表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/100

答え合わせ

 今回でおそらく全部を説明していると思います。分かりやすいかは分かりませんが、努力はしました。

「私が何をしたって言うんですか~?」


 正座させられているのが不満なのか、刀祢の横にいるのが不満なのか、おそらくその両方だろう。燕はムスッと頬を膨らませて文句を言う。


 燕の真正面に座っている天見は、嘆息して頭に手をやってくしゃりと髪をかく。


「無自覚とはま~恐ろしいな。燕のせいで俺と崑崙が巻き込まれたんだからな」


「巻き込まれたって、何に?」


 ベリメスに聞かれて、天見は腕を組んでうなる。


「う~ん……題するなら、明暗月夜流再生計画?」


「何ですか~? それ?」


 自分ちの名前が出てきて、燕が小首を傾げる。


 天見はどう話したら分かりやすいかと思って、まず刀祢に視線をやる。


「刀祢さんが飛燕さんを好きっていうのは知っているか?」


「それぐらいは知ってますよ~。あからさまですし~、まあ、姉さんは別に気にもしてませんけど~」


 燕は平然と答えるが、いきなり恋愛話が始まって、天見の左右に座るファイナとセリアは微妙に興味を引かれつつも、聞いてはいけないんじゃないかと困った風だ。しかし、当の刀祢はと言うと、気にした様子もなく笑う。


「はははは。子どもの時は仲が良くって、結婚の約束とかもしてたんだけどね」


「幼馴染というやつか」


「そういう関係の人がいるって、羨ましいです」


 と、ファイナとセリアは「幼馴染」に憧れでもあるのか、幼馴染必携とも言える子どもの時の約束にポワ~となっているが、天見は大して関心も無く、


「で、燕は刀祢さんと飛燕さんが結婚するって言い出したら反対するか?」


「まあ、反対しますね~」


「それがもし、燕の道場が潰れた後で言い出したら?」


「どの面下げて言いにきやがったんだって思いますね~。父さんと一緒に叩き出した後に塩まきますね~」


 天見は予想通りとコクコクと頷き、刀祢は頬を引きつらせて苦笑し、ベリメスはポンッと拳で掌を叩く。


「あ、だからこの人は急いでたんだ!」


「そう。刀祢さんの立場からしてみれば、どうあっても明暗月夜流を潰すわけにはいかないんだ。もし潰れようものなら、その原因は自分の家の月光花家元流となり、両家の間には消えることのない禍根が残る。そうなると飛燕さんに想いが届く関係なしに、結婚なんてできるわけもない。だから刀祢さんは考えた。明暗月夜流を潰さず、さらには今現在両家の間にある格差と確執をなくすためにはどうすればいいか?」


「もしかして、その答えが大天魔武装大会か?」


 ファイナの気づきに、天見は頷いて答える。


「おそらく刀祢さんのベストな展開は、大会の決勝で明暗月夜流と月光花家元流が戦い、月光花が負けることだったはずだ」


「え~!?」


 驚く燕が声を上げるが、刀祢は苦笑して否定しない。


「そうすれば賞金が渡せて当座はしのげるし、二つに分かれた神具も一つとなって確執が和らぐ。それに明暗月夜流の評判が上がって月光花家元流の評判が下がるから、格差も縮まってくる」


 両家の格差が縮まれば、世間的に「○○目当て」とも思われなくなる。家だけでなく、飛燕のことも気づかっている。


「さらに大会でぶつかり合うことで、月光花についての理解度を深めてもらいたかったんじゃないかな。ただのパクリでなくちゃんと要点を残し、明暗月夜流をさらに発展させた魔法だと分かってもらおうとした」


