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闇の中にて僕は輝く。  作者: udakuda
第二章 人生は、突然に。
21/59

19 ☆  ーβ γ δ

語り部:姫野 真輝

 お母さんにテーブルマナーを教えてもらってそれなりにはなりました。

 背広なんて洒落たものはないから学ランで行きます。

 ういろうを手土産として持ちました。

 ういろうは小学校で食べたやつの方が美味しいです。

 身支度は完璧です。さあ、出発しましょう!


 ……一人ぼっちで。



 ◇◆◇◆◇◆




 PM.1:45

 竹村家の門の前に着きました。

 広いです。

 本当に広いです。

 でら広いです。

 どのぐらい広いかというと、門から塀の切れ目が判らないぐらいです。

 広いです。

 広いです。

 ヒロシ……じゃない!

 ……何でヒロシと広いを間違えたかなぁ?

 アホだから?

 うん。そうに違いない。

 そんなお馬鹿は死んだ方がましだ。

 じゃあ、今すぐ死のう。

 思い残したことは……ある。やっぱ、やめた。

 僕が死んだら乃子が悲しむだろうに。

 付き合い始めたばっかなのに、相手が死んだら悲しすぎるでしょ。

 ……。


 ……。


 ………。


 ふわぁー…、眠いなぁ。


 ………。


 …………?

 ん?

 あれ?

 私は誰?ここはどこ?

 私は何のためにここにいる?

 この何かでっかい木の門は何?

 何のため?

 何のため?

 て言うか私、何のためにここにいるんだろ?




 ◇◆◇◆◇◆




 謎の大きな門の前に座って考えていたところ、急に門が開いた。

 びっくりしてる間に背中は門から離れ、後ろに移動していた重心でコロンって一回りした。

 そしてバタムッと門が閉められた。

 寝っ転がる僕にかかる二つの影、五十歳ぐらいのおじさんと年若い少女が見下ろしていた。

 「あなたたち、誰ですか?」

 そう言わずにはいられない。

 少女は悲しそうな顔をした。口角は下に下がり涙で目が潤んで、でも正直言って可愛い。

 抱き締めたくなるような可愛らしさ。


 でも、誰?

 そして僕は誰?

 「……乃子の名前も覚えていないのかい?そんな奴には乃子をあげられないなぁ。」


                  乃子?              


 「まーくん、大丈夫?」

 まーくん?

 これが僕の名前?

 〇〇〇まーくん?

 なにその名前。

 「あなた、誰ですか…?ここはどこですか?」

 「………。」

 「ワシは世界の竹村財閥の会長だが?ここはワシの家だ。」

 「おっ、お父様…!」

 「そ、そんな畏れ多いところにいるなんてっ!あっ、ありがとうございましたっ!さささようならっ!」

 ドォゥァーー

 ダッシュで門から出て、右に曲がった。


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