第一話・ルーキーが来た!その二
「ったく、うっさいわねー。あんたらなに騒いでんのよ?オチオチ寝てもいられないじゃん」
「あ、イングリット先輩」
「ちゃーっす!グリ先輩!」
「よー、グリ。今頃お目覚めか?」
「むかぁぁぁーっ!アンナ!ブレンダ!グリって、呼ぶなってんだろーが!こちとらイングリットって親からもらったちゃんとした名前があんだよ!」
「えーっ?可愛いらしいあだ名じゃないっすか」
「そうそう。オメーの外見に相応しいあだ名じゃねーか。なぁ、グリちゃん」
「ブレンダ!もう一回グリっていったら、あんたの両方の目ん玉抉り出して、アタシのケータイのストラップにしてやっからね!」
「アハハハハ!まぁ、そう怒るなって。魔法陣グリグリ」
「殺す!ゼッテーぶっ殺す!この腐れ売女があぁぁぁ!!」
「ちょっと二人ともいい加減にして下さい!イングリット先輩に失礼じゃないですか!」
「ミユキ!ああー!やっぱアタシの気持ちを分かってくれるのはアンタだけよ!アンタだけがちゃんとアタシを先輩扱いしてくれる」
「え?いや~、そんな~、大げさですよ。照れるじゃないですか」
「いいえ…ミユキ…アンタは…アンタはアタシにとってかけがえのない大切な後輩よ!」
「はい!私も同じ気持ちです。例えこの先1ミリも身長が伸びず、万年ブラいらずで、エターナルツルペタボディだったとしても、イングリットさんは私にとってかけがえのない先輩です!」
「………(ミユミユ)」
「………(ある意味スゲーやつだよな)」
「………アレ?私、何か変なこと言いました?」
「ふ、ふ、ふ、ふざけんなあぁぁぁー!このヤーパン生まれの牛チチ女があぁぁぁー!誰がエターナルツルペタボディだあぁぁぁー!アンタの皮を剥いで乳房のついた皮のジャケット作るわよおォォォー!!」
「ちょ、ちょっと!イングリット先輩!痛いじゃないですか!そんなにお尻ポカポカ叩かない出ください!」
「うっさい!こんな超優良安産体型のデカケツじゃ、バズーカ砲で撃ったって、キズ一つつきゃーしないわよ!」
「ひ、ひどい!気にしてるのに!」
「アハハハ!ミユミユのお尻はVIP用のリムジンってっか」
「もう!アンナさん、ヘンな例えしないで下さい!」
「いや~、ヒップとVIPをかけてみたんだけど」
「なんなんですか!中年オヤジのセクハラみたいなこといって。そんなんだからアンナさんは、高校生の時バレンタインの手作りチョコを作ったはいいけど、あげる相手が見つからず、結局『頑張った自分へのご褒美だ!』とか婚期を逃したOLみたいなこといって、家に帰ってから一人寂しく自分の部屋で食べるハメになっちゃうんですよ!」
「……ミユキ、オメ~」
「うわぁぁぁぁぁー!死ぬー!死んでやるぅぅぅぅー!」
がん!がん!がん!がん!がん!がん!がん!
「え?アレ、アンナさんなにしてるんですか?!ちょっと!そんなに壁に頭を連打したら死んじゃいますよ!ブレンダさんも見てないで止めてください!」
「しょがね~な。ほら、アンナ、いいから落ち着けって」
「うわぁぁぁぁーん!封印した黒歴史があぁぁぁぁー!!」
「お~、よしよしよし……ミユキ~、世の中にはいっていいことと悪いことってもんがあるんだぜ」
「す、すみませんでした……反省してます」
がらがらがら~。
「あいかわらずここの戸は開けづらいな~。ん?おいおい、おまえら玄関でなに騒いんでんだよ~?」
「あっ、監督!」
「あら、モンティじゃない。どうしたの今日は珍しくシラフじゃない」
「あのな~。オレだって年がら年中酔っ払ってるわけじゃね~よ。それにイングリット、オレのことはちゃんと監督って呼べよなあ~」
「あ~、はいはい分かりましたよ。それで監督今日は私たちになんか用?」
「まぁな~。ところでアンナのやつどうしたんだ~?今にも死にそうな顔してるじゃないか~」
「いや~、それがさぁ、ミユキのやつが、例のごとくあの毒舌パワーを発揮してアンナをいじめて泣かせちゃったんだよな」
「うぐっ、うぐっ、うぐっ、うぐっ」
「そ、そんな違います!いじめてなんかいません!ブレンダさん適当なこと言わないで下さい!」
「しょうがないな~。ミユキ~、オマエの口は凶器なんだからちゃんと管理しておけよ~。じゃないといずれ死人が出るぞ~」
「もう!そこまで言うことないじゃないですか……そりゃちょっと自分でも言い過ぎることはあるかもしれないとは思いますけど」
「ちょっとじゃないだろ~。この間だって朝、寮の前で会った時、『おはようございます監督。アレ?今朝は晴れ晴れとした顔してますけど、ウイスキーで浣腸でもしたんですか?』って言われて、マジ、オレ気が遠くなったわ~」
「……」
「……」
「……」
「し、し、失礼いたしましたあぁぁぁぁぁぁーー!!」