「なるほど。コピーではなく、魔法の発展系――昇華と思ってもらえれば、歩み寄りの芽も出てくるかもしれないな」


 ファイナはよっぽど「昇華」という言葉が気に入っているのか、自分で言いながらしきりに頷く。


「でも天見。その目論見は失敗したんでしょ?」


 大会の優勝は鬼面夜行流で、燕も刀祢も準決勝で負けている。


「だから、すぐに次善の策に出たんだ。自分が月光花の責任者になるっていう」


「どういうことですか?」


 それがどうして「明暗月夜流再生計画」に繋がるのか分からず、セリアが問いかける。


「ズバリ、明暗月夜流と月光花家元流の統合」


「え~!?」


 声に出して驚いたのは燕だけだが、ファイナもセリアもベリメスもこれには驚いた。


「お互い決勝にも残れなかったということは流派として大問題だ。こうなったら今一度、強くなるために一つに戻ろうっていう流れだよ」


 だが、この天見の意見はすぐ燕に手を振られて否定される。


「いやいやいや、水鏡さん。それはありえませんよ~」


「そうですよ、天見さん。さすがにそれは発想が乱暴だと……」


 天翔流に深く関わっているセリアからも現実的じゃないと言われるが、


「的外れな話だとは思わない。刀祢さんは月光花を新しくしようと考えていたみたいだしね。準決勝にまで残ったことで明暗月夜流の評価は上がって、反対に決勝にも行けなかったことで月光花家元流の評価は下がった。これでも両家の格差は縮まって歩み寄りやすくなったし……」


 そこで言葉を切って、天見は渋面を見せる。


「天見?」


 ベリメスに不思議そうに見られてから、天見はキッと刀祢へ視線をやる。


「共通の敵の出現で敵同士が手を組むのはよくあることですよね~、刀祢さん?」


「え?」


「共通の敵?」


 女性陣が疑問符を浮かべるが、天見に睨まれている刀祢は明後日の方向を向いて空っとぼけている。


「明暗月夜流と月光花家元流は……奪われた魔断大帝を取り戻すために協力し合うんだよ」


「それってつまり……」


 まだちょっと確信を持てないベリメスが、「もしかして」という思いで天見を指さす。それで、ファイナ達がハッとする。


「俺がラスボスになっちゃったんだよ! そして俺を倒して魔断大帝を取り戻し、刀祢さんは苦楽を共にした飛燕さんと良い雰囲気になる!」


「絵に描いたようなハッピーエンドね」


「できれば、その舞台が来年の〈大天魔武装大会〉だとさらにいいよね。シードにするから来年も鬼面夜行流の一員として出てみない?」


「うるさいですよ」


 朗らかに提案してくる刀祢に、天見は俯き加減で怒りマークを頭に張りつける。


「だから本物の魔断大帝を持ってきたんですね」


「いや、連絡に食い違いがあって偽物を渡しちゃったのは本当に手違いだよ。偽物とすり替えたのを知っていたのは私を含めて数名だったんだけど、私は怪我の手当てで引っ込んでたし、セブンイースターが決勝を辞退するハプニングでごちゃごちゃしたせいでね」


 まあ、色々予想外なことがあったのは事実だし、その証言を信じないでもないが……。


 みんなの前のテーブルにある魔断大帝。天見が追い求めていた一品だが、こうなってくると入手したことを手放しで喜べない。


 天見側の四人が黙っていると、


「この男の企みは分かりましたけど~。やっぱり私は関係ないじゃないですか~」


 燕が口を尖らせて言ってきた。


「そう言えば……ここまで聞いた限りでは、この刀祢という男一人の企みに聞こえるが?」


「そんな訳がないでしょ。これまでの大会で起きた出来事を考えると、この男の他に確実にもう一人はいるわ。それもあなたの家の中に」


「え~!? そんなまさか~!」


 信じられないって顔をして驚く燕を見て、天見はため息をついた。少しは魔法使いらしく頭を使ってほしいな~っと思いつつ、


「考えてほしいんだけど……どうして刀祢さんは今年に再生計画を立てたと思う?」


「ん? それは燕の家が限界にきたからだろ」


 もう一歩踏み込んだ答えが聞きたかった天見は、頭上にグシャグシャの線を浮かべる。


「だから、どうして部外者の刀祢さんがそれを知ることができたんだ?」


「言われてみれば……去年だって困っていたかもしれませんし、来年に本格的に困るかもしれませんよね。今年に限界がきたとピンポイントで分かった理由は……明暗月夜流の人から直接聞いた?」


