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闇の中にて僕は輝く。  作者: udakuda
プロローグ
2/59

02 ☆  α β γ δ

語り部:竹村 乃子




 それでね。

 私は考えたんだ。

 一人を特別扱いしないって。






   #



 家に帰っても、家の周りをうろうろする人が一杯です。

 たくさんです。

 家なのに落ち着けません。

 どうしてここがわかったのでしょうか?

 困ったさんが一杯だなぁって思います。

 ああ、いけないいけない。

 明日に延期してもらったんだから、私も頑張らなくちゃ。

 指示して買ってきてもらった名刺サイズの紙と封筒を取りだします。。

 すべて同じ規格の物です。

 さて、とりあえずどのぐらい作りましょう?

 まあ、300個ぐらい作ればいいかしら?

 そうしましょう。

 マイPCを起動して、ワープロソフトをダブルクリックします。

 タカタカタカッとキーボードを叩くと真っ白な画面が少し黒で汚れます。

 文面は、

 “ごめんなさい。これからもいいお友達でいましょう。”

 公立中学校に来たのは、友達を増やすため。

 別に彼氏や未来の配偶者を見つけに来た訳ではありません。

 私は平和主義なのです。

 “竹村乃子”

 と打って印刷します。

 一気に300枚を。

 平和の意味を込めて。

 Thank You For Liking Me.《好きでいてくれてありがとう》

 建前を。

 あくまでも、それは建前。

 I won’t forget you. 《きっと、忘れないからね》

 打ってみたけれど消しましょう。

 そんなこと出来ないし、しようとも思いません。

 グワーッ、グワーッと唸っている印刷機の前に散らばった紙々を集めます。

 表が終わったら裏を、Thank You For Liking Me.《好きでいてくれてありがとう》を若草色でプリントします。

 終わった物には若竹の香水を半プッシュして、一つ一つ封筒の中に入れていきます。

 自分で心を込めて。

 自分が昔集めていたシールで封をして、完成です。

 誤解を恐れて言うと、PCで打ったのは訳が有るのです。みんな平等にって思いましたからです。手書きだと、誤差が出ますからね。

 手早くして、完成です。

 あとは、渡すときにその人の名前を記入すればOKですね。

 あら、もう11時20分ですわ。早く寝ないと……

 パジャマに着替えまして、電灯を消しまして、ベッドに潜り込みます。

 おやすみなさい。




◇◆◇◆◇◆




 次の日。

 朝。

 家の前には大量に人がいました。

 学ランの中学生が大量に。

 今、暗殺者がいるとしたら、かなり危険ですね。

 外はザワザワと騒がしいのです。

 今か今かと待ち構えているのがめに浮かびます。

 ……そんなことでは朝ごはんもままなりません。

 部下に言って、それらを学校に連れて行かさせました。

 近所迷惑にもなりますし?

 それから、今日から車で登校するようになりました。誘拐される危険性が高まりましたので

 今まではせいぜい10メートルの距離にはボディーガードがいたのですが、近くなったぶん安全です。安心です。

 とりあえず、“腹が減っては戦はできぬ。”という至極全うなことわざに基づきバランスの良い朝食を食べました。

 昔の人風に言うと、「いざ出陣!!」なのでしょうか?

 リムジンのドアがバタンと音を立てて閉まりました。




◇◆◇◆◇◆




 黒塗りのリムジンから見ると、中学生が何人か追いかけてくるのが判ります。

 一目見ようと近づいてくるのでしょう。

 まあ、無駄なのですけど。このリムジンは窓ガラスが濃いスモークで覆われているので窓からはよっぽど近づかないと(距離5センチメートルぐらい)中が見えません。

 運転席とは仕切られているので前からも見えません。

 それでも、見ようとするのは滑稽を通りすぎて何か可哀想です。

 それはともかく、早く学校へ向かいましょう。

 皆さんを遅刻させてはいけませんからね。




◇◆◇◆◇◆




 私は驚愕した。

 いえ、しました。

 だって、ねぇ?

 私の下駄箱が開いていて、ラブレターが溢れているからねー。

 えっと、邪魔ですよね。

 取り敢えず、鞄の中に片付けちゃえ!

 この数、一体どれだけあるんだろう?

背筋がブルリと震えた。




◇◆◇◆◇◆




 げっ!

 あっ、いけないいけない。女の子なんだから、もっと上品にしなければいけないわね。

 どれだけ多いのかしら……。

 迷惑ですよね。

 逃げちゃだめだね。

 よーし、竹村の名前にかけまして、この問題を解決してみせましょう!




◇◆◇◆◇◆




 ふぅ、つかれたなあ。

 やっぱり自分一人で捌ける物ではありません。

 告白に来た人の名前を聞いて、昨日用意した封筒に宛名を書きます。

 そして、部下に届けさせます。

 自分では……ちょっと無理ですね。

 今日もらっただけでも、300は越えています。

 追加生産しなければいけませんね。

 今日は少し勉強が出来なくなりそうです、お父様。

 助けてくれなくてはいいですけど、傷は広げないで下さい。

 お父様、御願いします。

 でっ、でも!

 後悔はしてませんからね!




◇◆◇◆◇◆




 夜のうちに手紙の返事を全て届け終わりました。

 えっへへー、頑張りましたよー?

 いけない、いけない。

 竹村乃子・・・・は甘えてはいけない。

 それはそうと、今日こそは落ちついているといいのですが。

 …そんなことが有るといいですねぇ(遠い目)。




◇◆◇◆◇◆




 きゃっ!

 下駄箱からは大量のラブレターが流れ落ちてきます。

 どこまで入っていましたか?と思う反面、面倒だなぁとも思います。

 今日中に返事を書かなくてはいけませんね。



 今日もたくさんの人が私の下を訪れました。彼らや彼女らには上級生もたくさんいました。

 彼らからラブレターを受け取り、家で返事を書きます。

 できれば、私は平和に生きていきたいのです。気楽に読書できてればいいのです。

 だから私は頑張り続けようと思いました。

 平和で平和な日常を手に入れるために。

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