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『マーヴェラスside』

「ウガァァァ!」 

 

 「これで終わりだぁぁ!」


『主人公補正かかりまくり』の勇者マーヴェラスの大剣が魔王の腹を貫いた。

世界に平和が訪れる……


画面暗転……






☆彡

「はいオッケーでーす!」


「いてて……刺されるのはなれないっすよー」


何もない真っ白な世界で魔王ワーストは腹を押さえて立ち上がった。


「『異世界勇者マーヴェラス』の物語が完結して30年かー……早いよねー」


ヒロインのスカーレットはあぐらをかいて座っている。


彼らは気がついていた。


『自分たちが小説の登場人物』だということを。


「これで……しばらくしたら俺は産まれる所から再スタート……同じ人生をまた歩む……」


「そして僕はまた殺される……やですよー」 


「仕方がねーよ……俺たちは『完結した小説の登場人物』なんだから。『創造主メンオブクリエィティブ』が続きを書いてくれない限り……地震かよ!?」


「えっ!なんで!?」


いつもならばここで物語は巻き戻るはず……だった。



「ま……まじかよ!?『続編』が始まるのか!?30年もまえの小説だぞ!?」


「うそー!」


「僕はどうなるんですかねー!?死んだまま!?復活させてくださいよー!」








☆彡

「よーし!」 


10歳になったばかりのマリは原稿用紙を前に腕まくりをした。


(私が続きを書く!)


マリにとって父、愛之助の書く歴史小説はチンプンカンプンだったが物置で見つけた『異世界勇者マーヴェラス』はとても面白かった。


(これで物語が終わりなんてもったいないよ!マリならもっともっとおもしろくできるもーん!)


「『異世界勇者マーヴェラス2』……まずマーヴェラスって名前がダサいよね」


(私なら……もっとカッコイい……こう……騎士!って感じの……いいじゃん!主人公の名前……マーヴェラスから『騎士ナイト』にしちゃえ!)








☆彡

制服姿のスカーレットとワーストが手を振りながら『騎士』の元にかけよる。


「騎士ー!ぷっ!……一緒にお弁当たべよー!」


(騎士って!名前ダサッ!なにそれ!?)


「騎士くーん!ぷっ!」


(くふふ……マーヴェラスさんには悪いすけど騎士はないす!ダサいっす!)


「いいぜー!お前たちーー!」


マーヴェラス……いや、騎士も手を振り返す。


(続きが始まったと思ったら、よりによって……『学園編』が始まるとか!?くそー!完全にエタるパターンじゃねーか!つーかお前ら笑ってんじゃねぇ!)


文句があっても作者がそれを求める限り登場人物はそれを演じなければならない。

気づいてしまったものたちの運命だ。


(魔王を倒したあと学園編はおかしいだろ!?脈絡もくそもねぇ!なに考えてんだ?創造主は……?



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