26 ☆ ーβ γ δ
語り部:姫野 真輝
ここはどこ?
周りには、雲のような白さと空のような青が。
そして目の前には紫色の小さな塊が――――
「目は覚めたかの?」
しゃべっ、た……
そちは、誰じゃ?
「ようこそ、ILLNISHへ。よろしくの。」
「はい?」
「いや、よろしくって言ってるぢゃろう?」
「えっまあ、そうですけど。ここは、何処ですか?」
「第3691の世界である。竹村与三郎からよろしく言うよう伝えられていたからのさあ、礼を言うがいい。」
「いや、礼は強要しちゃいけないし、よろしく言うっていう意味も少し間違えてるような気がするなぁ。」
「まあ、それもそうなのぢゃが、やることはさっさと済ませようかの。」
紫色の塊もとい、紫色のローブを羽織ったご老体がスススっと近づいて来る。
そして、指の先端で頸動脈のある辺りをさらっと撫でる。
ひょほっ!
ぞわっと鳥肌が立った。
なななななんだっ!
へへへへ変態さんなのか!?
「ふむ……」
なっ、納得されちゃったよ!
「そち、お主も悪よのう。」
越後屋!?
「まあ、これだけのレベルがあれば大丈夫じゃろ。」
レベルって、何。何? レベルーってなーに?
「装備品はこんなもんでどうじゃ?」
黄土色っぽい杖を振りかざす。
キラキラした粉がふわふわと僕にまとわりついて、消える。
魔法? ……何でもアリっすか!
一陣の風が吹く。
?
お尻に爽やかな風。
!
うん。
白っぽい布。ヒラヒラっとした。
うん?
背中を触ってみる。
紐があるねー。他には何にもないやー。
うふふ~、あはは~……って!何考えてんだ、このジジイ!
「おい、ジジイ!」
男が裸エプロンって楽しいか?
アレが後ろから丸見えだぞ?
禊くんがやってたけど、うん、あれはな。
「何ぢゃ?」
「何でエプロンなんだっ!僕は男だぞっ!」
「何でって……裸エプロンは男の夢ぢゃろ、浪漫ぢゃろ!」
「確かにそうだけど……って違ーう!」
「何がぢゃ?」
「男が女にやってムフフとなるだけで、男が男にして、ムフフとなる訳がないっ!」
「ふむ、ぢゃがな、世界は広くての男同士でムフフ――」
「もういいからっ!もう!元の服に戻してくれ。頼むから。」
「……嫌ぢゃと、言ったら?」
「帰るっ!」
「? 帰ることは出来んぞ。」
「なっ、ななな何で?」
「此処は一方通行の入り口、例えると普段の霊道ってとこぢゃな。」
例え分かりづれーよ。霊道ってなんだよ!?
「まあ、とりあえず出口を探せ! ってことぢゃな。」
乃子は~?
もう、会えないのか?
「まあ、と言う訳で。またな。」
ふわっとした感覚。
逆らいがたい、星の暴力。
つまり、重力。
落下。FREE FALL.
「うわっ!」
落下には若干慣れたけど、やっぱり嫌だ。そして、慣れるということ自体がおかしい。
そして、再びキラキラした粉が僕の廻りを舞う。
おっ!
はっ、裸エプロンではなくなるんですねっ!
やったー!
ありがとうございます、裸エプロンから逃して下さって。このご恩は一生忘れません(多分)。
でも願わくば、女物でありませんように――――
◇◆◇◆◇◆
青い空と黄緑の草原にたどり着きました。まるでCGのようです。
RPGで言うと“始まりのの草原”みたいな?
うわー、すごい!――――あっ………
…………。
結果から見れと。
ハア。 (´-ω-`)
……………………。(現実逃避中)
えっ? はい、言います、言います!
「未だにエプロンだぁーーーーーーーーー!」
つい、叫んじゃいましたっ。イェイ!
だってだって、男の子がふりふりのエプロン着てんだよ?
僕、髪長いんだよ?
頭にもふりふりのカチューシャあったし……
どーしてくれるんだっ!
女装させて!
僕と乃子のラブスイートタイム☆をぶっ壊すなんて……
ちくしょーー!
神様なんて、呪ってやるー!
◇◆◇◆◇◆
“グァルルルルルル”
頭の中に響くような声。
?
これは唸り声?
ッ! ( ; ゜Д゜)
後ろを振り向くと――――
黄色の水玉模様ののネコ科の動物がいた。
「ひいっ!」
たっ、助かるには何をしなきゃいけないかなっ!?
ぼ、僕は美味しくないよ?
美味しくないんだってば!
どうしよっかなっ!
たっ、助けて!
神様仏様!
どうかっ!
お願いしますからっ!!
昨日、投稿出来ませんでした。
あまりにも眠たかったので……
すみません。
一応、第二章が終わるまで、毎日投稿だと思われますが、まだ、未定です。
よろしくお願いします。