 セリアの言葉でハッとしたファイナは、バッと慌てて燕を見た。


「まさか、燕が!?」


「え~! そんな訳ないですよ~!」


 ファイナの誤答に力が抜けた天見とベリメスは、テーブルに突っ伏した。


「燕には無理だよ。この前まで家にいなかったんだから、刀祢さんとの入念な計画相談なんて出来ないし、もしかしたら家の窮状だって知らない可能性もあった」


 天見の言葉通り、燕は道場の危機についてこの間まで知らなかった。知っていたのは家計を気にしていた――。


「両親って線はないわよ。父親はその人の流派を敵視しているし、母親は仕事が忙しいみたいだし」


「弟さんも無理でしょうね。まだ中学生ぐらいですし、家計のことなんて知らされていないでしょうし」


 さすがにそこまで入念に説明されなくっても分かった燕は、深くため息をついた。


「ということは、姉さんですか~」


 答えを聞いて、ファイナは手を叩くと共に思い出した。燕の家に遊びに行った時、確かに飛燕が道場の窮状を鋼燕に訴えていた。


「まったく、姉さんも困ったからって何も嫌っている相手に――」


「いや、燕。たぶん、それは違う」


「へ?」


 天見はテーブルから体を起こして、


「家が貧窮しているなんて言ってしまえば恥ずかしいことだろ。ただの友達や疎遠になった幼馴染に相談するか?」


 言われて、燕は「あっ」と口を開けて思い出した。先程彼女は、天見に経営が崖っぷちだった? と聞かれて言葉を濁した。


 燕でさえそうなのだ。長女である飛燕はしっかりしているから、なおさら相談する人に気をつかうだろう。それこそ身内並みに信頼している人に……。


 身内並みに信頼している他人? それは親友か、もしくは……。と、燕は思いついたことを笑い飛ばして首を横に振る。


「いやいやそんなまさか~。ね~、水鏡さ~ん?」


 頬をヒクヒクさせて笑う燕から顔をそらし、天見は気まずそうに後ろ髪をかく。


「さすがに、そういうデリケートなことは俺からは言えないけど」


「ああ、お察しの通り。私と飛燕は隠れて付き合ってるよ。いわゆる恋人同士だ」


 躊躇いなく言われた刀祢の言葉は雷となって、燕に落ちた。セリアは自分のことのように照れて前髪で目元を隠し、ファイナは無表情を装っているが心象では興味津々に驚いて口に手を当てている。


「周りに配慮しているため、人がいるところではそう見せないようにしているけどね。いや~中々神経を使うし、苦労するよ」


「臆面もなくストレートに好意をさらけ出しているあなたは別に大変じゃないでしょ」


 ベリメスが冷めた目で刀祢を見る。確かに神経を使って苦労しているのは、刀祢のストレートな好意をあしらっている飛燕の方だろう。


「なるほど。つまりは恋人である飛燕の相談を受けて、刀祢は今回の計画を思いついた」


「家同士の仲が悪いのに恋人関係……まるでおとぎ話みたいですね。それに恋人のため自分の家を省みないなんて、できることじゃありません」


 セリアはホウっと夢見がちなため息をもらすが、ファイナは心象で「う~」と唸っていた。少し前、家と天見を天秤にかけたら家に傾きかかった前例があるからだ。


 燕もそのシチュエーションには憧れるところが無きにしも非ずなのか、文句を言わず黙っている。それか、まだショックが抜け切れていないのか。


 自分より若い女の子達の好評に、まんざらでもない様子の刀祢。


「まあね。飛燕のためなら苦労ぐらい惜しまないよ」


 ただ、そんな彼もすぐに「でもね~」と言って顔を曇らせる。


「そう簡単に計画通りにはいかなかったんだよ。一番肝心な最初から困った事態が起きてね」


「最初から?」


「魔断大帝を賞品に出したのに、鋼燕さんが大会に出ようとしなかったんだよ。どうやら私や飛燕が思っていたより、父さん達の根は深かったようだ」


「それでどうしようとしたんですか?」


「それね~、私達二人も頭を悩ませたんだよ。まさか、魔断大帝にのってこないとは思わなかったからね。とりあえず、私が明暗月夜流へ道場破りに行ったり、飛燕にも協力してもらって盗難未遂事件を起こして、このままだとどこぞの人に持って行かれたりする。って危機感を煽ってみようってことになったんだけど……、魔断大帝のインパクトには勝てないから、もっと何かないかって思っていたところ」


