわたが煮えくり返る思いだったわ。


ムカつく笑顔を向けやがって。


知り合って2ヶ月?

友達から始めてそれで付き合った?


こちとら十数年想ってんのよ。


しかも(むこう)から告白された?

……ふざけてんじゃないわよ。

私はずっと……サインを出してるのに……。

なんでコイツに……。


殺してやる。


そう思ったわ。


「お話しましょ」って言うから、私は兄の恥ずかしい話を暴露してやったわ。


?。

大した事じゃないよ。


おねしょが中1まで治らなかったとか。

ベッドの下には貧乳もののエロ本とAVがある、とか。


彼女(あのおんな)はだいぶ笑って聞いてたけど、兄はカンカンに怒っててね。


夕方になって彼女さんを家に送った後、大激怒よ。


「カッコ悪い男に思われるだろーが!」

「余計な事言うんじゃねーよ!」

って。

怒った顔もかわいいの。


私は

「だってカッコ悪いじゃん!それがあんたでしょ!」

って言ったの。


もう何時間ケンカしたか分からないよ。


そしてとどめの一撃。


「俺んちに彼女を連れてくるんじゃなかった。あぁ!お前なんかいらねえよ!邪魔なだけだ!」


さすがに心にグサッときたわ。


私は兄のみぞおちに一発入れた後、苦しむ兄を横目に見ながら泣きながら自分の部屋にあがって行ったわ。


私は部屋の中で泣きながら……。

兄のシャツを抱きながら布団の中で眠ったわ。

どれだけ私の胸の中が切なくなったか。


そしたらね……。


夜中に私の部屋のドアの前で兄が言うのよ。


「まだ起きてるか?起きてたら聞いて。……さっきはゴメン。言い過ぎた。色々考えたんだけど、あのときのお前って彼女を見て照れてたんだろ。だからあんな事言ったんだよな。浮かれてただけなんだよな?……ごめんな。じゃあお休み」

って。


どんだけ優しいのよ!


心の中でそう叫んだ。

より一層兄の事が好きになってしまったの。


だから私は諦めない事にしたの……。



私は彼女さんと仲良くなったフリをしてね。

連絡先を交換したの。


そして、彼女さんの友人とも仲良くなっていってね。


そして……兄に不利になるガセ情報を間接的に流していってね。

どんどん兄を嫌わせさせて行ったの。


そしてとうとう……。


「彼女と別れる事になったんだ。……はぁ」


……ちょっと彼氏の評判が落ちただけで別れるような女だったのよ。

アイツ。

別れて正解よ。


でも……兄の落ち込んだ顔がたまらなく愛しかった……。


私はここぞとばかりに甘い言葉をかけたわ。


「私が彼女だったらどんな事があってもあなたから離れない」

とか。


「あなたのいいところは私だけが知っている」

とか。


「私がこれからもそばにいる」

とか。


目に涙を貯めながら私を見てくれるのよ。

……胸がキュンキュンしたわ。


そして、その日の夜……。


寝てたらね?

兄が部屋に来てくれたの。


「隣に布団しいて寝ていいか?」


って聞くから、

「……たまには私の布団で一緒に寝よう」

って言ったの。


もう心臓バクバクよ。


そして二人で寝てたら、私の体を抱いてくれたの。


私は嬉しくて嬉しくてねぇ……はぁ……。


でも悟られないように静かに……

「何?……急に?気持ち悪いよ」

って言ったの。


そしたらね。


「家族でいてくれてありがとう」


って言ったの。


……その日はそれだけだった。


抱いてくれたけど"抱いて"くれなかった……。


その日からね。


私が裸で歩いても部屋に勝手に入っても注意されなくなった。


……何かの前触れかな?

もしかして……。


淡い期待が胸の中で沸き起こったわ。


休日は

「一緒に出掛けよう」

って言ってくれるし……。


本当に嬉しかった。


時期が来たと思った。


そしてとうとう……。


「私はあなたが好き。男性として。だから大人になったら結婚して」


告白してしまったの。

でも結果は私を裏切った。


……私の頬を思いっきり平手でぶったの。


「な……何言ってるんだ……?正気かよ……勘弁してくれよ……」


兄の手は震えてた。


「本気よ……だから私を受け入れて……」

って言った。


そしたらまたぶたれたわ。


……そこから兄は家に帰って来てないの。


電話をかけても出ないし。

ラインを送ろうとしても拒否されてるし……。


私は絶望したわ。


でもね……。


私はまだ諦めてないの。

兄が家に帰って来るのを待ってるの。


帰ってこないつもりなら……こっちから探してやるわ……。


◇ ◇ ◇


長くなっちゃってごめんなさい。


キモかったでしょ?

私の話。

てか私そのものが。


兄に恋するなんて……ましてや子供も欲しいなんて……。


でもね、私は兄妹で愛し合ってもいいと思うの。


おかしい?

なんでそんな事言うの?


兄妹でも男と女よ。


神様は兄と妹でも愛し合えるようにしてくれてると私は思うのよ。


だって……兄妹でも"出来る"んだから。



……ごめんなさい。スマホが……。

……!


兄だ……。


え……?


うん……うん。


話したいことがある?


"あの場所"に来て欲しい?


うん!わかった!今行くから!


ピッ


ごめんなさい。


兄からだったの。


話したい事って……もしかして……告白……?

受け入れてくれたのかな……?

家族の思い出の場所だよね……たしかあそこって。


……確定ね。

ふふっ


じゃあ私、行ってくるから。


いつみさんも好きな人、見つかるといいね!

彼女は嬉しそうに走っていった。


二人の家族の思い出の場所で集合らしいが……


おそらく兄からこれからの二人についての話だろう。


妹は勝手に告白だろうと思ってるが、まだ分からない。


家族として生きるのか。

それとも男女として愛し合っていくのか。


兄はどちらを選択したのだろうか?



……二次元でよくあるシチュエーションだけど……


……三次元は……ちょっと……。


申し訳ないけど気持ち悪いよ。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  描写が丁寧で引き込まれました。 [気になる点]  近親愛が気持ち悪いというのは固定観念だと思っているのですが、それを抜きにしても気持ち悪いものなのでしょうか?バイアスを除けば何でもないこ…
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