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コピー魔法使いのローファンタジー  作者: 春花
決戦! 全力のコピー
46/100

コピーVSハッカー

 今回と次回はクライマックスでちょっと長めです。

(天見のコピー魔法ストック状況)

 1、原初の光輪 2、双爆輪唱 3、平和の象徴 4、剣樹林 5、緋槍・武闘 6、著作権フリー、闇の矢 7、木々怪々 8、紅雨 9、羽松 10、寂静火壁・焔 11、木葬

 天見の笑い声が空間に響く。体をそらし、思いっきりの狂気染みた高笑い。見ている者に不気味さと近寄りがたさ、聞く者に震えと恐怖を引き起こさせる。


 現に目の前にいる崑崙は先程より天見から距離を取り、どうすればいいか困惑している。声はかけたくない。誰かに相談することもできない。本当に神はとんでもないことに巻き込んでくれた。神の試練だとしても難易度が上級者過ぎる。


 ピタリと、急に天見の笑い声が止んだ。


 勢いをつけて上体を戻す天見。喜悦に顔を歪ませ、吊り上った目は凄絶を極め、鬼気迫る雰囲気を全身から噴き出していた。


 魔法が好き過ぎる天見にとって、魔法を使うということは特別なことだ。魔法が使えるというだけで、今までの人生を捨てて体一つで異世界に来るまでの人間なのだ。


 そんな自分のことを天見はよく知っている。


 自分が好き勝手に魔法を使えたらとんでもないことになる。バカにハサミを持たせるようなものだ。と、過去にマジメに言っていた。


 だから、ベリメスが魔法を管理することに文句はないし、著作権法でコピー魔法に制限がかかっていても構わないし、理性でもブレーキをかけている。


 しかし――しかし! 今は違う! 手元にある『赤の書』。自分と相手しかいない特設の異空間(つまりは治外法権!)。ブレーキが二つも吹っ飛び、か弱い理性で欲望を止めることは不可能。


「~ぁ~はぁ~……いや~、悪い。少し興奮していた。こんな機会を用意してくれて感謝する」


 興奮から覚め、元に戻ったとは言い難い。まだ天見の目は爛々と異常なほど輝いている。


 自分とは全く違う考えに、崑崙の切れ長の目は天見と逆に冷たく落ち着いてくる。


「……分かった。おまえはいかれているね」


 再び崑崙は半身になって構える。


 開始の合図なんてなかった。だが、もう始まっている。


「ナンバーエイト、インストール!」


 天見の声に反応して、モノクルのフレームが赤く点滅する。


「コピースタート! 紅の時雨に空よ染まれ――朱雀宝門流(すざくほうもんりゅう)紅雨(こうう)! Ⓒファイナ=グリューテイル!」


 天見が指を十字に切った後、崑崙の頭上から火球の雨が降り注いだ。


 崑崙の周囲にモザイク処理された文言が展開した後、現れた炎の蛇が胴体で全ての火球を受けた。そして何事もなかったように、炎の蛇は螺旋を描いて天見へと迫る。


「ナンバーナイン、インストール!」


『赤の書』を背中とズボンの間に差し入れ、弓の弦を引き絞ると闇の矢が番えられた。


「漆黒の翼羽ばたかせ、幾日も空を飛び続けろ! ――(ぎょく)()流、()(しょう)! Ⓒウィガン!」


 放たれた数十条の矢に撃ち抜かれ、炎の蛇は空気中に霧散した。


 だが、その時にはすでに天見の周囲はツララで包囲されていた。


「ナンバーテン、インストール! コピースタート!」


 崑崙が拳を握りこむのと、天見が腕を振るって地面に炎の円を描いたのはほぼ同時だった。


「一切を通さぬ炎の断絶! ――朱雀宝門流(すざくほうもんりゅう)寂静火壁(じゃくじょうかへき)・焔! Ⓒファイナ=グリューテイル!」


 炎の円が垂直に上がり、出来た炎の壁にツララは溶かされていく。


 炎の壁が役目を終えて消えた後、先端が鋭く尖った木が襲い掛かってきた。


(前回より、やたらに回転が速い!)