「俺と会ったと」


「ピンポン」


 正解の効果音と共に、刀祢はウインクを天見に飛ばした。


「君のコピー能力については聞いていたからね。上手く利用すれば、鋼燕さんにうちへの敵愾心を思い起こさせることができるって思ったんだ」


 天見は腕組みをして、呆れた様子で口にする。


「俺と刀祢さんの戦いは月光花家元流VSコピー魔法だったけど、見ようによっては明暗月夜流VSコピーした明暗月夜流と仮想させることもできるからね」


「あ~」


「そういえば、父さんが出場を決めたのって水鏡さんと刀祢さんの試合を見た後でした~」


「ホント、天見君には助けられたよ」


 こいつ開き直って図々しいわよと、ベリメスが天見の肩に座って耳打ちする。刀祢に対してはここでひとまず置いといて、天見は燕へ視線をやり、


「さて、待たせたな燕」


 低めの声を出した。


「刀祢さんは、俺の情報を誰から聞いたと思う?」


「バ~カですか、水鏡さん。そんなの姉さんから聞いたに決まってるじゃないですか~」


「そうだな。で、どうして飛燕さんは会ったこともない俺について詳しく知ってたんだ?」


「そんなの私からのて――」


 そこで燕の言葉が止まった。そこで、彼女もようやく「諸悪の根源」と言われた意味に気づいた。


「刀祢さんと飛燕さんが俺を利用しようとし、盗難未遂事件の犯人にモドリスの特徴を偽証することができたのは……燕が家族へ懇切丁寧に変な手紙を書いていたからだ!」


「そんなこと言われても~! それに変じゃないです~。面白おかしく本当のこと書いてるだけです~」


「だから、一回その文面を見せろって」


「それは断固として拒否します~」


 天見と燕がそう言い合いをしている横で、ベリメスが刀祢に尋ねる。


「なんで盗人と一緒に妖精がいたなんて証言したのよ?」


「魔断大帝の前の持ち主が明暗月夜流だっていうのは調べればすぐ分かることだからね。動機で飛燕の家が疑われるのが嫌だからそういう特徴づけをしたんだ。燕の友達には迷惑がかからないよう、私がアリバイを証明するために一緒の時に事件を起こしたんだけど~……まさか、崑崙君の方もこの町に来ていたとは。申し訳なかったよ」


 そして、刀祢は都警に被害届は出していないと言ったので、これで崑崙が捕まることはない。


 でも、事件の中で腑に落ちないことがあるセリアが、思い切って刀祢に尋ねる。


「どうして天見さんを都警に引き渡したんですか?」


 目の前で天見が捕まってしまい、不安で一杯になったセリアには許せないことだ。


 刀祢はしばし押し黙ってから、重たい口を開く。


「彼のアリバイを握っていたのは私だ。無罪を証言することができる私の頼み――エキシビションの参加を断りにくくするため、彼には一度都警に怪しまれている、と思ってもらった方が効果的だと思った」


