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闇の中にて僕は輝く。  作者: udakuda
第三章 冒険は、始まらず。
54/59

47 ☆  ーーγ δ

書き溜めがなくなってきました……orz


学校行かないと減るみたいです……


あと、最初の方の無理設定と文章量のバラバラさをどうにかしようと思ってます!


……その前に宿題ですが……orz

 「あ、そうだ。今日マキにパンを作ってもらいたいんだ。」

 「え、今日? 急だねー。」

 「あー、そろそろ本気を出そうと思ってな。とりあえずあんパンを作ってくれ!」

 「わ、わかったけど……それで何をするの?」

 「秘密だ。」

 「それから、あんパンがあると本気が出るって言ってたけど、どのぐらい強くなるの?」

 「秘密だ。」

 「……じゃあ、今日はどこへ向かうつもり?」

 「秘密だ。」

 「秘密だ、秘密だ、って言われてもわからないから! 困るから!」

 「秘密だ。」

 「脈絡がわからない!」

 「イッツア、シークレット。」

 「英語になっただけ!」

 「……英語って何だ?」

 「ツッコミどころそこ!? えっと……英語は母星の公用語みたいな感じのものかな。母語じゃないよ。」

 「へぇー、国によって言語が違うのかー……。世界は広いなぁー……」

 そう言いながらアルサルは目を逸らす。

 「……って話を逸らさないでよ! 本気を出すって、今日はどこ行くの!」

 「このコーンパンはおいしいな。」

 「当たり前ですよ。だって真輝が師事したマキナのパンなのですからね。」

 「僕の話は無視!?」

 「無視なんかしていないのだが。別に秘密にしといた方があとあと楽しそうだしな。」

 「あー、なるほど。そういうことか。」

 言いくるめられた気も無くはないけど、納得できた……ような気がする。




 ◇◆◇◆◇◆




 「まずは窯を作ろう!」

 「そこからなんですか!」

 「うん。そうだよ。あのキッチンには窯がなかったから、僕はパンが焼けないんだ。」

 「別にオーブンで焼けば良いじゃないですか!」

 「ほう。まず僕にオーブンを作れと。無理でしょう。」

 「あれ、オーブンって無いんですか、真輝?」

 「今だけ、先生と呼びなさい。ふょさん、どうしたんですか?」

 「オ、オ、ブ、ン、は、な、い、ん、で、す、か、先生?」

 「もちろんだ。この世界の技術水準でそんな高度な物を求める方が愚かであろう。」

 「はい、わかりました先生。では、洗濯機はあるのに何故オーブンがないのでしょうか?」

 「知りません。そういうのは、もっと物知りな賢者様に聞いてください。」

 「わかりました、先生。これから、どうするのですか?」

 「この雲一つない青空!」

 「絶好の曇天日和ですが。」

 「肌を撫でる爽やかな風!」

 「じっとりとして淀んだ空気ならありますが。」

 「隣にはグラマーな美女!」

 「そうでしょう、そうでしょう!」

 「そこは、否定しなさい!」

 「はい!」

 「よろしい。では、まず“クレイ”を用いて粘土を作ります。〈クレイ〉」

 「おお、先生。流石ですね!」

 「もちろんです。さて、“クレイ”を用いてたくさん出てきた粘土は少し水分が少ないので、“ウォーター”で水を追加します。そこの空き地に“ウォーター”を出すのでふょさん、どいて下さりますか?」

 「もちろんです、先生。」

 「よろしい。では、〈ウォーター〉」

 「水ですね!」

 「ただの水に見えますが、疲労、状態異常、HPの回復もできる優れものの水なんです。」

 「わお! 驚きの性能ですね! お値段の方は……?」

 「普段は1000ルナのところ……今日はおまけで500ルナ! 今ならなんと、割れにくいポーションの小瓶つき!」

 「おお、それはお買い得ですね!」

 「って、違う! 今は通販番組じゃない!」

 「……ニャパネット高◎じゃないんですか?」

 「違うよ! 異世界に来てまで通販番組なんてやりたくないよ! さて、パン作りもとい竈作りを再開します。」

 「わあ、まきせんせーに戻ったー。」

 「まず、水で粘土の粘りけを調節します。混ぜるのは風の魔法を使います。」

 「ほうほう!」

 「ふょさん、汲むのを手伝って下さい。」

 「わかりました。」



 鳩が三回鳴いてから。



 「よし、出来ました。なかなか質の良い粘土が出来ました。次は形成に入ります。」

 「わかりました。」

 「縦10センチ、横16センチ、厚さ4センチでレンガを作ります。出来上がった物は草の上に乾くように置いておいて下さい。」

 「了解です!」



 カラスが三点リーダーを数十個引っ張っていったのち。



 「完成です。これから、“ファイヤー”で焼きます。〈ファイヤー〉」

 「えと、どのぐらい焼くんですか?」

 「じっくりじんわりと3日間ちょいだ。ま、飲み物を飲んで落ち着きたまえ、ふょ君。」

 「ま、その前に食料は尽きそうですけどね。」

 「なっ、何ぃ! ふょ君、それは真か?」

 「はい。」

 「では、もう少し火力を上げよう。〈ファイア〉」



 暁の空に剣の風切り音が響く中。



 「さて、出来た。後は積み上げるだけだ。パンの種はもうできているから、あともうすぐだな。」

 「……情報の交差点(インターセクション)!」

 「わぁ! ふふふひふょさんが増えた!」

 「さあ、さっさと終わらせましょう!」



 赤い月が顔を出しかけた頃。



 「よーし! パンを焼くぞぁー!」

 「もう、夜じゃないですかっ!」

 「あともうひと踏ん張り、頑張ろぇー!」

 「……ああ、もぅ!」



 日が変わろうとしていた時。



 「完せーだぁー…………(バタッ)……ZZZ……ZZZ……」

 「出来たのは良いのですが、これ、あのあれに似てません? って寝ないで下さい! まだ歯磨きもしてないでしょう!」

 「……………………むにゃ」

 「……良いです! わかりました! 歯磨きもワタシがやりますし、ベッドにも運んであげます! 今日はっていうか、過ぎてますけど、たっぷり休んで下さい! 情報の交差点(インターセクション)っ!」

 ワタシが大量にワタシから出てきて、真輝の体に群がった。小型化して口内に入るもの、普段の大きさでえっちらおっちら運ぶもの色々ある。

 ワタシはそれを少し見届けたあと、竈の上に腰かけて空を仰いだ。雲がうっすらと月にかかっていて風情がある。

 明日はきっと晴れるでしょう。

 ぐぅと小腹が空いたので作ったパンの失敗作をちょっぴり失敬して口の中に入れた。


 なかなか美味しいじゃないですか。


 再び月を仰ぎ見る。

 サラリと髪を揺らす涼しい風が吹いた。

 今、このまるで生娘の頬っぺたのような月を見ているのは堕フェアリーであるこのワタシと、この愛と勇気だけが友達な英雄(ヒーロー)だけなような気がしますね。


 「運命は変えられますか?」


 その言葉は夜風に溶けていった。


あと一話でこの章は終了する予定です。


よろしくお願いします。

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