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闇の中にて僕は輝く。  作者: udakuda
第三章 冒険は、始まらず。
49/59

42 ☆  ーーγ δ

 「おっ、どうだったんだ?」

 アルサルが戻ってきた。

 ふぅ、危ない危ない。【魔王への道端】についてのことが聴かれるとこだったよ。

 「レベル9に上がってたよ!」

 【魔王への道端】は隠していく方向で。

 「れ、レベル9……強いな。」

 「ん? どういう意味?」

 「……どうも、こうも、俺がレベル17に達するのに2ヶ月掛かったんだぞ! ふざけんな!」

 今にも殴りかかってきそうな剣幕で捲し立てた。

 「い、いや、ふざけてないよ?」

 「いんや、ふざけとる。俺だって、勇者特典でレベルが10%増しで上がりやすいんだぞ! それも俺の前世が頑張ってレベルを…………って! あっ! マキ! あの、缶バッヂ(・・・・)何回(・・)着けた?」

 「えっとぉ……」

 もらった時から、ほぼ毎日付けていたんだよなぁ。遅刻も、あれ付けて走れば免れたし、スポーツテストの結果も力を抜いても良かったし。

 もらった日は2月の中旬だったから、今は、変わってなければ7月の上旬で。毎日付けたと数えると……?

 あれ、わかんないや。

 落ち着いて、もう一度計算を……

 アルサルが待ってるよね、早く計算しなきゃ。

 えーと、あれ、いつもらったんだっけ? 2月26日? 違うわ。それは乃子と付き合い始めた日だ。えーっと……そうそう、2月の中旬だったな?えーっと、今は……

 「今日、何日?」

 「ん? 今日は水の暦のニ月目(ふたつきめ)の第三日だよ?」

 「ありがとう。」

 えーと、今日が多分七月三日だとして、もらったのは、二月の……何日だったっけ?えーっと、えーと。

   えーっと、えーと  何にしますかー?

   えーっと、えーと  何にしますかー?

   えーっと、えーと  何にしますかー?

   えーっと、えーと  早くきめてくれー

   たまご下さい    たまごひーとーつー

 ……って! コンビニ歌うな!

 そこ、脳内スタッフ! 脳内ソングをエンドレスでかけるな!

 ふぅ、危ない危ない。

 集中を乱すところだった。

 えーっと、何を考えてたんだっけ?


 ……………………。


 ……………………?


 ……………………!


 ありがとよ、脳内スタッフ!!

 計算結果を教えてくれて!

 「はい。取得経験値が207%増えます。」

 言われたままに答えてみた。

 「……207回も付けたのか…………。3倍、3倍、か……」

 ……落ち込ませる要因があったらしい。

 「……3倍ってどういう意味?」

 「ああ、レベルが207%、つまり人の3.07倍、レベルが上がるのが早いってことだよ。嗚呼、世界は広いなぁ……。」

 「……でも、50レベルになったら、多分、上がらないんでしょ?」

 「……まあ、そうだが、50レベルまではすっごい上がるんだぞ? 50レベルからも、普通には上がっていくんだから。ずりーな。チートだ、チート。」

 「あっ、ゴメン……」

 「ま、謝ることはない。……むしろ頑張れ。俺は勇者だから、魔王を倒しに行くんだけど、一緒に来るだろ?」

 「う、うん……」

 「本当に?

 「うん!」

 「ありがとな。ついて来てくれて。……パンも頼むな。」

 「? ……パンって何に使うの?」

 「一種のステータス上げ?」

 「へー! すごいね!」

 RPGとかで役に立つよね! 食べるとステータスが上がるやつ!

 「マキも、戦闘には慣れただろ?」

 「まだ、馴れてないけど……」

 「大丈夫だ。次の街ぐらいだったら行ける。その間で戦闘に慣れればいいさ。じゃ、次の街に行こうか。ほら、行かないのか?」

 草原の向こうを指さしながら、手をさしのべられる。

 えっ……

 「や、ちょっと急すぎないかな〜って思っただけだよ。」

 「なら、大丈夫。物資は沢山調達してきた。5日分はある。これでOK?」

 「心の準備が……!」

 「今出来た。」

 「マキナさんにあいさ……!」

 「もう済ませた。のー、ぷろぶれむ。」

 「あのピザがもう一度食べたい!」

 「買ってある。」

 ……と言われても、アルサルはほとんど何も持っていない。

 「何処に!」

 「ここに。」

 ブワサァーと広げた真っ赤なマントの中には、小さいくすんだ皮袋があった。

 ピザなんて、1/4に折り畳まないと一枚も入らない程に。

 「これのどこに入っていると言うのさ!」

 ああ、もうファルツ村に帰りたい。だけど、道を知らないから帰れない〜♪

 「ほら。」

 「うわっ!」

 本当にピザが出てきた。

 まだ、若干温かそうな。

 ジュルリ、よだれが出てきた。

 「……食べていい?」

 「ダメだ。これは今日の夕食だ。」

 残念だ。

 「……それって、四次元ポケット?」

 あるなら欲しい。

 「なにそれ?」

 ポンコツ青狸なんて、知ってる訳ないよね。

 「あっ、知らないか。それは、何?」

 「これ? これは道具袋だよ。」

 まんまだね。

 「何でも入れれるの?」

 「ああ。マキも冒険者になったら、もらえるぞ。」

 冒険者って、冒険者ギルドに入ってる人だよね。

 「やったあ!」

 「次の街には冒険者ギルドがあるんだよな。そういや、マキ、お金返せよー?」

 「わ、わかってるよ!」

 「お金の切れ目は縁の切れ目、ですよ?」

 いつの間にか僕の導きの石に戻って、いつの間にか出てきたふょが言った。

 「それ、意味が違うから。」

 はははと笑い声が広がる。




 楽しい?

 どうだろうか。




 白い雲が太陽を横切っていった。

 辺りが墨を引いたように暗くなった。

 でも、すぐに後ろの方から明るく、日が差している。




 地球に戻れる条件は、もしかしたら、“魔王を倒す”かもしれない。

 ――――だから、乃子。




































 待っててね?――――




 ◇◆◇◆◇◆




 僕の、いや、“僕たち”の冒険は始まったばかりだぜ!!!


 ……なーんて言ってみたりしてみたかっただけだけど。


今日は主人公の誕生日(という設定)だったりします。


まだギリギリ小説内の時間の方が早いです。追い抜かされるのも時間の問題だこりゃ。




次回の更新は……土曜日にできるといいな!

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