「そんな……そこまで――」


「そこまでしますか」と言おうとしたが、刀祢は自分の家すら省みず、自分の父親すら傷つけた人だ。「そこまで」ぐらいは当然するんだと、セリアは気づいた。


「それに天見君を自由にしておくと、こちらの企みに気づくんじゃないかって思った。それほど彼を脅威だと感じた。実際、見事に気づいた」


「当然だ。水鏡は私の連理の枝だからな」


 少し得意気そうにするファイナと、まだまだ不満そうな顔をしているセリア。そんな二人を見てから、ベリメスは半眼で刀祢を見返した。


「随分と、素直に話したわね」


「話さなくても天見君は気づいていたようだしね。それに彼には負けている。敗者として勝者に敬意を表しただけさ」


 そして、頑なに自分が悪かったことを認めない燕との言い合いを諦め、天見は「それじゃ」と切り出した。


「俺から代案を提出させてもらいます。そちらにとっても悪い話じゃないと思いますよ」



 時は進んで、夜の大天魔武装大会の会場。撤収作業はほぼ終わり、舞台の周りもスッキリしている。


 そして舞台上で天見と黒装束が睨み合い、人質として刀祢と燕が天見のそばにいる。


 天見からの要求はすでに手紙にして明暗月夜流道場――燕へこっそりと届けられていたが、確認のため彼は要求を口にする。


「魔断大帝の脇差は持ってきましたね?」


 応じて、黒装束が脇差を手にして前へ突き出した。


 飛燕へ送った手紙には、刀祢と飛燕の企みは全て知っている旨と、燕と刀祢を人質にしているから魔断大帝の脇差と交換という旨を書いておいた。そして最後に、企みを公表されたくなければ、都警には知らせるなと定番文句を書いた。


「それでは、それをこちらに放ってください。そうすれば、二人は解放します」


 黒装束が脇差を持って逡巡しているが、天見が魔断大帝の太刀を抜いて燕へ切っ先を突きつけると、黒装束は掌を突き出して「待った」をかけてきた。


 天見が切っ先を少し下げると、渋々と黒装束は脇差を放り投げた。


 天見の意識と視線がそちらにいった時、


「天見、後ろ!」


 天見の影から突き出てきた脇差が、彼の背中を貫こうとしていた。だが、ベリメスの注意で前に跳んだ天見は、ギリギリでそれを避けた。


「やっぱり、そうきたか」


 天見が背後を振り返れば、影から出て来た脇差を持つ飛燕と目があった。


「燕、刀祢! 父さんの方へ走るですの!」


 攻撃を避けた時に天見の手から、二人を拘束していたロープは放れていた。


 燕と刀祢は黒装束へ駆けて行き――黒装束が布を取っ払うと、現れたのは鋼燕だった。


「手紙には都警に知らせるなとありましたが、家族に知らせるなとはありませんでしたの」


「へ~。お父さんにお付き合いのことも話したんですか?」


 ちゃんと気をつかって、天見は「お付き合い」の箇所は小声で聞いた。本当に全てを知られていると思った飛燕は頬を染めてポツリと、


「それは……隠したですの。タイミングというものがあるんですの」


 そんなことを話している二人の後ろでは、鋼燕が燕と刀祢のロープをほどいていた。


「無事か、燕!」


「うん、ごめんね~父さん」


「何を言うか。少し待っていろ。すぐにあのピーコーを――」


 家族を危険な目に合わされて当然感じている怒りから、鋼燕は天見を倒そうと一歩踏み出したが、それを遮って燕と刀祢が前に立つ。


 そのことに、鋼燕が目を丸くして疑問符を浮かべる。


「あの二人の邪魔をしないでね~」


「すみません、お父さん」


「貴様にお父さんと言われる筋合いはない!」


 呆けていても、そこには敏感に反応してツッコミを入れた。刀祢は残念そうに笑って口をつぐんだ。


「どういうことだ?」


「どういうことですの?」


 どうして人質だった二人が天見に協力するような態度を取るのか分からず、鋼燕と飛燕から同じ質問が出た。


「つまりはこういうことですよ。両家の根深い確執に魔断大帝があるのなら、いっそのこと無くなればいい」


 刀祢の最善は明暗月夜流に二つそろうことだった。そして次善は明暗月夜流だけに一つあり、もう一つを取り戻すというものだった。


 それに対して天見の第三案――ゼロにする。


「俺が勝てば、魔断大帝をもらいます!」


 かくして、第三回大天魔武装大会最後にして、最大の戦いが始まった。

 ようやく、ラストバトルにたどりつきました。長かった。というか、頭を使いました。誰だよ、明暗月夜流に秘技を作って隠れ二刀流にした奴、俺だ!

 とにかく、後はもう天見を勝たせて回収してエンドです。そして、倒す相手は飛燕です。鋼燕の方は燕と刀祢が足止めしておいてくれますから。

 あとどれぐらいで片がつくかな。書いてないから分からないや。

 それでは次回予告。天見VS飛燕といきたいところですが、当然飛燕側から明暗月夜流の使用許可なんて出るわけない。こういう時はそう、コピー魔法使いとしての輝かしい戦歴からの魔法を活用しましょう。

 では、また来週です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