 追撃の魔法が早過ぎて対処の魔法が間に合わず、天見はその場から飛び退いた。だが、柔軟に動く木は一本だけではない。避けた先に待ち構えるように他の木の一撃が来た。


 体をひねるようにジャンプをして、その木に飛び乗った。


「これを、待っていた! ナンバーフォー、インストール!」


 荒々しく動く木から振り落とされないよう、天見は片手で必死にしがみつきながら文言を唱える。


「大地に根ざし、息づく生命! 無慈悲なる自然の暴威を旅人に示さん!」


 他の木が一斉にしがみつく天見を狙って迫る。すでにビルの十階ほどの高さにいた天見だが、躊躇なく木から手を放し、落ちることで攻撃を避けた。そして、落ちながら眼前で五芒星を指で切り、手の中に作り出した木の枝を地面に向かって投げ、突き刺した。


「剣樹林! Ⓒイワナ=ストック!」


 自分の作った木に乗り直し、天見は樹上から崑崙を見下ろす。


 二人の手と意思に連動して、木が動いていく。だが一方的に崑崙の木の方が力負けし、破壊されていく。


 全ての木を破壊し終わった天見は、木で円錐状にとぐろを巻かせて崑崙を包囲する。その螺旋の隙間は大きく、体を通そうとすれば通せるほどだ。だが、だからこそ先端が鋭い木も突きこめる。


 崑崙がそこから這い出てくる前に、天見は十本の木で突き刺した――次の瞬間、木々は竜巻に吹き上げられ、散り散りに飛ばされた。


 効果時間が終了した木が地面に戻り、天見は地面に立ち、傷一つ負っていない崑崙と向き合う。


「何でおまえは文言と発言を使わずに強力な魔法を使えるのか……何でおまえの魔法はコピーできないのか考えた。まず、文言と発言を必要とせず魔法を発動できるのは、俺と同じく何かしらの神器を神からもらったんだろ? 俺のもそうだけど、神器は反則的な性能だからな」


 天見はモノクルを触りながら、崑崙の左腕に装着されている流線型のガジェットを見る。体内に染色された〈粒子〉を持たない天見達が魔法を使うには、色々と道具の力を借りないといけない。


 あのガジェットがそれだと、天見は睨んでいる。


「そして、今の剣樹林のぶつけ合いで分かった。おまえの魔法はチップのデータ分しかない劣化コピーだ。だからコピーできない。文言や発言がないとか以前の問題だ」


「そうね」


 あっさり肯定されて、天見はどこか拍子抜けする。


「隠すことでもないね。どうせもうすぐ元の世界に帰るんだからね」


 間接的に勝利宣言され、天見は面白くなさそうにムッとして話を続ける。


「以前見た劣化コピーのチップより格段に出来がいいけど、どうやって手に入れた? 聞いた話だと、コピーガードがあるため本人の許可が無ければ、チップからでも完璧にデータをコピーするのは難しいって聞くけど」


 崑崙は喉の奥で笑わずにはいられなかった。


「おまえなら、名乗ったら分かってくれるはずね」


 崑崙は左腕を立て、ガジェットからクリアのキーボードを出現させる。


「俺の名前は李 崑崙。ハッカーね」


「『ハッカー』!? ハッカーってもしかして、あのパソコンを使って不正にサイトにアクセスする……アレ?」


「随分と大雑把な認識だけどまあそれね…………さてはおまえ、機械に疎いね?」


「うっ」


 図星だった。天見は日本にいた時、パソコンはネットを見るぐらい。ネット通販もしたことがないし、紙の本が好きだから電子書籍も利用しなかった。携帯電話も電話とメールとアラームしか使っていなかったほどだ。


