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闇の中にて僕は輝く。  作者: udakuda
第三章 冒険は、始まらず。
44/59

38 ☆  ーーγ δ

語り部:ふょ

 「ふ、ふふ……ふひょ?」

 「ちーがーいーまーすー! ふょです。」

 ワタシの名前を間違えるなんて、ダメですよ。何てったって、ワタシはピクシーなのですから。

 「ふょちゃんかー(はーと)」

 アルサルさん……というそうですね。

 さっきから、発音練習していると思っていましたが、このためだったのですかー。のどがいがらっぽいのかと思ってましたー。

 「ふょちゃんはピピ、ピクシー……な、なのかな?」

 「はい、そうですよ♪」

 ワタシは真輝(・・)と話がしたいのです。

 「本当に! マジでっ! 本当に? うわー! 俺、勇者で本当に良かった〜!」

 そんなのはどうでも良いですから。

 ちっ、泣き出しましたか。面倒臭いですね。勇者なんて、さっさと役割を果たせばいいーんですよ。魔王を倒してめでたしめでたしでいいじゃないですか。早くワタシは真輝と話がしたいのです。

 「あなた〜! パンが出来ましたわよ〜!」

 また、厄介そうな者が出てきましたよ?


 目が合った。

 ピシッ――

 空気が凍った――――


 何この昼ドラよりは濃くはないけど、複雑な空気は!

 しかも、ワタシが中心だなんて最悪です!

 あ、真輝の目が、回ってる。

 ふふ、おっかしー。


 「かくかくしかじかでこうなりました。」

 「ほうほう。こういうことがあったのね。」

 何だろう、カクカクシカジカって。

 カクカクシカジカーー? ……カクカク♪シカジカ♪四角いムーブ♪

 あっ、これですかー。

 カクカクシカジカは地球のCMソングという訳ですね。地球に出張へ行ったときに聞いたんですよ。

 でも、何で地球のCMソングを歌うのでしょうか。

 「ピクシーかぁ……。ふんっ、なによっ、私よりそのピクシーの方が好きな訳?」

 いや、よっぽどあなたを溺愛していない限り、不可能ですよ。

 「…………。」

 アルサルは泣いています。

 ワタシ、そんなに偉くないですよ?精々、髪の毛レベルですし。ワタシは堕フェアリーですからね。

 「なによー!」

 マキナが涙目で叫びまましたー!

 まだ、アルサルは泣いているのです。

 ワタシは、真輝と話がしたいだけですし。

 「まあまあまあまあ、落ち着いて落ち着いて。」

 真輝が助け船を出してきましたが――――

 「黙「っていなさい。」れ」りなさい。」


 うるさいです。

 黙っとけです。

 今から、女同士の醜い争いを繰り広げるつもりなので、真輝とアルサルはどっか行ってて下さい。

 アルサル!

 いいかげん、服の裾から手を放しなさい!

 もう、充分でしょう!

 動きにくいんです!

 なんで、まだ話してくれないんですか?

 真輝も部屋から出て行きませんし。

 もう、しょうがないですね。

 最終手段を使いましょう。

 「情報の交差点(インターセクション)――――!」

 「?」

 近くにいたアルサルはワタシが何か呟いて何故と思ったでしょう。

 これは、ワタシの魔法……魔術? ……いえ、魔法ですね。

 ああ、ワタシの体がだんだんと軽く(・・・・・・・)なって来るのがわかるのです。

 ほら、そこにはたくさんの式神(・・)が――――!

 ワタシはそれを操ってアルサルと真輝の体に入り、少々血流を止め、二人の意識を奪い、ワタシ(・・・)にそれを運ばせました。


 お分かりでしょうか?

 ワタシの能力は増殖能力。ワタシの今の体重は、まだ2トンぐらい残っています。



            さあ、始めましょう。


            醜い醜い女の闘いを。


            わからせてあげましょう。


            人がワタシに逆らう愚かさを――――




 …………そして、終わったら、この状況を引き起こした真輝に八つ当たりでもしようかしら?


ピクシーは幸せを運ぶ存在なんだとか。(ファルツ村の村長談)

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