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闇の中にて僕は輝く。  作者: udakuda
第二章 人生は、突然に。
20/59

18 ☆  ーβ γ δ

語り部:姫野 真輝

 金曜日の午後、授業が全て終わりました。

 これで、今週は終わりです。

 あっ、でも、日曜日には乃子のお父様に会わなければなりません。

 億劫です。

 午後二時に竹村家に集合って言ってたから、もしかしたら御飯をいただくかもしれないなぁ。

 お母さんにそういうマナーを学ぼうと思います。

 まだ、竹村乃子と付き合ってるとは言ってないから、少し驚くかもしれません。

 うーむ、やっぱり億劫です。




 PM.10:00

 「ただいまー。」

 お母さんが帰ってきました。

 お仕事お疲れ様ですと思いつつ、

 「お母さん、少しお願いがあるんだけど……」

 「ん?何?」

 「テーブルマナーを教えて欲しいんだ。」

 「いいけど、何で?」

 「彼女の家に招かれたんだ。」

 「えっ?あんた彼女いたの?」

 「う、うん…」

 「誰?誰なの?」

 「えっとね、……竹村乃」

 「えっ!あの竹村財閥の竹村?」

 「うん…。」

 「すごいじゃない!玉の輿じゃないの。」

 「まあね、乃子ちゃんは一人っ子だから玉の輿と言えなくもないけどさ。玉の輿は女の人が乗るものでしょ?」

 「まあ、いいんじゃない?あんた女の子っぽいし。」

 「何、人が気にしてることをグサッとしてるんだっ!」

 「幸せに苦痛は憑き物よ。」

 ヒューどろどろ~、とお化けの振りをする。

 「憑いてたら怖いよっ!」

 「それもそうね。それより、テーブルマナーを教えろ?」

 「うん。」

 「まあ、いいわ。親の顔が見てみたいって言われないようにしなきゃ。面倒だけど。」

 「はーい…」

 「じゃあ、いつもの料理をお上品に盛るから手伝ってね。」 

 「うー…」

 「あと嫁入り前に読んだ作法の本、出しとくから暗記しなよ。」

 「うがー…」

 「何、奇声を出してるの?恥をかくのは、あんたなんだからね。あぁ、心配しないで。親の顔が見てみたいって言われたら、行ってこんな顔ですがって言ってあげるからねっ?」

 「くっ…馬鹿にしやがって……。絶対そんなこと言わせないからなっ!」

 「はいは~い、頑張ってね~。本出しとくから読みなさいよ~。」

 「ぅあーい。」

 また、勉強か……。





 「090XXXXXXXっと…」

 ピポパポと電話をかける。

 電話先はもちろん乃子の家だ。

 プルルルルルルッ、プルルルルルルッ、プルル、ガチャ

 をっ!

 「…誰だ!」

 いや、あんたが誰だ。乃子のケータイなのに。

 「あっ、えっと、僕、乃…いえ、竹村さんの友人の姫野ですけど……、た竹村さんはいますか?」

 何とかセーフ!

 「……。お前、姫野真輝か?」

 ん?不穏な空気が…?

 「はっ、はい。」

 「そうか、お前が姫野真輝か。」

 つーか、あんた誰?

 「はい、そうですけど……」

 まさか、乃子のお父様!?

 「で、何の用かな?」

 若干、冷や汗が出る。

 「えーっとそのぅ、あなたは乃子のお父様ですよね?」

 「…ああ、そうだが。」

 ウワー!キター!嫌な方向からー!

 「はい、あの、日曜日にあなたに招かれたって乃子から聞いたんです。それで何か特に持っていくものはないかなぁと思いまして。」

 「ふむ、成る程。まあ、そんなに気を使わなくて良いぞ。」

 『お父様!何で私のケータイを使っているんですか?』

 電話口から乃子の声が聞こえた。

 「何、ワシが話しておるんだぞ?」

 『何よ、お父様!返してよ!まーくん…じゃなかった、姫野君とお話しているんでしょ?』

 あらー、親子喧嘩が勃発しちゃいました。

 『とにかく、お父様は関係無いでしょ?返してよ!』

 「何を言っておる?もしかしたら竹村家の跡継ぎになるかもしれない人だぞ?関係無い訳がないじゃないか。」

 えーっと、どうすれば良いと思う?

 『明後日、ゆっくり話せばいいじゃない!』

 「ならば、乃子だって月曜日に話せばいいじゃないか。しかも昨日も学校で話しただろ?」

 『そんだけじゃ足りないの!』

 親子喧嘩の論点が僕……。

 「大体なー、乃子。一体いつからお前はそんなに強情になったんだ?」

 『かっ、関係無いでしょっ!』

 「そういえば、幼稚園のときから“SSK”(←名古屋のお嬢様学校)に通っていたのに、中学校は何で公立に通いたいと言ったんだ?そこから強情なのか?」

 ……いつまで続くのかな。

 『お嬢様学校じゃない学校を体験してみたかったからよっ!』

 「だからお前に悪い虫がついたのか。」

 『姫野君を悪い虫扱いしないでっ!』

 「そうだろ?だってあの子は……」

 『ん?何よ?』

 「いや、何でも プツッ、ツーツーツー…」

 ガチャン。

 はあ、悪い虫呼ばわりか。

 まあ、その通りなんだけどさ。

 僕が乃子を誘拐しようとしなければ、僕との接点はなかったのだから――――。


復活しました。

よろしくお願いします。

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