「そんなんどうでもいいだろ。それよりおまえ、まさか著作権法に登録しているデータから直接抜いてきたのか?」


「出所なんてどうでもいいね。さっさと勝負を着けるね」


「よくは知らないけど、それって違法じゃないのか? それに、一応教えておいてやるけど、違法にコピーされたものと知っていて違法チップを使うと罰せられるぞ」


「知ったこっちゃないね」


 この次から次に疑問を口にする天見。知識欲が大きい自分との共通点を見つけてしまって、崑崙は非常にやりにくさを感じていた。


 これ以上の馴れ合いを拒否するように、崑崙はガジェットにもう一枚のチップを入れる。


「太陰対極図法、起動!」


 それを聞いて、天見の脳内に黒と白の勾玉が合わさった図が浮かんだ。よくマンガとかで目にする図なので、すぐさま思い出せたのだ。


 崑崙の周囲に二重で出現するモザイク処理された文言。


「起動!」


 崑崙の掛け声で放たれた魔法は竜巻の中を多数のツララが旋回し、天見に迫るものだった。


 すぐさま天見は防御の魔法を使おうとしたが、直感的にそれをやったらダメだと思った。


「ナンバーイレブン、インストール! コピースタート! 木の鼓動をその身に宿せ! 林覇流、木葬(もくそう)! Ⓒイワナ=ストック」


 口早に魔法を唱えた天見の全身を木々が囲い込む。


 竜巻に巻き込まれて吹き上げられた木の塊は暴風に翻弄され、ツララが突き刺さり、しまいには激しい回転で弾かれた。


 地面に叩きつけられた木の塊が効果時間を終了して解かれると、フラフラの天見が青い顔して口元を押さえていた。


「……酔った……」


 もし天見が『寂静火壁・焔』で防御していたなら、まず竜巻で炎の壁は消し飛ばされ、旋回するツララを防ぐ手立ては無く、ぶっ刺されたあげく竜巻に吹っ飛ばされていただろう。そうなれば、酔ったどころではなく生きているかどうかの問題になったはずだ。


 崑崙はのんびりと天見の体調が治まるのを待つ男ではない。


 チップを二つとも入れ替え、すぐさま文言を二重に展開させる。


「起動!」


 一気に十人に増えた崑崙は天見へと肉迫する。


「ナンバーフォー、インストール!」


 天見の声に反応して指輪が渦巻くように〈粒子〉を集め、


「大地に根ざし、息づく生命! 無慈悲なる自然の暴威を旅人に示さん!」


 眼前で五芒星を指で切り、手の中に作り出した木の枝を地面に刺した。


「剣樹林! Ⓒイワナ=ストック」


 天見を守るように周囲から四方八方に向けて木が向かう。だが、崑崙達は全員が素早い動きで避け、樹上に飛び乗って天見に迫ろうとする奴もいた。


 明らかに身体能力が上がっていた。


(分身の上に、体属性の強化付きか)


 数の上では二本ほど天見の方が優位だが、全く捉えることができない。


 木の隙間を駆け抜けてきた崑崙の拳をしゃがんで避けた。が、追撃のミドルキックまでは避けられなかった。地面を転がりながらようやく止まった天見は、咳き込むように吐いた。


 一人に戻った崑崙が天見から距離を取って立つ。前回の失敗からそう簡単に距離を詰めるようなことはしない。


「……太陰対極図……黒と白の勾玉が合わさった図で、黒の大きな所にも白の円があり、白の大きな所にも黒の円がある……相反する二つでも分けることはできない……」


 うずくまったまま声を搾り出す天見に、崑崙はちょっと驚いた。


「意外ね。日本人には馴染みがないと思っていたけどね」


「いや……マンガではポピュラーだから。魔法ものでもたまに出てくるし」


「なるほどね」


 納得して頷いてから、


「その理論を応用した太陰対極図法は二種類の魔法を組み合わせる技法ね。相反する代表格の光と闇でも問題なく組むこともできるね」


 丁寧に説明する。それはこの状況になり、問題なく自分が勝つと確信しているからだ。


 うずくまっている天見の肩が震え出した。ダメージによる痙攣とは思えない。あまりの戦力の違いを嘆いているのかと思ったが――。


「いい! すごくいい! 俺の好みじゃないけど、コピー魔法同士を組み合わせて威力を上げるなんて、すごいコピー魔法使いっぽい!!」


 飛び上がる勢いで立ち上がった天見は、満面笑顔で崑崙を絶賛した。


 あまりのことに、崑崙はあんぐりと口を開けた。


 大仰に腕を広げて喜びを体で表現する天見は、


「やっぱりそれもまたコピー魔法使いの一つの姿! 華だよな! 厳密にコピー魔法使いって言えるかどうかは分からないけど、ハッカーを名乗っているんならむしろ当然の姿か!? あ~、テンション上がってきた~! うなぎ上りの青天井で!」


