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闇の中にて僕は輝く。  作者: udakuda
第三章 冒険は、始まらず。
43/59

37 ☆  ーーγ δ

語り部:姫野 真輝

 OK?

 Here(さあ) we go(始めよう――)



 「で、あなたは誰ですか?」

 「お願いします〜!捨てないで下さい!」

 「あなたは誰ですか?」

 「捨てないで下さいね?」

 上目遣いで見つめてくる。

 「あなたは誰?」

 「ずぇったい、役に立ちますから、捨てないで下さい〜!」

 これほど話が噛み合わないことってないよ?

 捨てないでほしいってことはわかったけど、他のことはさっぱりわからん。

 仏の顔の真輝と言われたことのない(・・・)僕は、かなり怒っていた。

 「……話を聞いてくれないから、捨てちゃおうかな!」

 「やっ、やめて下さいっ! いますぐ、話をききますっ!!」

 この話の噛み合わなさは尋常でなかった。

 「えっと! 君の名前は何て言うのかな!」

 「ふょです。ふょと申します。」

 「ふよ?」

 「違います、ふょです。」

 「ひょ?」

 「違うのです。ふょです。“f”の発音のあと、軽ーく“yo”を付け足す感じでふょ(fyo)です。」

 「ふ、ふふ……ふひょ?」

 「ちーがーいーまーすー! ふょです。」

 「ふょちゃんかー(はーと)」

 うわっ、アルサルが入ってきたっ!

 さっきから、なんか発音練習してるなぁと思っていたけどさっ!

 「ふょちゃんはピピ、ピクシー……な、なのかな?」

 「はい、そうですよ♪」

 「本当に! マジでっ! 本当に? うわー! 俺、勇者で本当に良かった〜!」

 アルサルが泣いている。どのぐらいかというと、“涙が出てるよ。” “ちがわい、これは心の汗だー!”という感じ。


 ふーむ。

 ふょはアルサルを無視して僕に話しかけたがろうとしているし、厨房の方から足音が聞こえる。

 「あなた〜! パンが出来ましたわよ〜!」

 マキナが来た。

 えーっと……うーんと……、どうしよう。

 目が、メドレーを独りで頑張って泳いでいる最中にマキナと目が合った。

 なんか小さい人は増えているし、アルサルは泣いているし、僕の目は泳いでいるしとようわからんから、目でこの状況を教えろと言っているが、僕もよくわからない。

 とりあえず、言っておこう、

 『僕は、悪くない。』




 ◇◆◇◆◇◆




 「かくかくしかじかでこうなりました。」

 「ほうほう。こういうことがあったのね。」

 かくかくしかじかで物事が全部伝えられるから、小説は便利だねっ!

 「ピクシーかぁ……。ふんっ、なによっ、私よりそのピクシーの方が好きな訳?」

 「…………。」

 “あるさるは ないている”

 「なによー!」

 “あるさるは ないている”

 “ふょは 仲間になりたそうに こちらを みている”

 “まきなは こちらに おそいかかろうと している”

 わお、びっくり。

 三角関係の出来上がり〜♪

 「まあまあまあまあ、落ち着いて落ち着いて。」

 「だ「ま「っていなさい。」れ。」りなさい。」

 マキナ、アルサル、ふょの順に黙れという言葉を賜りました。

 はい。黙っています。

 ボク、関わらないからねっ、絶対関わらないんだから!


ちなみに、ふょの発音は日本語にないそうです。(国語の先生談)

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