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闇の中にて僕は輝く。  作者: udakuda
第二章 人生は、突然に。
23/59

21 ☆  ーβ γ δ

語り部:姫野 真輝

 ここはどこ?

 Where am I?

 竹村財閥家から逃げてきたはいいけれど、いいけれど?

 でもでも、でもでも。ここはどこ?

 何処に戻れば良いのか、全く判らぬ。

 我が誰なのかも見当がつかぬ。

 何故(なにゆえ)、我は此処に居る?

 って、何でこんな我が猫(←× 吾が輩は猫である)みたいな話し方してるんだろう?

 つーか、キャラもぐらぐらしてる。

 とりあえず、状況確認をしよう?

  ・記憶が無いこと(一般的なことは分かる)

  ・男であること。(学ランを着ていることと、一物が付いている)

  ・竹村財閥の関係者かもしれないこと。(親しげに話し掛けてきた)

  ・→適当に逃げてきて、全く此処がどこか分からないこと。(現在地は長久手町だって)

  ・所持金なし。(生徒手帳しかないよ?)

 このぐらいだねぇ。

 あはは。

 全くわっかんないよ?

 あはは

 あはははは!

 にゃほー!

 あははははははは!!

 にゃはははははははははははははははは!!!

 たっのしー♪

 にゃにゆえ、ぼきゅはここにいるにょかにゃ?

 にゃっにゃっにゃっ!

 たのしいにょにゃー!

 こんなくらいことにゃんてかんがえにゃくてもいいんじゃにゃいか?

 にゃははっ!

 どーでもいいにゃん!

 そんにゃことにゃんてかんがえにゃくてもいいことだにゃん!

 べつにぼきゅがどこにいとしても!ぼきゅはぼきゅだにゃん!

 ほら!あっちゃかそうにゃひざしがあるにゃん!

 あったかいにょにゃ!

 しょこはかとにゃくきもちいーにゃん!

 ぐるぐるぐるーってどっかがなってるにゃ!

 そこはにゃーんとにょどにゃにょにゃ!

 あったかずきでにょどがにゃる……!

 そうだっ!

 ぼきゅはにぇこにゃんだ!

 にぇこはたのしくくらしてさえいればいいのにゃ!

 えさをたくさんたべて、まんぷくでくらせばいいにょにゃ!

 ほりゃ!

 にゃ!

 おーけーにゃにょにゃ!

 あそんでじゆうきままにくらすにょにゃ!

 じゆうばんざいにゃにょにゃ!

 にゃーん!

 ごろごろころがるとあったかくてきもちいーにゃ!

 うにゃー?

 さかにゃのにおいがするにゃ!

 いってみるにょにゃ!

 あっさかにゃやいてるにゃ!

 いいにおいにゃー!

 よだれがぽたぽたたれてくるにゃん!

 おいしそうにゃん!

 にょ?

 あごのところがかゆいにょにゃ。かくにょにゃ!


 いにゃっ!

 にゃんでこんにゃにいたいにょにゃ?

 ああ、こにょにゃしについてるかたいもにょがいたいんだにゃ?

 そうだにゃ!

 ぬぐにょにゃ!


 にゃ!!

 にゃんだかこにょかたいにょのかたちがちょーおもろいにょにゃ。

 ちょんちょんってするとにげてくし、ひもがひらひらしててうずうずするにゃ!

 たにょしいにゃっ!

 「ピィーーーーーーーッ!」

 に゛ゃっ!

 にゃんだ?

 びっくりしたにゃ!

 にゃにごとかっ?

 にゃんか、くろふくのひとがはしってくるにゃん。

 これはこれはあやしいにゃ!

 ふきつにゃー!

 きけんだにゃー!

 “三十六計逃げるにしかず”というように、にげるにょにゃ!

 ちかくにょぶろっくかべにょうえににょってみんかにょやねににょってからにゃ。

 そのままぜんりょくしっそうにゃ!


 にぇーい!

 ぶじ、とうそうかんりょーだにゃん!


 !!

 にゅー……

 はしったらけなみがみだれたにゃ!

 かおをあらって……

 しぺしぺとてをなめ……

 っ!

 苦っ!

 うわっ!

 何で僕、手を舐めている?

 汚いじゃないか。

 て言うか、ここ、どこ?

 屋根の上っ?

 何で?

 あぢっ!

 あちちっ!

 屋根、あっつ!

 靴すら履いてないじゃないか!

 とりあえず、降りるか。

 ひょいっと降りると黒服の男がいた。

 急に現れたからかとても驚いているようだ。

 「あの…ここどこですか?」

 そう聞く前にビリビリッと脳内にスパークする。

 電気が。

 それはいわゆる電子警棒で。

 意識が真っ白く塗り潰され―――




 ◇◆◇◆◇◆




 あの時から20分後、姫野真輝は見つかった。

 「ああ、乃子。どうしたの?そんな慌てた顔して。」

 「大丈夫なの?」

 「…大丈夫も何も、何にもしてないよ?」

 「…………。じゃあ、なんで薄汚れてるの?」

 「? 薄汚れてる?ん?……あっ、本当だ!なんでだろ…?」

 「うっぅぅ……」

 「どうしたの?お腹痛いの?」

 「とっ、とっても心配したんだから~!」

 「えっ?」

 “竹村乃子は抱きついてきた!”

 “姫野真輝に幸福が訪れた!”

 “胸にむにゅりとした感触を感じた!”

 “HPが100回復した!”

 と、脳内にファンファーレが響く。

 「あなた、記憶喪失だったんだから……私のこと忘れてたんだから…うっううっ……」

 大きな瞳から涙がぽろぽろとこぼれ落ちる。

 でも、自分が記憶喪失だったことさえ覚えてないから、慰めることすらできない。

 “痛恨の一撃!!”

 “姫野真輝に200のダメージ!”

 “泣き声を聞いて仲間が現れた!”

 ぐはっ。

 脳内メッセージはなんともこの状況を映し出しているんだろうなぁ

 「姫野真輝君?」

 「は、はい……」

 「なんで、乃子は泣いているのかな?」

 「あ…えー……その………安堵感による気の緩み?」

 「ほう。曲がるなりにも彼氏なのに慰めもしないのか。」

 「あっぅー……」

 「そんな男が乃子の彼氏とはいただけないな。」

 “痛恨の一撃!!”

 “姫野真輝に1050のダメージ!”

 “姫野真輝は死亡した!”

 ―――戦闘終了―――

 あっ、死んだ…

 「お父様?」

 「なんだ、乃子?」

 「まーくんをあまりいじめないでくださるますか?」

 「いじめているつもりはないんだけどな。」

 「確かに、まーくんは声をかけてくれなかったですけれども、胸の中で泣かせてもらいました。こういうのが男の包容力というものなんですよ?」

 あっ、やっぱり声はかけて欲しかったんだ。

 「うん、わかったよ乃子。」

 乃子のお父様は心底面倒臭そうに頷く。

 やはり適当に、

 「じゃあ後片付けしてくるから。」

 “乃子のお父様は去っていった!”

 「まーくん!!」

 乃子が胸に飛び込んできた。

 「うん、頑張ったね。…何が有ったか教えてくれる?」

 乃子の黒髪をさらりとさわる。

 「あのねあのね……」

 そう言って語り始めた。




 ◇◆◇◆◇◆




 語り終えたときに褒めようと思った。

 「よく頑張ったね。助けてくれてありがとう。」

 頭もナデナデする。

 乃子は嬉しそうにはにかむ。

 そんな午後の一時。


 苦労させてしまった乃子も全く覚えてない自分もこれで報われる……そう思った。


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