「敵が強くて喜ぶなんてどうかしているね。なぜ喜べるね? この勝負に負けたらおまえは魔法を失うはずね」


 おしゃべりはしたくないと思っていた崑崙だが、さすがに聞かずにはいられなかった。理解でき無さすぎて知識欲が止められない。


「それがどうかしたのか?」


 笑いつつ答える天見の方だって止められない。


「確かに魔法を失うことは恐怖以外のなにものでもない。だが、そんな未来のことに恐れて――俺のことを考えて! 目の前の魔法の事象を喜べないなんて…………魔法に対して失礼!!」


 魔法至上主義を!


「…………おまえは、一体何者ね……」


「俺はコピー魔法使い水鏡天見!」


 天見は左手を顔の前に持ってきて、指輪とモノクルを崑崙に見せつける。


「コピー魔法使いの美学一つ! 工夫はしても変質させるな! 魔法使いに敬意を表し、大きさは変えても姿や効果は変えない! ナンバースリー、インストール!」


 天見の声に反応してモノクルのフレームが白く点滅する。


「〝縮小〟コピースタート! 五〇%!」


「〝縮小〟!?」


 驚く崑崙を放って、天見は掌を空に向ける。


「雨上がり、晴れ渡る青空に映える白。天空に浮かぶ雲に、自由に飛び立つ鳥の姿――平和の象徴(デザインオブピース)! Ⓒシャロン=ニスレスト!」


 天見の掌から飛び立ったのは、数十羽のスズメサイズの小さな鳥だった。


「本来は攻撃用の魔法じゃないんだけど、俺達にならそれなりに効くだろ」


 天見が操る鳥は従来のものとそれほどスピードは変わらないが、サイズが小さくなっているので視界から消えやすかった。


 崑崙はガジェットにチップを二枚入れ、モザイク処理された文言を展開させる。


「起動!」


 発動した魔法は、崑崙の周囲に黒い球体を数個配置させた。


 あらゆる方向から飛来した輝く鳥達は、黒い球体に引き寄せられて消される。それに対応して鳥達は密集して真上から攻める。黒い球体にはぎ取られながらも、中心に残った鳥の一撃に崑崙の脳天が揺れた。


 崑崙はその一撃を覚悟していたのか、黒い球体の一個を天見へと放っていた。


「ナンバーセブン、インストール!」


 声に反応して、モノクルが茶色く点滅する。


「コピースタート! 我は宿り木。おもむろに乱立せよ!」


 天見は一つ手を叩き、体を一回転させて跳んで黒い球体を避けた。


(りん)()流、木々(きぎ)怪々(かいかい)! Ⓒイワナ=ストック」


 黒い球体に引きつけられそうになる体を、足と手から生やした枝を地面に刺して耐え、球体はそのまま飛んでいった。


 それから天見は攻撃の手を緩めず分身した崑崙を見て、すぐさま『赤の書』を開いた。


「ナンバーエイト、インストール! 〝拡大〟コピースタート! 三〇〇%!」


 天見の声に反応して、モノクルのフレームが赤く点滅する。


「紅の時雨に空よ染まれ――朱雀宝門流(すざくほうもんりゅう)紅雨(こうう)! Ⓒファイナ=グリューテイル!」


 天見が指を十字に切った後、頭上から巨石大の火球の雨が降り注いだ。


 最早避けるとかの次元ではなかった。分身の崑崙はその巨大な火球に呑みこまれたが、本体の崑崙は自分の周囲を半球状に放電する魔法で防いだ。


 雷の魔法はさらに地面を這い、電撃が天見を貫いていった。


 全身を駆け巡ったショックで声も無く倒れそうになる天見は、足を一歩踏み出して倒れるのを拒否した。そして、その足を踏み込み足に使って崑崙へと猪突する。


「ナンバーツー、インストール! コピースタート!」


 指輪が渦巻くように〈粒子〉を集め、


「二頭一対の理に爆砕せよ!」


 輝く左腕を掲げた。


 天見と崑崙の間に、土壁が何枚も出現する。その最初の壁に対して天見は踏み込み、


「双爆輪唱!」


 構わず壁に拳を叩きこんだ。


 爆炎が次々に壁を貫き、最後の壁を突破して崑崙を吹っ飛ばした。


 しかし、ごっそり威力が削られていたので崑崙はすぐに起き上がった。


「俺のパートナーが心血注いで作っている魔法だ。なめんな」


 それだけ言って、天見は膝をついた。かなり激しく肩で呼吸をしている。


 崑崙の方も立ち上がったのはいいが、全身に残る炎の熱気で常に体力を削られている。


 体内に〈粒子〉を持たず、魔法に耐性がない二人は数発魔法を喰らっただけで満身創痍だ。次に魔法を喰らったら根性やテンションでも耐えられないだろう。


 崑崙はガジェットにチップを二つ入れ、天見は弓を構える。


 互いに近づかない勝負。これはとっても魔法使いらしいと、思わず天見の口元が緩む。


「ナンバーナイン、インストール! 〝拡大〟コピースタート三〇〇%!」


 弦を引き絞ると、闇の矢が番えられた。


 崑崙はその選択が当然だと思った。当たれば倒せる。ならば当たり判定を大きくし、手数を増やす。自分だってそうする。


 崑崙の周囲に複数体の炎の蛇が現れる。残念ながら天見と違って大きさを変えることはできないし手数も負ける。が、一発の威力は崑崙の方が上である。闇の矢を全て炎の蛇が呑みこみ、そのまま天見も呑みこむのが狙いだ。


「漆黒の翼羽ばたかせ、幾日も空を飛び続けろ! ――(ぎょく)()流、()(しょう)! Ⓒウィガン!」


 放たれた漆黒の巨大な矢は数を増やし、崑崙の視界一杯に広がる。逃げ場はない。だが、問題もない。


 放たれた炎の蛇達は大きな口を開け、闇の矢を呑みこもうとする。


 その、まさに、刹那の激突の瞬間!


「キャンセル!」


 全ての闇の矢が消えた。


「ナンバーシックス、インストール! 〝縮小〟コピースタート二五%!」


 素早く放たれた著作権フリーの闇の矢は、その前の闇の矢を迎撃しようと広がっていた炎の蛇の間をぬって、崑崙の胸に突き刺さった。


 あまりに小さい闇の矢は、崑崙の目で捉えることはできなかった。


 天見の眼前にまで迫っていた炎の蛇が〈粒子〉へと戻る。


「災難だったな。俺がコピーしたオリジナルの魔法使いは『魔弓』とまで呼ばれる正確無比の狩人。威力が上の魔法ですら、当てる角度を計算して著作権フリーの魔法で逸らしてしまう腕前。広がった魔法の間を抜くことなんて、簡単なんだよ」


 仰向けに倒れた崑崙の胸から、闇の矢が〈粒子〉に戻る。


「魔法に優劣はない。上級魔法ばっか集めたって勝てるとは限らないんだ」


 天見は高々と左腕を上げ、


「これが、コピー魔法使いだ」


 勝ち誇った。

 天見に自由にやらせました。私が変に解説・後付するのも野暮なので、今回は特にストーリーにするコメントは無しです。一言、すっごい私は書いていて楽しかったです。

 第二部もエピローグを入れて残り二回になりました……そうです。次回がエピローグではありません。

 それでは、次回予告! 全てが終わった。固唾を飲んで見守っていたファイナ達の前からも映像出す球が消えた……しかし、天見と崑崙が帰って来ない!? あの空間に閉じ込められた二人。周到に用意された場はベリメスですら手が出せない。しかし、閉鎖された異空間で天見と崑崙は神に挑み、神に近づく!!

 次回更新は来週の金曜日です。色々と解説する回になります。

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